【SS】紗夜「セステミク!」

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159件の返信スレッドを表示中
    • 1 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      おはこんばにちは。
      なんでもない日常like a dream!をかつて書いていた人です。(伝わる?)
      それはそれとして、
      独自解釈、独自設定モリモリなのでご了承。
      更新は毎夜を予定しております。

      では↓



    • 2 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「セステミク!」

      「せすてみく……?」

      「何か意味があるの?」

      「セステミクはセステミクです」

      「どういうこと……?」

      「そういうことです」

      「謎が深まる一方ね」

      ◆時は、遡る───!!



    • 3 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.1
      『ひとりじゃないんだから』

      【circle】

      「おはようございます」

      「来たわね。さぁ、始めましょう」

      「始めるって……他のメンバーは?」

      「リサはバイト、あこと燐子はNFOの……なんだったかしら。とりあえず、何かよ」

      「え?今井さんはともかく、宇田川さんと白金さん、そんな理由で来ないんですか?それ、どうなんです?」

      「私も最初は駄目って言ったわよ」

      「けど、今を逃したらチャンスがないとしつこく言ってくるから……」

      「私は我慢して来たのに……」

      「あ……ごめんなさい」

      「いやいや!謝ることなんかないです!」

      「今日は中止にする?」

      「いいえ、練習しましょう!そうでなければ、私のDeterminationが無駄になってしまいますから!」

      「それに、湊さんひとりでは自分の改善点を探すのは難しいでしょう?」

      「ありがとう、紗夜」

      「けど、今日は早めに終わりましょう。そしたら、紗夜もNFOを思うままBring it on downしなさい」

      「分かりました」

      「……思えば、最初は私の紗夜の二人から始まったわよね」

      「そうですね……私たちが幼馴染だったことを知ったときは驚愕しました」

      「私は今あなたがナチュラルに過去を捏造したことに驚愕したわ」

      「え?すれ違ってませんでしたっけ?」

      「私たちの認識がね」

      「うまいことを言いますね」

      「……」

      「けど、湊さんには感謝してますよ」

      「え?」

      「あのときの私って、他人を酷く嫌っていて……自分の理想だけを重視して、周りが見えていなくて……」

      「湊さんは、そんな私に声を掛けてくれました。本当にありがとうございます」

      「……」

      「れ、練習するわよ……っ!」

      「ふふ。そうしましょう」



    • 4 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      数時間後。

      「……こんなところね」

      「今日はありがとう、紗夜」

      「お礼なんて要りません。練習しただけですよ?」

      「それもそうね」

      「では、お疲れ様でした」

      「えぇ、お疲れ様」



    • 5 名前:匿名スタッフさん ID:lNjFlMWR[] 返信

      ズンドコベロンチョ?



    • 6 名前:匿名スタッフさん ID:kMjdjMDZ[] 返信

      お久しぶりです!!



    • 7 名前:匿名スタッフさん ID:jODYxMTl[] 返信

      くしゃがら?



    • 8 名前:匿名スタッフさん ID:4ZjVlN2V[] 返信

      おお!遂に…
      応援しています!!



    • 9 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      (真っ直ぐ家に帰ってもいいのですが……ポテトをお持ち帰りしたかったり……)

      (うーん……)

      【ファストフード店】

      「ポテトください」

      「こちらでお召し上がりですか?」

      「テイクアウトでお願いします」

      「かしこまりました」

      ……。

      「ポテトLサイズになります」

      「ありがとうございます」

      (さて……帰ってゲームしましょうか)

      (宇田川さんと白金さん……よくもまぁゲームしたいからって理由で休みましたねホント……)

      (まぁ……少しくらいそんな日があってもいいんですかね……)



    • 10 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【氷川家】

      「ただいま」

      「おかえり!おねーちゃん!」

      「あ、おかりなさい。紗夜ちゃん」

      「!?」

      「丸山さん……どうしてうちに?」

      「おねーちゃん……実は、彩ちゃんとあたしは幼馴染だったの!」

      「えぇ!?」

      「過去を捏造しないの。パスパレのことで何か話していただけでしょう?」

      「うん、そうだよー」

      「びっくりしたよ……」

      「真に受ける丸山さんも丸山さんかと……」

      「あ!そうだ!紗夜ちゃん、これあげる!」

      「……CD?」

      「収録曲は、『ひとりじゃないんだから』!」

      「それって、確か文化祭の……」

      「そう、CDにしたの!いつでも聞けるようにそうしたらいいんじゃないかって、みんなで決めたんだ!」

      「そうだったんですね」

      「私はバイトしていませんが……」

      「でもでも、るんってする曲だからオッケー!」

      「……そうね」

      「じゃあ、私は部屋にいるから」

      【紗夜の部屋】

      「丸山さん、今井さん、松原さん、羽沢さん、青葉さんの5人でしたっけ……」

      「……」

      「……ひとりじゃない……か」

      「っと、ログインしなくちゃ」



    • 11 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      [ゲーム内チャット]

      『あ!紗夜さん来た!』

      『ねぇねぇ、友希那さん怒ってなかった?』

      『大丈夫かと』

      『よかった〜(´∀`)』

      『ただ今回のようなことは本来あまりよろくしないですよ』

      『ですよね〜』

      『友希那さんが許可したのでセーフ╰(*´︶`*)╯』

      『どうせ休むなら私も誘ってほしかったです』

      『えっ、誘ってよかったの?りんりんと相談したけど、絶対怒られると思ってたよ……』

      『びっくりんりんΣ(゚д゚lll)』

      『……まぁ断ったと思いますが』

      『ストイック星人ϵ( ‘Θ’ )϶』

      『ストイック星人ʕ•ᴥ•ʔ』

      『なんですかそれ……』

      『いくぞNFO、ポテトの貯蔵は十分か?o(`ω´ )o』

      『十分です』

      『れっつごー!!』

      数時間後。

      『ちょっと休憩にしよ〜』

      『賛成!(≧∇≦)』

      『そうですね』

      『そういえば、丸山さんからCDをいただいたのですが』

      『ひとりじゃないんだからですか?( ・∇・)』

      『あこも貰ったよー!』

      『そうです。あれいいですよね』

      『いつもと違うバンドメンバーなの、ドカーンって感じでサイコー!』

      『いつもと違うメンバーで……ですか』

      『それって、どんな感覚なんでしょうかね』

      『氷川さん、(・・?)』

      『もしかして、紗夜さんもやるの!?』

      『いえ、やるとは一言も』

      『なーんだ』



    • 12 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      『ですが、興味が無いと言えば嘘になりますね』

      『てことは!?やるんじゃん!早く見たーい!』

      『そうだね!(^∇^)』

      『勝手に話を進めないでください』

      『今はまだ私が勝手に思っているだけの段階ですので……』

      『紗夜さんならできますよ!』

      『ファイト!ヽ(´▽`)/』

      『ちなみに、誘うなら誰とか考えてますか?』

      『いや、ですから、ふと思い立っただけです』

      『じゃあ仮に!やるとしたら誰を誘いますか!?』

      『これは答えるまで先に進めそうにありませんね』

      『その通り!(゚∀゚)』

      『そうですね……』

      『わくわく(*’ω’*)』

      『シークヮーサー』



    • 13 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      『ハロハピの誰かはほしいですね』

      『どうしてですか?』

      『Roseliaにないものを持っているので』

      『やべーやつですか?✌︎(‘ω’)✌︎』

      『Roseliaにやべーやつはもういます』

      『えっ(O_O)……誰ですか?』

      『紗夜さんだよ』

      『湊さんです』

      『紗夜さんの方がやばいと思う』

      『私のどこがやばいんですか?生徒会ですよ?』

      『生徒会がまともという風潮(゚ω゚)』

      『特大ブーメランじゃないですか』

      『アボリジニッ』

      『私以外の』

      『慌てて付け加えましたね』

      『生徒会にまともな人はいない』

      『あこちゃん!?∑(゚Д゚)』

      『羽沢さんはまともでは?』

      『確かに』

      『りんりんもまともだよ……_:(´ཀ`」 ∠):』

      『それはない。りんりんはやばい』

      『あこちゃんはそんなこと言わない😠』

      『顔文字のタイプが変わった』

      『解釈違いだ😡』

      『あこがそう言ってるんだから解釈もクソもないでしょ』

      『あるもん👿』

      『宇田川さんが勝手に言ってるだけ定期』

      『正気かこの人たち』

      「おねーちゃーん」

      『すみません、日菜が来ました』

      『レイドクエスト発生!😨』

      『みんな丸太は持ったか!』

      「どうしたの?」



    • 14 名前:匿名スタッフさん ID:wNGRlMDU[] 返信

      かなり好きです!
      更新楽しみにしてます!



    • 15 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「どうしたの?」

      「今日、彩ちゃん泊めてもいい?」

      「よろしければ〜……」

      「私に許可取ってどうするのよ。お母さんに聞きなさい」

      「お母さんは許可してくれたよ」

      「なら私に許可取りに来なくていいでしょ」

      「あはっ、それもそうだね!」

      「おねーちゃん!絶対にあたしの部屋に入っちゃ駄目だからね!」

      「別にあなたの部屋に用事はないし……構わないけど」

      「……」

      「そう!だからいい?絶対駄目!」

      「分かったわよ……」

      「行こっ、彩ちゃん!」

      「うん」



    • 16 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      『日菜が部屋に戻りました』

      『大丈夫ですか?MP残ってますか?😧』

      『そもそも使ってません』

      『休憩はこの辺にして、次は何やりますー?』

      『氷川さんがまだコンプできてないクエストとかあれば手伝いますよ(´∀`)』

      「ひっ、日菜ちゃん……」

      「ん?」

      (壁越しに何か聞こえる……)

      「彩ちゃん……かわいい……」

      「んん!?」

      『紗夜さんのやりたいやつ教えてー!』

      ギシィ……

      (ベッドが軋む音ォ!?)

      「日菜ちゃん、駄目……!」

      (ひひひひひひなぁ!?)

      パシッ

      「っ!?」

      「この手を離さない……」

      「ティアドロップスレボリューション涙全部集めたら〜♪」

      (いや楽しそうだな!)

      「ハートブレイクふんふふんふん♪新しいふふんふんふふふ〜ん♪」

      (うろ覚え!)

      『新しい場所へ行こう』

      『やっぱり新しいクエストってワクワクするもんね!』

      『今の氷川さんのレベルなら大丈夫そうですもんね』

      (あっ、正しい歌詞を誤爆したけどなんとなく間違ってない返答になった!)

      またまた数時間後。

      『もう寝ますね』

      『おやすみなさい(*´ω`*)』



    • 17 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      ベッドダイブッ

      (私は昔、やる気のないバンドというものを拒絶していた)

      (高みを目指すには、お遊びの気持ちは不要だと)

      (私は孤独だった)

      (そんな中で、湊さんがバンドに誘ってくれた)

      (Roseliaは高みへ、高みへと進化を続けている)

      (Roseliaは、音楽だけに囚われているわけではない)

      (各々の部活動、趣味、人間関係が尊重されている)

      (以前の私なら、きっと咎めたでしょう。あのときのように)

      (……)

      (楽しくバンドをやりたい)

      (あの頃も、本当は心のどこかでそう思っていたのかもしれない)

      (それができないと知ったから、私は私を偽った。本当の自分を鎖で縛った)

      (けれど……今なら)

      (今なら、できるのではないだろうか)

      (私がやりたかったことを……)

      Chapter.1
      『ひとりじゃないんだから』 了



    • 18 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      なにこれ
      めっちゃおもろいんやけど…



    • 19 名前:匿名スタッフさん ID:jODEzOWR[] 返信

      セステミクって何なんだ…!?



    • 20 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.2
      『羽ばたく音』

      翌日。

      【花咲川女子学園 3-A】

      一時限目。

      (新しいバンドをつくるなら、Roseliaとは違うコンセプトを目指したいですね……)

      (やはり、ハロハピの爆発力は必要不可欠でしょう)

      (ギターが被るので瀬田さんは難しいですね……)

      (弦巻さん北沢さんは……まぁ、ナシではないでしよう。ただ、私の胃が心配になります)

      (ミッシェルは……今回はナシでしょうか?なんとなくですが)

      (松原さんが個人的に第一候補ですね)

      (同じクラスですし、松原さんには色々世話になっています)

      (なのでまず、松原さんに声を掛けてみましょうか……?)



    • 21 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      (さて、次は……)

      (Roseliaは、『孤高』『気高く』……といった言葉が似合いますね)

      (頂点……とは言えないけど、それなりに高いところから、オーディエンスを熱狂の渦に巻き込む)

      (それこそがRoseliaなのですが、敢えてケチをつけるなら、“上から目線すぎる”ことですね)

      (圧倒的な存在感で先導者となり、みんなを引っ張っていくのがRoseliaなら……)

      (私がこのバンドで目指すべきは、“後ろから”背中を押してあげられるようなもの……)

      (立ち止まってしまった場所から、一歩を踏み出す勇気をあげられるように……そしてその勇気が、やがて強い熱を生み出せるように……)

      (コンセプトはこれが良さそうですね)

      (そう考えるとやはり、松原さんを誘いたいものです)

      (彼女は一度、ドラムをやめようとしていますからね)

      ……。

      「紗夜ちゃん。一緒に行こっ」

      「えっ、いいんですか?」

      「ふぇっ!?」

      「……いいんですかもなにも、次の授業は移動教室だよ?」

      「もうすぐチャイム鳴っちゃうよ?」

      「あっ……えっと、今のは忘れてください」

      「紗夜ちゃん、疲れてない?さっきの授業も眠そうだったよね?」

      「あれは……少し考えごとをしていたんです」

      「そうなの?」

      「はい。ですが心配は御無用ですよ。大したことじゃないんです」

      「そっか。なら良かった……」

      「……」

      「あっ!移動教室!!」

      「あ」

      「時間ギリギリだよ!走っちゃわないと間に合わないよ!」

      パシッ

      「早く行こっ!」グイッ

      「えっ、ちょっと……松原さん!?」

      (意外と松原さんって人を引っ張るタイプ……?)

      (いや物理的に引っ張られてるんですけど〜)

      ◆風紀委員、走る───!!



    • 22 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      昼休み。

      花女3年組ランチタイム。

      「スペシャルバンド!紗夜ちゃんがつくるの!?」

      「えぇ……まぁ」

      「どんなバンドにしたいの?もしかして、Roseliaを超えるほどの実力を持ったバンドを作っちゃったり?」

      「ストイック星人……」

      「Roseliaを超えるバンドなんて作れませんよ。Roseliaが最強なんですから」

      「流石の心意気ね」

      「誰を誘うつもりでいるの!?気になる!」

      「え……あ……」

      「ん?ちょっと待って!私たち5人って、バンド組めるじゃん!」

      「そうね」

      「あれ、リアクション薄い!?」

      「結構周知の事実だよ」

      「確かに、この5人でも面白そうですが……」

      「今のところ、この中で誘おうと思ってるのはひとりです」

      「そうなんですか?」

      「はい」



    • 23 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……松原さん」

      「!」

      「ドラムを頼まれてくれますか?」

      「う……うん!よろしくねっ!紗夜ちゃん!」

      「あら、花音に目をつけるとは、“理解”ってるのね」

      「……?」

      「とまぁ、ここまではいいのですが、あとのメンバーはまだ何も考えてないんですよね」

      「慎重に考える必要があります」

      「その場の雰囲気に流されて決める、なんてことがあってはいけません」

      「念入りに、念入りに、熟考する必要があります」

      「キーボードはつぐみちゃんとかいいんじゃない?紗夜ちゃんと仲良いでしょ?」

      「そうしましょう」

      「念入りとは」

      「フリでしかなかった……」



    • 24 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「残るは……ボーカルとベースですか」

      「一度3人で集まってから進めることにしましょう」

      「それがいいと思うわ。無理に5人集めるより、少人数で音を合わせて、必要な音を見つければいいんじゃないかしら」

      「そうします。松原さん、予定を合わせたいので、今晩電話してもらってもいいですか?」

      「うん。分かった」

      「では、今日の放課後は羽沢さんの勧誘に行くとしましょう」

      「頑張って口説いて来てね!」

      「そんなチャラい感じじゃないです」

      「ひチャラ紗夜」

      「びっくりするくらい分かりにくいボケかましてきますね」

      放課後。

      「では、松原さん。行きましょう」

      「あ、ごめん。今日バイトなんだ」

      「えっ、そうでしたか」

      「じゃあ、私ひとりで……」

      「ファイト!」

      ◆いざ、羽沢珈琲店──!!



    • 25 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      小ボケすき



    • 26 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【羽沢珈琲店】

      カランカラン

      「いらっしゃいませー」

      「羽沢さんいますか」

      「喫茶店に来た開口一番にそんなセリフはおかしいです!そんなこと確定的に明らか!ここはそういうお店じゃありません!」

      「すみません、ひとりです」

      「ウチをキャバクラか何かだと思っている人に出す珈琲はありません!ゲラーロー!です!」

      「いや、その……」

      「ゲラーロー!DEATH!」

      「thの発音が完璧……っ」

      「出直して来ます」

      カランカラン

      「ありがとうございましたー」

      「あれ?イヴちゃん、今紗夜さん来てなかった?」

      「来てません!」

      「そう?気のせいかなぁ……」



    • 27 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      カランカラン

      「ツグミさん、ここに隠れてください!」

      「うわっ、イヴちゃん!?」

      「いらっしゃいませー」

      「羽沢さんいますか」

      (あっ、紗夜さん)

      「さっきも言ったでしょう!ここはそういうお店じゃありません!ゲラーロー!ロナウジーニョ!です!」

      (何言ってるのイヴちゃん!?)

      (お店さんに向かってゲラーローとか言っちゃ駄目!)

      「むう……」

      「出直して来ます」

      (出直すの!?)

      カランカラン

      「ありがとうございましたー」

      「い、イヴちゃん?何やってるの?」

      「不当な理由でツグミさんの体を狙う不届き者を成敗したまでです!ブシドー!」

      「不届き者って……紗夜さんが?」

      「そうです!」



    • 28 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      カランカラン

      「いらっしゃいませー」

      「羽沢さんいますか」

      「なぜ学習しないのか!」

      「私はここにいますよ」

      「羽沢さんいますか」

      「羽沢さんいますかbot!」

      「羽沢さんいますかbot!?」

      「えぇい、不埒者めぇ!これでも食らうがいいです!」

      「イヴちゃん!?」

      「若宮さん!?」

      「カラーボールBaaaaaaaaan!!!」

      「イヴちゃんそれオムレツ用の卵ぉぉぉぉぉぉ!!」

      グチャァ

      「……」

      「……」

      「……」

      「いやぁぁぁぁぁぁ!?」

      「紗夜さぁぁぁぁぁぁん!?」

      「ブシドォォォォォォ!!」

      ◆落ち着け───!!



    • 29 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「私に用事……ですか?」

      「はい。お時間をいただけると嬉しいのですが」

      「今は仕事中なので……」

      「お仕事が終わるまで忍耐!それもまたブシドー!」

      「では、仕事が終わるまで待ってますね。ブラックコーヒーください」

      「かしこまりました!」

      「もしかして閉店までいる気ですか?閉店は21時なんですけど……」

      現在時刻16:30

      「羽沢さんを見ていれば、時間なんて一瞬です」

      (コーヒーだけでずっといられるほど、ここは快適な空間です)

      「あ、すみません。逆です」

      「逆?」

      「ご注文はホワイトコーヒーですか?」

      「そうじゃないです」

      そんでもって。

      21:10

      「ふぅ……」

      「終わりましたか?」

      「はい。じゃあ……そうですね。部屋行きましょう」

      「羽沢さん、大胆……!」

      「ここで話しましょう」

      「部屋行きましょうよ!!」

      「声が大きいです」

      「すみません」

      ◆羽沢さんの部屋───!!



    • 30 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【つぐみの部屋】

      「こっ、ここが羽沢さんの部屋……」

      「何もない部屋ですけど……」

      「……」

      氷川紗夜
      目星 60→92 失敗

      (えっちな本とか置いてあったら面白かったんですけどね……)

      「そんなことありませんよ。たとえ何もなかったとしても、ここには“何もない”があります」

      「……?」

      「それで、話ってなんですか?」

      「……羽沢さん」

      「は、はい」

      「私と一緒にバンドやりませんか?」

      「……え?」

      経緯を話しました。

      「……という流れで、羽沢さんを誘おうと思ったのですが」

      「どうでしょうか?」

      「そうですね……」

      「とっても面白そうです!是非やらせてください!!」

      「ありがとうございます」

      「花音さんも一緒なんですよね?早く音を合わせてみたいです!」

      「そうですね」

      (着信音)

      「紗夜さんじゃないですか?」



    • 31 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      着信:松原さん

      「……あ、予定を合わせるために電話するんでした」

      ピッ

      「もしもし」

      『紗夜ちゃん。時間大丈夫かな?』

      「大丈夫ですよ」

      「花音さん、こんばんは」

      『あ、つぐみちゃんもいるんだね』

      「今、羽沢さんの家にいるんです」

      『そうなんだ。バンドには参加してもらえそうかな?』

      「……ふふっ」

      「はい!私でよければ、力を貸します!」

      『そっか!ありがとう!』

      「では、予定通り予定を決めましょうか」

      『そうだね』

      話し合いとか、色々……

      22:20

      『ふぁ……』

      『ごめん。ちょっと眠たくなってきちゃった』

      『集まる日は決めたから、もう寝てもいいかな?』

      「はい。おやすみなさい」

      「おやすみなさい」

      プツッ

      「……」

      「……」

      「では、私も帰りますね」

      「はい。さようなら」

      【玄関】

      「では、練習で会いましょう」

      「はい」

      つぐみの母「ストーーーップ!!」

      「!?」



    • 32 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      つぐみの母「高校生がこんな夜中に出歩くのは危険よ。今日は泊まってちょうだい」

      「え?」

      「おっ、お母さん!?」

      「夜中に出歩くのはハザード沢つぐみってことですか?」

      「それ言うの今じゃなきゃ駄目ですか?」

      つぐみの母「で、どうかしら?」

      「是非お願いします」

      (是非お願いします)

      つぐみの母「決まりね」

      「ちょ、ちょっと……」

      つぐみの母「さっ、お風呂沸いてるから入っちゃいなさい。つぐみ」

      「あっ……うん」

      つぐみの母「もちろん、紗夜ちゃんも一緒にね?」

      「……」

      「え?」

      「うわぁぁぁぁぁ洗いっこしたぁぁぁぁぁぁい!!」

      (それは風紀を乱す行為です!認められません!!)

      「えぇ……(ドン引き)」

      「はっ!?いやっ、逆です!!」

      「逆?」

      「……まぁ、いいですよ」

      「えっ!」

      「ちょっと前にもこんなことがあったんです。日菜先輩で。生徒会でやることがあったから家にあげたんですよ」

      「それで、やることが終わったはいいものの、なんやかんやでお泊まり会にシフトしていったんですよね。いつの間にか」

      「まさか、そのとき洗いっこをしたと?」

      「はい」

      「日菜……そんなことをしていたなんて……親の顔が見てみたいわ!」

      「すぐ見られると思いますよ」

      「ら抜き言葉禁止!」

      「えっ、ちゃんと言いましたよね?」

      「私は気が動転しているんです!」

      「気が動転してる人は気が動転してるなんて言わないと思います」

      「誰が童◯じゃい!」

      「これは気が動転してますね」

      ◆一緒にお風呂───!!



    • 33 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      風呂上がり。

      「〜♪」ドライヤァァァ

      「紗夜さんの髪って、すごくサラサラで綺麗ですよね」

      「何か特別なことしてるんですか?」

      「いえ……特には」

      「またまた〜♪そんなこと言っちゃって〜♪」ワシャワシャ

      「……っ」

      「母沢つぐみ……っ!」

      「誰がお母さんですか」

      「……もう大丈夫です。交代しましょう」

      「そうですか?じゃあ、お願いします」

      「……って言っても、私髪短いですし、すぐ乾いちゃいますよ」

      「いいんです。羽沢さんはそれで」

      「ふふっ、ありがとうございます」



    • 34 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【つぐみの部屋】

      「……で。ですよ」

      「どうしました?」

      「私たちは今何人ですか?」

      「二人です」

      「この部屋にあるベッドの数はいくつですか?」

      「ひとつです」

      「……」

      「何か問題がありますか?」

      「問題に気づけないことですかね」

      「もしかして、ベッドではひとりしか寝られないという固定観念に囚われている蟄居たる暗澹の蒙昧なんですか?」

      「後半ちょっと何言ってるか分からないんですけど」

      「後半って言われましてもどこからかよく分かりません」

      「えっと……最後の方です」

      「物事の境界って曖昧ですよね」

      「狭間つぐみ」

      「それ言いたいだけじゃないですか」

      「そうですけど?」

      「開き直らないでください」

      「開き直り沢つぐみ」

      「もうなんでもありじゃないですか」

      「せめて何かダジャレチックな感じにしてくださいよ……」

      「ダジャレ沢チックみ」

      「なんかその分け方どこかで聞いたことあるんですけど」

      「つぐみ下はざし」

      「……」

      「ベッドがひとつしかないんですよ(話題転換)」



    • 35 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「一緒に寝れば何も問題ありませんよ?」

      「いえっ、ですから……それが……その……」

      「紗夜さんが隣にいると思うと、私……緊張して寝るどころじゃなくなっちゃうっていうか……」

      「そうなんですか?」

      「はい……日菜さんのときはこんな風に思わなかったんですけど……」

      「前の女の話しないでくれます?」

      「えっ、ごめんなさい?」

      「……というか」

      「日菜と一緒のベッドで寝たんですか?」

      「え?いや、寝てないですよ」

      「そうですか。良かった」

      「最初は、つぐちゃんと一緒のベッドるんってする〜♪言ってたんですけど、星が見たいって言い出したので、屋根の上で寝ましたね」

      「正気の沙汰とは思えない」

      「絶対寒くて凍えるでしょ」

      「でも、星がすっごく綺麗で、思わず見惚れちゃいました!」

      「星は綺麗かもしれませんけど……」

      「……ん?」

      「?」

      「えっ、羽沢さんも星を見たんですか?」

      「え?はい」

      「……」

      「叙述トリックやめてくださいよ……」

      「え?今の話に叙述トリックありました?」

      「ありましたよね?」

      「……?」



    • 36 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「まぁいいです。それで、どう寝るのがベストなのでしょうか」

      「そうですね……すぐ近くに顔があると、やはり気にしてしまうので、逆にするのはどうでしょうか?」

      「逆?」

      「はい。私の前に紗夜さんの足が、紗夜さんの前に私の足がくるような形です」

      「そうすれば、顔を見てしまったりして照れたりしないので、同じベッドで寝られると思いませんか?」

      「それ本気で言ってます?」

      「え?何か問題がありますか?」

      「いや、だってそれ実質シ×××××ンじゃないですか」

      「シ×××××ンってなんですか?」

      「えっ」

      「」(フリーズ)

      「うほぉぉぉ羽沢さんの口からそんな言葉がぁぁぁ!?」

      「え?」

      「あっ、すみません。ヨリ戻しました」

      「取り乱したんですよ」

      ◆下ネタ厳禁───!!

      「気にすると言ってましたけど、やってみたら隣にいても意外と何とも思わないかもしれませんよ」

      「……そうですね。やる前からできないと決めるのは早計ですもんね」

      就寝。

      ◆意外となんとかなった───!!

      Chapter.2
      『羽ばたく音』 了



    • 37 名前:匿名スタッフさん ID:mMDA4Nzl[] 返信

      これは紗夜の皮をかぶったくどはるだろ



    • 38 名前:匿名スタッフさん ID:2OTQ2ZDd[] 返信

      まるでしんちゃんが言い間違えてるかのような言葉のマシンガン
      おもしれぇなwww



    • 39 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      くどはるが69なんて言うわけないだろォ!?



    • 40 名前:匿名スタッフさん ID:zYzM0YmQ[] 返信

      ここの紗夜さん煩悩だだ漏れで好きだわぁ~w



    • 41 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.3
      『ホワイト・アンド・ホワイト』

      【circle】

      「ふぅ……ちょっと早かったかな?」

      「こんにちは」

      「こんにちは、つぐみちゃん」

      「えっ、二人とも早くないですか?」

      「まだ集合の20分前ですよ?」

      「余裕を持って行動するのは基本です」

      「まぁ、そのせいでまだスタジオ空かなくて入れないから暇なんだけどね……」

      「そうですね……」

      「あ……それでしたら、クッキー食べます?本当は練習後に分けようと思っていたのですが……」

      「いいですね!そうしましょう!」

      「紗夜ちゃんが作ったの?」

      「えぇ……まぁ」

      「今回のは今井さんの手を借りた場面が多いのですが……」

      「それでも、紗夜ちゃんが作ったってことに変わりはないよ」

      パク

      「ん〜、おいしい!つぐみちゃんも食べよっ!」

      「そうですね!いただきます!」

      パク

      「……!おいしいです!」

      「そう評価してくれるのは嬉しいですね。作った甲斐があるというものです」

      「では私もひとつ……」

      パク

      「ん……悪くはありませんが、まだ高みへは程遠いように思えます」

      「クッキーの高みとは一体……?」

      「まだまだ練習を積む必要がありそうですね」



    • 42 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「紗夜ちゃーん」

      「あっ、まりなさん」

      「スタジオ空いたよ」

      「え、もうですか?」

      「うん。ちょっと早いけどね」

      「分かりました」

      「では、行きましょうか」

      「うん!」

      「はい!」

      「……」

      「なんか、面白い組み合わせだね」

      「何かが起こりそうな予感!」

      「ふふ、楽しみにしててください」

      【スタジオ】

      「……さて」

      「まずは何する?」

      「合わせたいですよね」

      「みんなが弾けるのって何だろ?」

      「有名どころの曲……?」

      「何がありますかね……」

      「……フリーセッションにしましょう」

      「曲を決めず、自由な音楽で私たちの方向性を定めていきましょう」

      「方向性……そうだね」

      「まぁ、実はこのバンドのコンセプトは考えてありますけどね」

      「そうなんですか?」

      「立ち止まってしまった場所から、一歩を踏み出す勇気をあげられるように……そしてその勇気が、やがて強い熱を生み出せるように……」

      「要は、人を元気にさせるってことです」

      「おぉ……Roseliaとはかなり違うんですね」

      「これはRoseliaでありませんから。私のやりたいことをやるまでです」

      「とまぁ、大筋はその辺をイメージして、セッションをやってみましょう」

      「松原さん、準備はいいですか?」

      「うん!私に合わせて始めて!」

      「はい!」

      「ワンツースリーフォー!」

      〜♪

      ◆重なる、音───!!



    • 43 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      ジャーン

      「ふぅ……」

      「……まぁ、それなりにって感じだね」

      「ひとつ、分かったことがあります」

      「なんですか?」

      「ベースがほしい」

      「それは大前提では?」

      「ベースを見つけるためのセッションだったんじゃないんですか?」

      「そのつもりでしたが……やはり音が足りないのは……」

      「うーん……」

      「ベース……」

      「話は聞かせてもらったわ!」

      「!?」

      ◆壁に背中を預ける女、白鷺───!!

      添付ファイル:


    • 44 名前:匿名スタッフさん ID:1ZWUyN2F[] 返信

      >>43
      千聖さんイケメン…やべぇめっちゃおもしれぇ



    • 45 名前:匿名スタッフさん ID:2NmQ3NGM[] 返信

      ドヤ顔千聖さんかわいい。千聖さんが楽しそうで何よりだ



    • 46 名前:匿名スタッフさん ID:5ZTk5MTE[] 返信

      カッコいいけど千聖さんの身長だとかわいいが勝つな



    • 47 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      ちさかのの波動を感じる…!!



    • 48 名前:匿名スタッフさん ID:zZjk4NzA[] 返信

      >>42
      おぬし面白いSSだけでなく、絵までかけるのか・・・



    • 49 名前:匿名スタッフさん ID:jODEzOWR[] 返信

      白鷺さん最初からスタンバってそうw



    • 50 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「白鷺さん……どうしてここに?」

      「私と花音は、いわばコインの表と裏……そう言えば分かるかしら?」

      「分かりませんけど」

      「っていうか表と裏だったら両立できないんじゃ……?」

      「同様に確からしい」

      「……」

      「間違えたわ」

      「間違いを認められて偉い」

      「私と花音は、いわば必要十分条件……そう言えば分かるかしら?」

      「うーん……?」

      「……?」

      「どうして伝わらないのかしら?」

      「わざわざ何かにたとえようとするからじゃないですか?」

      「必要条件じゃないね」

      「パスパレもcircleに来てるのよ」

      「最初からそう言ってくれれば良かったのに」

      「だって伝わると思ったんだもん……」

      「十分条件でもないね」



    • 51 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……とにかく、ベースを探しているんでしょう?」

      「私が手伝うわよ」

      「お気持ちは嬉しいのですが、パスパレの方は大丈夫なんですか?」

      「えぇ。大丈夫だから声を掛けたのよ」

      「そうでしたか……」

      「千聖ちゃん!いっそバンドにも入っちゃったらどうかな!?」

      「えっ、それは……」

      「……確かに、それは名案ですね」

      「ちょ、ちょっと。メンバー入りするなんて言ってないわよ……?」

      「白鷺さん。私たちと一緒に、バンドをやりましょう!」

      「……っ」

      「……!」

      「はぁ……」

      「そんな真剣な眼差しで見られちゃ、断れないわね」

      「やるからには全力でやるからね」

      「やった!これで四人目ですね!」

      「あとはボーカルね」

      「というか、ボーカルはバンドの色を左右するから、早めに決めた方がよかったんじゃないの?」

      「安心してください。全て計算通りです」

      「計算通り?」

      「ボーカルはもう決めてあります。それも、このバンドにピッタリの」

      「明日あたり、声を掛けに行こうと思っています」

      「本人が了承するかどうかですが……きっとうまくいきます」

      「フラグかな?」

      「違います」

      「こういうのはうまくいかないフラグだってモカちゃんが言ってましたよ」

      「それは創作物の話ですから」

      ◆これも創さk───!!



    • 52 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      練習後の会議の場所といえば?

      【ファミレス】

      店員「ご注文承ります」

      「大盛りポテトひとつ」

      「それとカルボナーラお願いします」

      「で、みなさんどうぞ」

      (当たり前のように初手ポテト……!)

      「えっと……トマトリゾットを」

      「ペペロンチーノで」

      「私もペペロンチーノを」

      「以上で」

      店員「かしこまりました」

      「では、反省会といきましょうか」

      ◆語らう、今後の予定───!!



    • 53 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      翌日の放課後。

      【月ノ森女子学園 正門】

      ざわざわ……

      「ねぇ、あそこにいるのって……」

      ざわざわ……

      「なんか、校門がざわついてるね」

      「普通じゃないね〜」

      「そうだね。何か事件でもあったのかな?」

      「えっ!?事件!?やべーじゃん!マジ野次馬ギャロッププリティーダービーっしょ!」

      「無闇矢鱈に首を突っ込んでもいいことはないわよ」

      「あー……他校の人が来てるみたいだね」

      「ホントだ。花咲川の……」

      「……」

      「紗夜さんじゃん!!」

      「えっ、ここに何の用が……?」

      「……」ザッ

      「動き出したね」

      「……」カツッ、カツッ

      「なんか……こっち来てない?」

      「考えすぎじゃないかしら」

      「……」

      「いや……これは完全に……」

      「……」

      「というか私のところに……!?」

      「倉田さん」

      「はっ、はい!?」

      「話があるので、来てもらえますか」

      「えっ、えっと、そのっ……」

      「ちょっ、バーロー!シロはウチらんだし!いくら紗夜さんだからってそれは流石に許せナイトプール」

      「パシャパシャ!!」

      「ってカンジなんスけどぉ!」

      「るいるい……?(困惑)」

      「枕詞に従ったまでよ」

      「絶対透子ちゃんの入れ知恵だよね」

      「……これから練習でしたか?」

      「えっと……そうです。circleに行こうと思ってて……」

      「それは申し訳ないことをしましたね」

      「では、私もご一緒するとしましょう」

      「え?」

      「おぉ〜。逃げられないね〜」

      「でも、とーこちゃんのレベルアップになるから、いいかもね〜」

      「確かに!」

      「そうね。私も賛成だわ」

      ◆サヨフォニカ───!!



    • 54 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【circle】

      休憩中。

      「うげぇ〜!紗夜さんマジ厳しすぎてキビダンゴなんだがー?」

      「あはは……食らいついてたよね。はい、お水だよ」

      「サンキュー……」

      「あれ?るいるい何やってるの?」

      「知恵の輪よ。あなたもやってみる?これの他にも色々あるの」

      「やってみた〜い」

      「じゃあ……これを」

      「ありがと〜」

      「……」

      (あぁ……ここをこうしてあぁすればいいのか……)

      「えっと〜……」カチャカチャ

      「……あれ?」ピタッ

      (知恵の輪って、できるのが普通……?できないのが普通……?)

      (しまった……分からない……)

      (ここはシミュレーションをするっきゃないね〜)

      パターンA

      『あっ、できた〜』

      『え?嘘でしょ?普通、知恵の輪はそんなすぐにはできないわよ。貴女、普通じゃないわね』

      『えっ……』

      (この展開はまずい……)

      パターンB

      『いや〜。難しいねぇ、これ。全然分かんないや〜』

      『あら、できないの?』

      『うーん……広町は頭が堅いみたいですな〜』

      『そう……』

      『ちょっと貸して』

      『うん』

      『……』カチャカチャ

      スンッ

      『知恵の輪ができるなんて、普通よ?貴女、普通じゃないわね』

      『えっ……』

      (あれ……どっちに転んでも駄目……?)

      (だったら……運を天に任せるしかないかな〜!)

      (私の答えはこっち!!)

      「う〜ん。皆目見当もつかないな〜」

      「まっ、これが普通だよね〜」

      「広町さん」

      「な、何かな〜?」

      「知恵の輪はね……」

      「……っ!?」

      「……」

      「……」

      「ちょっとトイレ行ってくる」

      「るいるい!?逃げないで真実を話してよ!」



    • 55 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「あの……それで、私に話ってなんですか?」

      「そうですね。では、今までの経緯を話しましょう」

      ……。

      「……、ボーカルに抜擢したいと思った所存です」

      「私が……」

      「どうして私なんですか?」

      「倉田さんは強い人じゃないから、弱い人の気持ちがよく分かると思うんです」

      「なんかどこかで聞いたことあるセリフ……?気のせいかな」

      「踏み出そうにも勇気が出ないで、立ち止まってしまう人の気持ちが」

      「私は……私たちは、そんな人たちの背中を押してあげたい。進む勇気を与えたい」

      「進む勇気を……」

      「そうです。どんな時代でも自由を追い求めて進み続ける、その巨人の名は……」

      「進撃の巨人」

      「いきなり話題転換されても困るんですけど……」

      「まだ話し合ってないじゃないか!」

      「お前……マルコか……?」

      「……で、どうです?」

      「えっと……そうですね……いきなり進撃の巨人の話するから混乱しましたけど……」

      「やりたいです!」

      「その返事が聞きたかった」

      「紗夜さんの理想に届くか分かりませんけど……やるだけやってみたいです!」

      「先が見えないのは私も同じです。一緒に頑張りましょうね」

      「はい!」

      ◆役者は揃った───!!

      Chapter.3
      『ホワイト・アンド・ホワイト』 了



    • 56 名前:匿名スタッフさん ID:4NDk0ZWZ[] 返信

      隙あらばネタ混ぜてくるのずるいw
      最後のピースはましろじゃったか…このバンドで何らかの曲実装して欲しいわ〜



    • 57 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.4
      『結成』

      数日後

      【circle】

      「では、点呼をとります」

      「1!」

      「から」

      「5〜♪」

      「全員揃ってますね!」

      「ツッコミ放棄!?」

      「紗夜ちゃんは本当はツッコミの人じゃないのよね」

      「え?そんな筈は……」

      「いいえ。紗夜ちゃんはファッション常識人よ」

      「聞いたことない言葉だ……」

      「変なイメージを持たせるのはやめてください」

      「……とにかく、これでメンバーが揃いましたね」

      「そうですね!」

      「じゃあ問題です。バンドになくてはならないものって、なーんだ?」



    • 58 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「えっと……音楽が好きって気持ち……ですか?」

      「ファイナルアンサー?」

      「……ファイナルアンサー」

      「残念!」

      「判断が早い!」

      「じゃあ、楽器かな?」

      「ファイナルファイト?」

      「……ファイナルファイト」

      「残念!」

      「それよりもっと根本のもの!」

      「人間じゃないですか?」

      「PASSIONATE ANTHEM?」

      「ファイナルアンサーからかけ離れすぎじゃないですか?」

      「……PASSIONATE ANTHEM」

      「残骸!」

      「残念ですらない!?」

      「だったら、バンド名かしら?」

      「ファイナルターン?」

      「……ファイナルターン」

      「ファイナルターンだって!?」

      「デレレレ〜デデ〜♪(処刑用BGM)」

      「ゲット。クリティカルトリガー」

      「まぁ完全ガード打ってるんですけどね」

      「完全ガードを使われてるんじゃ、いくらトリガーを引いても駄目だぁ!」

      「(沈黙の騎士)」

      「……で、バンド名なの?」

      「強引に話を戻した」

      「はい、その通り。バンド名です!」

      「そしてバンド名は、既に考えて来ました!」

      「その名は……」



    • 59 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「セステミク!」

      「せすてみく……?」

      「何か意味があるの?」

      「セステミクはセステミクです」

      「どういうこと……?」

      「そういうことです」

      「謎が深まる一方ね」

      「では、最強に分かりやすい解説をしましょう」

      カミトペンヲトリダスッ

      「まず、セステミクは基本的にカタカナ表記ですが、こう書くこともできます」

      CSTMK

      「これでセステミクなの?」

      「色々足りないんじゃない?主に母音が」

      「いや、これでいいんです」

      「CSTMKは五つの英単語からなる言葉なんです」

      「そうなの?」

      「はい。そして、それはバンドのコンセプトを表しています」

      「コンセプトって……えっと確か……」

      「立ち止まっている人が勇気を出して踏み出せるように背中を押してあげる……でしたっけ」

      「あ、それと、そこから強い熱を……どうたら、って言ってなかったっけ」

      「なんか、言っていた気がするわね」

      「そうですね」

      「まぁ、概ね合っています」

      「簡単に言うと、『熱量を生むための一歩を踏み出す勇気』をあげるということです」

      「深夜テンションで考えたのでろくに調べてないんですけど……」

      「調べてないの?」

      「……」

      Courageous Step To Make Keenness

      「これで『熱量を生み出すための勇気の一歩』という意味になります」

      「……よね?」

      「自信持ってください」

      「大丈夫だと思うわ」

      ◆翻訳サイトを信じる───!!



    • 60 名前:匿名スタッフさん ID:iMWM4MDN[] 返信

      C千聖 S紗夜 Tつぐみ Mましろ K花音
      かと思った



    • 61 名前:匿名スタッフさん ID:yZmJmYTA[] 返信

      >>60
      俺もやわw



    • 62 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      それは言わないお約束でしょう…



    • 63 名前:匿名スタッフさん ID:xZTA3Mjg[] 返信

      かねちー透子かわいいw



    • 64 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「あのさ、せすてみくってどんなイントネーションなの?」

      「初音ミクと同じ?」

      「いやっ、違いますね。これは何と同じなのでしょうか……」

      「えっと……」

      「……」

      「アニサキスと同じです」

      「アニサキスと同じなの……?」

      「体に悪そう」

      「別になんでもいいじゃないですか……」

      「それよりも、実は、セステミクという名前にはまだ隠し要素があります」

      「というかコッチがメインな気もしますが、ダブルミーニングということで」

      「気づいた人はいますか?」

      「隠し要素……?」

      「隠れミッシェルみたいな感じ?」

      「別の意味があるのかしら」

      「ヒントください」

      「困ったらいつでも大人が教えてくれるとは限りません。そんなんじゃ社会に出たとき通用しませんよ」

      「ごっ、ごめんなさい」

      「ヒントは文字数です」

      「文字数?」

      「教えとるやないか」

      「とは限らないだけなので」

      「5文字……あっ」

      「え、ちょっと待って……」

      「気付きましたかね?」

      「紙とペンを貸してくれる?」



    • 65 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      C
      S
      T
      M
      K

      「こうしたら……」

      「縦に並べるの?」

      「ん……?」

      「……いくわよ」

      Chisato
      Sayo
      Tsugumi
      Mashiro
      Kanon

      「……!」

      「おぉ……!」

      「これは……!」

      「うまくできてるわね……」

      「もう分かったよね?これで点と点が線になったよね」

      「あれもこれも全部フリーメイソンの陰謀ってわけ」

      「信じるか信じないかは、あなた次第です」

      「なんでもすぐに陰謀論に繋げるのはよくないと思います」

      「陰暴論」

      「イーボウロン・マスクはすでに人類火星移住計画を実行段階にまで進めてるんだよね」

      「そう。人類の選別は始まっているのよ」

      「じゃあ、それはいつなのか。簡単な話よ」

      「2039年に人類は火星へと旅立つわ」

      (千聖さんが乗っかり出した……)

      「いずれ訪れる審判の日、私たちにできることは何か?」

      「手にマイクロチップを埋め込むことです!」

      「その通り」

      (紗夜さんまで!?)



    • 66 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「イェス!マイクロチップ!!」

      (テンションがバカ高い)

      (はっちゃけてるなぁ……)

      「私はもう埋めたわ」

      「近未来のゾルタクス的展開には欠かせないトランスヒューマノイドだもの」

      「イェス!マイクロチップ!!」

      「羽沢さんは埋めましたか!?」

      「えっ!?」

      「マイクロチップですYo!」

      「え、っと……」オロオロ

      (いきなりすぎてどうしたらいいか分かんないよ〜!)

      (私に振られなくて良かった……)

      「い、いやぁ〜。私はまだ埋めてないんですよね〜」

      「えぇ〜!?まだマイクロチップ埋めてないの〜?」

      「マイクロチップ童◯が許されるのは小学生までだよね〜」

      「あ、あはは……(苦笑)」

      (つぐみさんがめっちゃ困った顔してる!)

      「この韓国の石版は、人類最期の日を予言した非常に意味のある石版なんだよね」

      「人類の起源は韓国だった……?」

      「アフリカという説もあるわよ」

      「私たちはAIに生かされている……」

      「隠された真実は……」

      「一般的にはそう言われていますが……」

      「高次元の存在が……」

      「オックスフォード大学の研究では……」

      「実はサツキとメイって生きてて……」

      「アフリカでは1分間に60秒が経過していて……」

      「囚人のジレンマって……」

      「中点連結定理ってあるじゃないですか……」

      (これいつまで続くの……)

      (3人とも変なスイッチ入っちゃって止まらなさそう……)

      「……ねぇ、ましろちゃん」

      「は、はい」

      「これって、私たちもノリに合わせて会話に参加しなきゃ駄目なのかな?」

      「いやっ、私に聞かれても……」

      「だ、だよね……ごめん」

      「あっ、謝らないでください!」

      「……」

      「でも、ひとつだけ分かったことがあります」

      「何?」



    • 67 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「黙っているだけでは……サイレントマジョリティーだってことです」

      「ましろちゃん……」

      「怖くても、それこそ、勇気を出して……!」

      「私は言いますっ!」

      「ましろちゃん……!」

      「スワンプマンが……」

      「ザリガニって実は貝の仲間で……」

      「地球が平面なのは前提として……」

      「御三方ッ!!」

      「?」

      「あっ、えっと……」

      (頑張れっ!)

      「……!」

      「話がっ!逸れていますよっ!!」

      「……」

      「……」

      「……」

      「……」

      「……」

      「……ようやく止めてくれましたね」

      「え?」

      「そうだね」

      「判断が遅い」

      「えっ……どういうことですか?」

      「私たちは、待ってたの」

      「……?」

      「私たちはツッコミを待っていたのよ?なのに全然ツッコんでくれないから焦ったわ」

      「何よ。マイクロチップって。入れてるわけないでしょ?」

      「えぇ!?嘘なんですか!?」

      「逆になぜ信じたのか聞きたい」

      「さっ、話を戻しますよ」

      「そうだね!」

      「セステミクなんですけど……」

      「何事もなかったかのように戻った!?」

      「これが上級生の力……?」

      「ふふ。そうだよ♪」



    • 68 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「花音さんってまともな人だと思ってたんですけど……違うんですね」

      「それに千聖さんも」

      「ましろちゃん、毒を吐いてることには気づいてないのかな?」

      「いや……印象との相違が……」

      (というか紗夜さんは初めからまとも認定されてないんだね……まぁその通りなんだけどさ……)

      「花音はハロハピに入ってから変わったわよね」

      「えー?そうかな?」

      「私が知り合ったときの花音はこんな適当なノリでボケるなんてことしなかったのに……」

      「もう私だけの花音じゃないんだなって」

      「古参アピールですか?」

      「そうよ」

      「素直でよろしい」

      「……」

      「このバンド、ちゃんとした人が揃ってると思ったけど、実はそんなことなかったのかな……」

      「うーん……紗夜さんがファッション常識人なのは知ってたけど……」

      「私のどこがファッションなんですか……どこからどう見ても正真正銘の常識人ですよ」

      「なんか言ってることが七深ちゃんみたいですね」

      「本性を隠してる感じが垣間見えます」

      「本当は常識人じゃないんじゃないですか?」

      「そっ、そんなことないよ〜(⌒ω⌒;)」

      「言い方と口元が七深ちゃんに寄ってるじゃないですか」

      「……」

      「まぁ、理由があるなら七深ちゃんと同様に詮索はしませんよ」

      「本人がそれを望んでるなら、部外者は口を挟まないべきです」

      「……」

      「別に大した理由じゃありません」

      「紗夜さん……?」

      「そうね……こうしてバンドをやるなら、これは避けては通れない道……」

      「実はRoseliaの皆さんにも話していないんですが……」

      「どうして私が私を偽っているのか、その理由……それを教えましょう」

      「……」

      「……」

      「……」

      「……」

      (いきなりシリアスな雰囲気になるじゃん……(困惑))

      「どこから話せばいいものか……」

      「……」

      「『氷川紗夜の性格は真面目じゃない』みたいなスレが昔あったじゃないですか」

      「す、スレ……?」

      「それに感化されたんです」

      「ちょっと何言ってるか分かんないんですけど」

      「お前は何を言っているんだ」

      「さぁ……分からない……誰の記憶だ?」

      「クルーガーさん!?」

      「……?」

      「……」

      「ここからは真面目に話しましょうか」

      ◆明かされる真実───!!

      Chapter.4
      『結成』 了



    • 69 名前:匿名スタッフさん ID:4ZjVlN2V[] 返信

      カミトペンヲトリダスッが好きすぎる



    • 70 名前:匿名スタッフさん ID:kMjc2MjR[] 返信

      そういえばあったなぁ、そのスレ。
      紗夜さんは日菜ちゃんとの確執がなければ、同じように好奇心旺盛でお茶目で自由な子だったかも知れない的なの。



    • 71 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.5
      『明けない夜』

      ⚠︎超独自設定警報発令

      「まぁ……劣等感ですよ」

      「私も、小さいときは日菜と一緒に、勝手気ままに生きていました」

      「むしろ日菜よりも活発だったと思います」

      「そ、そうだったんですね……」

      「天才双子姉妹、とかなんとか、とにかく、自分で言うのもあれですが、私は優秀でした」

      「ですが……」

      「日菜と同じようにできていたことが、いつの日かできなくなったんです」

      「……」

      「日菜に少し劣るようになった」

      「そして、やがてその差は大きくなっていきました」

      「私には、それがどうしてか分からなかった」

      「どこで差が生まれたのか。何がいけなかったのか」

      「考える度に、心に靄が掛かったような気持ちになりました」

      「その靄は次第に黒みを帯び、闇となり、私の精神を蝕みました」

      「……」

      「そして、あるとき気づいたんです」



    • 72 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……それは才能の差だと」

      「才能……」

      「私はそれに気づいたとき、とても晴れ晴れとした気持ちになりました」

      「……え?」

      「長々と抱えていた疑問が解決して、跳ねるように喜びました」

      「あっ、あの……どうして喜べるんですか……?」

      「私だったら……全部投げ出したくなっちゃいますよ……」

      「そこは……考え方の違いですね」

      「日菜と同じように才能で勝負しても勝てないなら……」

      「努力でそれを越せばいい」

      「そう思ったんです」

      「だから、その日から私は、生き方を根本から変えました」

      「新しい自分になると決めました」

      「そうして生まれたのが、皆さんの知る氷川紗夜です」

      「氷川紗夜は真面目で、規律を重んじ、常識的な価値観を持つ人間です」

      「当時の私とは正反対の人間でしたが、このままではいけないと感じた私は無我夢中でその氷川紗夜になりました」

      「紗夜ちゃん……」

      「そうすることで、私は新たな道を開こうとしたのです」

      「その道は悪いものではありませんでした」

      「……日菜がギターを始めるまでは」



    • 73 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「まったく、本当に芯のない人間ですね、私は」

      「私はまた、自分を変えようと思いました。自分というものがブレブレですね」

      「ギターだけは、負けるわけにはいかない。他の何を犠牲にしてもいい。ギターだけは……」

      「ギターだけは……私にはギターしかない……焦る、焦る。他のものを遠ざける、遠ざける。家族を……日菜を拒絶する」

      「じゃじゃーん。心に余裕のない、悲しきギター少女の誕生でーす」

      「……」

      「この氷川紗夜は……もう、本当に……大馬鹿者ですね」

      「そんな私の目を覚ましてくれたのは湊さんであり、Roseliaであり……とにかく、私は目を覚ますことができました」

      「……」

      「ですがそこで、ふと疑問に思ったんです」

      「……自分って、何だ?と」

      「どの私が私なのか?私はどうあればよいのか?」

      「そんなことを考えている、今が真っ最中。中途半端な状態でキープされてしまっているのがこの私です」

      「……端折ったところがありますが、大体そんな感じですね」

      「だからファッション常識人って言われちゃうのかな……?」

      「そうですね……返す言葉もありません……」

      「……」

      「……っと、どうしてこんな話になったんでしたっけ?」

      「何か忘れてるような……」

      ガチャ

      「みんなー。そろそろ時間だけど片付けしてるー?」

      「30分延長で」

      「カラオケじゃないんだから」

      「しまった……無駄話で時間を費やしすぎましたね」

      「フリーメイソンのくだりが1番要らなかったと思います」

      「無用の用って言葉があるから一概にそうとも言えないわよ」

      「いや無用でしょ」

      「無用だと思う」

      「花音さんも乗っかってたじゃないですか」

      「……というか花音さんが発端だったじゃないですか」

      「そうだっけ?覚えてないや」

      「あはは……」

      「今日は撤収するとしましょう」

      「あ、グループ作っときましょう。その方が便利です」

      「そうですね……」

      「スマホどこやったっけな……」

      「私が話したことは……私の問題ですので、あまり気にしなくて結構ですよ」

      「それに、シリアスな雰囲気はあまり好きじゃないので」

      「……そっか」

      「紗夜ちゃんがそう言うなら、その方がいいわね」



    • 74 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      忘れてました

      添付ファイル:


    • 75 名前:匿名スタッフさん ID:3M2Q0Zjc[] 返信

      紗夜さん自身が一番、踏み出す勇気を欲しいと思ってるってことなのかなぁ…



    • 76 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      その日の夜。

      21:30

      [チャットグループ:セステミク]

      『お疲れ様です』

      『話せる人がいたら話しましょう』

      『いけるよー』

      『20分くらいなら』

      『それでも構いません』

      『ふと思ったのですが』

      『このグループってどこまで続くんでしょうかね』

      『どういうこと?』

      『文化祭のバイト応援バンドは、あの一曲だけじゃないですか』

      『私たちもひとつのコンセプトを持って作られたバンドですし』

      『それを曲にしたら、それ以降はすることがありませんよね』

      『一発屋みたいになっちゃうってこと?』

      『でもさ、私たちにはそれぞれ自分のバンドもあるわけだし、そんないっぱいはできないんじゃないかな』

      『折角集まったのに一曲だけって寂しくないですか?』

      『当たり前のように言っているからスルーするところだったけど、曲を作るのね』

      『確かに明言はしていませんでしたね』

      『まぁ彩ちゃんのときがそうだったから予想はしていたけど』

      『作曲は基本的に私がするつもりです』

      『倉田さんには作詞を担当してもらいたいですね』

      『今からお風呂入るね〜』

      『はい。ではまた』

      『私お風呂でもスマホやるよ』

      『そうでしたか』

      『ビデオ通話にしない?』

      『なぜ急に』

      『なんでもない』



    • 77 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      『今シャンプーしてまーす』

      『明らかな嘘』

      『シャンプーしてるなら両手がふさがってるから文字を打てる筈がない』

      『音声入力だよ』

      『無理がある』

      『今ボディーソープを手につけたよ』

      『そしてCMみたいに二の腕から手にかけてスーッとしてます』

      『次は反対側をスーッ』

      『事細かに実況してくるわね』

      『さては本当に音声入力なのでは』

      『次は脚だよ』

      『指の隙間までしっかりと……』

      『うんしょ、うんしょ』

      『そして、ふくらはぎからふとももへ手を滑らせます』

      『これ何が目的なんですか?』

      『私たちを煩悩まみれにすることね』

      『さすが花音、魔性の女』

      『次はどこを洗うのかしら?』

      『煩悩まみれになってるの白鷺さんだけですからね。私を巻き込まないでください』

      『え?もしかして紗夜ちゃん、今の花音の状態を想像してないの?』

      『いやまぁ想像はしますけど』

      『え?それと煩悩って何か関係あります?』

      『想像したら顔がにやけるでしょ?それが煩悩よ』

      『にやけませんけど』

      『🤔』

      『🤔じゃなくて』

      『因みに今までのお風呂のくだりは全部嘘』

      『嘘でしょ?』

      『本当に何が目的だったのか』

      『神のみぞ知る』

      『松原さんは知ってるでしょ』

      『私は神だった……?』

      『そうじゃなくて』

      『他にやることがあるから抜けるわね』

      『そっか。頑張ってね』

      『えぇ』

      『頑張ってください』

      『あら、ちょうど入れ替わりみたいにましろちゃんが来たわね』

      『後のことは私に任せてください』

      『別に任せるものなんてないけれど』



    • 78 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      『眠い』

      『おやすみなさい』

      『それは早計です』

      『上智』

      『高知』

      『領地』

      『脳死で会話してません?』

      『深夜テンション』

      『銀座マンション』

      『新貨条例』

      『1871』

      『廃藩置県』

      『1871』

      『日本史の教科書取ってきます』

      『学制』

      『1871』

      『1872です』

      『あれ?』

      『徴兵告諭』

      『1871』

      『嘘』

      『1873』

      『それは徴兵令』

      『何が違うの』

      『名前』

      『そっかぁ』



    • 79 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      『取ってきました』

      『地租改正条例』

      『1871』

      『1873』

      『花音さんは1871に何の思い入れがあるんですか』

      『美咲ちゃんの誕生日に関係するの』

      『18月71日……?』

      『18時71分生まれの可能性』

      『六十進法が採用されていない世界』

      『なぜ繰り上げないのか』

      『横隔膜の痙攣』

      『しゃっ繰り』

      『美咲ちゃんが生まれたときの体重』

      『1871g』

      『早産』

      『上智』

      『慶応』

      『脳死しないでください』

      『新聞紙条例』

      『1871』

      『1875』

      『讒←これなんて読むんでしたっけ』

      『知らないならどうやって入力したのか』

      『馬鹿かな』

      『スマホで撮って認識させている可能性もあるのに馬鹿とは早計ですよ』

      『上智』

      『GMARCH』

      『日東駒専』

      『大東亜帝国』

      『気を抜くと脳死するのどうにかならないんですか』

      『それより読めないのにどうやって入力したんですか』

      『音声入力です』

      『うーんこれは馬鹿』

      『バカ田ましろ』

      『私も脳死してるのかも』

      『もうとっくにしてる定期』

      『なぜ気づかなかったのか』

      『気づけなくて悲しい』

      『気づけたから嬉しい』

      『気づいたら傷ついて傷つけて』

      『絆また深まってた』

      『絆フカマル』

      『絆ガブリアス』

      『忘れられたガバイト』

      『容量30ギガバイト』

      『容量60ギガブリアス』

      『負荷強まる』

      『そろそろ寝ませんか』

      『勝手に寝てろ』

      『ネロ帝』

      『迫害』

      『キリシタン』

      『おやすみなさい』

      『おやすみなさい』

      『おやすみなさい』

      『私も寝ます』

      『ネルナ帝』

      『否定文』

      『肯定』

      『想定』

      『上智』

      『おやすみなさい』

      『おやすみなさい』

      ◆おやすみなさい───!!



    • 80 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      おまけ

      翌日の朝に履歴を見た5人のリアクション

      つぐみ編

      「あ……昨日の夜みんな話してたんだ……」

      「普通に早寝しちゃった……」

      「どんなこと話してたんだろ……今度会うときにちゃんと共有しといた方がいいよね……」

      「……」

      「あぁ……やっぱり曲を作るんだね……」

      「花音さんはお風呂に入って……」

      「……」

      「ないのか」

      「……」

      「…………」

      「……………………」

      「それ以降は脳死してるじゃないですか……」

      千聖編

      「私が抜けたあとも、まだしばらく続いていたみたいね」

      「……」

      「…………」

      「見なかったことにしましょう」

      ましろ編

      「……」

      「讒謗律のくだりの私完全にやべーやつだ……」

      「振り仮名を読んで音声入力したのにその漢字何て読むんですかはヤバすぎるでしょ……」

      紗夜編

      「……」

      「なんだこれ(驚愕)」

      「途中から記憶が残ってないわ……」

      「あぁ……歴史用語の年号を答えた記憶はあるわね……」

      「けどそれ以降は……?」

      「……」

      「これじゃあ私がやべーやつみたいじゃないですか……(←?)」

      花音編

      「……」

      「何も覚えてない……」



    • 81 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      おまけ2

      奇行に走る倉田ましろ

      「次はどれにしようかな……」

      「でも入力するのめんどくさいな……」

      「そうか、音声入力すればいいんだ」

      「しんぶんしじょうれい」

      新聞紙条例

      「よし、これで送信」

      『新聞紙条例』

      『1871』

      「いや花音さんは1871に囚われすぎ」

      『1875』

      「おっ、紗夜さんは流石ですね」

      「えっと次は……」

      「あれ……なんだっけこれ……」

      「あ、振り仮名ある」

      「ざんぼうりつ」

      讒謗律

      「そしたら、後ろの文字を消して……」

      『讒←これなんて読むんでしたっけ』

      『知らないならどうやって入力したのか』

      『馬鹿かな』

      「……?」

      ◆かわいいから許す───!!

      Chapter.5
      『明けない夜』 了



    • 82 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.6
      『Do you know おねーちゃん?』

      【羽丘女子学園 生徒会室】

      放課後。

      「……」

      「つぐちゃん」

      「駄目です」

      「まだ何も言ってないじゃん」

      「言う前から想像がつくんですよ……」

      「想像沢つくみ」

      「……」

      コンコン

      「ん?誰だろ」

      「どうぞー」

      ガラガラ

      「我は大魔王の末裔にして暗黒神の魂を受け継ぎし漆黒のダークネスを眷属とする紫炎のフレアフレグランスこと、超アンチジャスティス漆黒ドラマーあこである!」

      「ちょっと自己紹介が長いかな……」

      「宇田川です」

      「短すぎじゃない?」

      「どうして人間は極端にかけ離れたものを異質として捉えてしまうのか……無意味に数だけを増やす愚かな種族の知能ではその程度ということか……」

      「なんかごめん」

      「で、生徒会に何か用?」

      「うん。でも生徒会って言うよりは、つぐちんに話があるの!」

      「私?」

      「あっ、ひなちんにもちょっと関係あるかも!」

      「ん?」

      「つぐちん、紗夜さんとバンド組んだんだよね?」

      「うん。花音さんと千聖さんとましろちゃんと一緒にね」

      「Roseliaでもその話題になるんだけどさ、そのバンドの話してる紗夜さん、ちょっと変なんだよね」

      「おねーちゃんはいつも変だよ」

      「破茶滅茶に辛辣ですね」



    • 83 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「とにかく!新バンド……なんだっけ、セステミク?の話をする紗夜さんが変!って思ってさ」

      「どう変なの?」

      「めっちゃ微笑んでるの!ニコニコなの!怪しい!怪しすぎる!」

      「微笑んでいるだけなのでは」

      「微笑むと疑われる女」

      「疑わあこ……ってね」

      「友希那先輩!」

      「やっほ〜☆」

      「リサちー!」

      「……もしかして、おねーちゃんがバンド組んだことが、Roselia内で問題になってる感じ?」

      「いやぁ〜問題って言うアレじゃないんだけどさ……」

      「そうね。問題ではないわ」

      「じゃあ、何?」

      「紗夜の本質が分からなくなってしまったのよ」

      「本質……?」

      「あー……はいはい……そういうことね」

      「友希那ちゃんたちの疑問の回答は……多分こうだよ」

      「おねーちゃんはファッション常識人」

      「ファッション常識人……」

      「それは薄々気づいてたけど、じゃあ紗夜はどうしてそんな状態なの?」

      「そうだね……ちょっと長くなるけど、聞いてくれるかな?」

      「おねーちゃんの過去を」

      「うん……聞くよ」

      「紗夜さんの過去編突入……!」

      「その前に、燐子も一緒に聞けないか確認するわね」

      「そっか。じゃあ待ってるね」

      ガラガラ

      「ん?」

      「つぐみ。今時間ある?」

      「あっ、あ〜……」

      (日菜さんの話、興味あるけど……仕方ないか)

      (あ、でもこの話って、この前紗夜さんから聞いたものと同じなのでは?)

      (日菜先輩の視点からだと何か違ったりするのかな……うーん……まぁいいか)

      「うん!大丈夫だよ!」

      「あっ、つぐちゃん」

      「行ってしまったわね」

      「うーん……まぁいいか」

      『もしもし』

      「燐子。今、時間大丈夫?」

      『はい……大丈夫ですが……』

      「燐子ちゃん!今からみんなには、おねーちゃんの過去を教えるの!」

      『氷川さんの……?』

      「ひなちん!揃ったから、早く早く!」

      「あはは……あこはせっかちだねぇ」

      『これ、私も合流した方がいいんですか?』

      「えぇ、そうね。私たちは羽丘の生徒会室にいるから」

      『分かりました。すぐに行きます』

      「じゃあ燐子ちゃんが到着し次第、だね」

      「むぅー!りんりん早く来てー!」

      ガラガラ

      「こんにちは」

      「早ぁ!?」

      「燐子……偶然近くにいたのね」

      「え?はい……偶然?」

      (偶然近くにいたも何も……今日はRoseliaで練習の日だから……氷川さんと一緒に皆さんを待っていたんですけど……)

      (あれ……今日の練習中止……?)



    • 84 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      一方その頃。

      【羽丘女子学園 校門前】

      (白金さん……頼みましたよ)

      (さっさと皆さんを見つけて連れて来てください……)

      (集合に遅れるなど、Roseliaにあるまじき失態!お説教です!)

      「やぁ、紗夜」

      「瀬田さん」

      「君のようなか弱い少女が、こんなところで独り佇んで居るなんて、世界とは優しくないものだね」

      「……?」

      「して、紗夜。君は恐らく、同胞の到着を待ち望んでいるね?」

      「そうですね」

      「集合時間はとっくに過ぎているのに、まだ来ないんですよ。さっき白金さんが校舎に入って探しに行きましたけど……」

      「時間とは儚いものだからね。儚いからこそ、儚いのさ」

      「銀行員やんごとなしって言いますもんね」

      「え?」

      「?」

      「……」

      「子猫ちゃん。私とお喋りをしないかい?退屈な世の中ほど、人生において希薄なものはないからね」

      「ありがとうございます。では……何を話しましょうか」



    • 85 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【羽丘女子学園 生徒会室】

      「じゃあ……話すね」

      「……」

      「これが、氷川紗夜の全てだ!!〜氷川紗夜の人格と本質〜」

      「壮大なタイトルだね」

      「最初に言っておくけど……おねーちゃんは今までの人生の中で、2回の人格転換をしてるんだ」

      「人格転換……強そう」

      「強そうだけど……でもそれって……」

      「だから、おねーちゃんの人格は三つあるの」

      「まず、第一の氷川紗夜」

      「これは、生まれてから……中学に入るくらいまでの期間かな」

      「この頃のおねーちゃんは、一言で言うと、やべーやつだったの」

      「やべーやつ……紗夜が?」

      「考えられませんね……」

      「だね〜」

      「それひなちんじゃないの?」

      「あはっ、みんながそんなリアクションになるのも無理ないよね」

      「まぁあたしもヤンチャしてたけどさ」

      「おねーちゃんはその比じゃなかった」

      「小学校六年間で一体いくつの事件を起こしたか……」

      「事件……?物騒ね」

      「事件って言ってもあれだよ?ヤンチャが過ぎて起きるやつだからね?」

      「例えばそうだな……いっぱいあるもんな……」

      「いっぱいあるんだ……」



    • 86 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「虫眼鏡放火未遂事件、金魚解剖未遂事件、百葉箱爆破未遂事件、ドロップキック事件、上段回し蹴り事件、ヨーグルトを自分の顔に垂らしてエロい顔選手権事件……」

      「めっちゃ出てくるじゃん」

      「それを紗夜がやったというの?」

      「告られてもいないのに男子を振りまくる事件、唐揚げ倍化事件、人間パラシュート事件、血の日曜日事件、ハゲ照射事件……キリないからもうやめていい?」

      「なんかロシア革命起きそうな事件起きてません?」

      「時代錯誤」

      「あー、血の日曜日事件は、おねーちゃんが日曜日に学校に侵入して教室を血糊でベタベタにした後に、翌日何食わぬ顔で登校して来て」

      「『これがお前らのやり方か……!』」

      「って言った事件だよ」

      「予想以上にやべーやつじゃん」

      「他の事件もタイトルだけでやばさが伝わってくるよね」

      「……とまぁ、色々とね」

      「おねーちゃんもあたしも、天才姉妹ってもてはやされて天狗になってたんだよね」

      「そんな中で、あたしとおねーちゃんの能力に差がつき始めたのが、中学に入るくらいの頃かな」

      「おねーちゃんは、その差が生まれつきの才能の差だって言ってた」

      「才能……」

      「でもね、おねーちゃんが凄いのは、それを努力で追い越そうって思ったことなんだ」

      「紗夜……強いね」

      「ここで、おねーちゃんの人格転換の1回目」

      「ギターを始めたのもこの辺りかな?」

      「とりあえず、おねーちゃんは真面目になった」

      「最初はびっくりしたけど、ある程度経てば慣れたね」

      「あの性格から簡単に変われるものなのでょうか?」

      ピロリン

      「あっ……ごめんなさい……スマホが……」

      「大丈夫だよ」

      「いえ……大事な話ですから……マナーモードにしておきますね」

      「あこもそうするー」

      「そうね。私たちもそうしましょう」

      「だねー」

      「……」

      「で、人の性格がそんなに簡単に変わるのか、だけど……」

      「分かんないけど……でも、おねーちゃんは変わったよ」

      「ホント、おねーちゃんって凄いよね」

      「それで……」

      「それで」

      「……」

      「次の段階の話は……あんまりしたくないな……」

      「……」



    • 87 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……それって多分、ひなちんがギターを始めたところ……だよね」

      「……うん」

      「……でも、ちゃんと説明するよ」

      「あたしがギターを始めたことで、おねーちゃんはまた変わった」

      「前よりも、もっとギターに力を入れるようになって……」

      「あたしを……拒絶するようになった」

      「ヒナ……」

      「辛かった……すごく辛かったよ……うぅ……」グスン

      「ヒナ……っ!」ギュッ

      「……っ」

      「……ありがと、リサちー」

      「もう大丈夫だから」

      「この……氷河期って言えばいいのかな。歪な関係は、おねーちゃんがRoseliaに入ったことをきっかけにして、次第に元に戻っていったんだ」

      「七夕の日とか、あの雨の日とか……今思えば懐かしいね」

      「友希那ちゃんたちがいてくれなかったら……きっと、ずっとこのままだったかもしれない」

      「みんな、本当にありがとう」

      「……で、暗い話はここまでね」

      「今、おねーちゃんは岐路に立ってるの」

      「岐路……ですか」

      「氷河期が終わって、おねーちゃんは元のおねーちゃんに戻ったって言ったけど」

      「おねーちゃんにとっての“元の”自分って、誰なのかなって」

      「あ……」

      「おねーちゃんには選択肢が二つあったんだ」

      「真面目な自分と、天真爛漫な自分」

      「おねーちゃんは、真面目な自分も、嘘で塗り固めた自分だから、それも戻そうって考えたみたいでさ」

      「だけど……これはおねーちゃんの感覚だからよく分からないけど、真面目な自分を捨てきれなかったんだって」

      「でも、本当の自分でもありたいって思ってるみたいでさ」

      「二つの性格が反発して、ぐちゃぐちゃになって……」

      「その……みんなから見るとおねーちゃんの情緒が不安定に見えるのはそのせいなんだよね」

      「……」

      「だから……みんなには、どんなおねーちゃんでも尊重して、好きでいてほしいな」

      「あたしが伝えたいのは、それだけだよ」

      「ふふっ……最後に何を言うかと思えば……そんなこと?」

      「友希那ちゃん?」

      「紗夜はRoseliaのメンバーで……私たちの仲間よ。仲間を好きでいるのは当然でしょ?」

      「それに、何より……」

      「紗夜は、友達だから」

      「……!」

      「あは☆そうだね〜。紗夜は色んな一面があるからこその紗夜って感じするもんね〜」

      「ライブのときかっこいいかと思えば、すーぐポンコツになってかわいくなる所とか面白いよね!」

      「何事にも真摯に向き合って……誰にでも優しくて、私たちに力を分けてくれる氷川さんのこと……尊敬しています」

      「みんな……」

      「ありがとう、日菜。今日を機に、私たちは更なる高みへの鍵を手に入れることができた」

      「Roseliaは……」



    • 88 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【羽丘女子学園 校門前】

      「高みを目指して、進化を続ける」

      「ふっ……儚いね。これはハロハピも負けていられないよ」

      「ハロハピ世界を笑顔にするのが先か……Roseliaが頂点を取るのが先か……」

      「どっちが先かなんて大した問題ではありません。大事なのは……」

      「それはそうと、紗夜」

      「はい?」

      「私たちは、かれこれ長く話しているが……一体、いつになったら君の待ち人たちは訪れるんだい?」

      「……」

      「あっ」

      「今の今まで忘れていたようだね」

      「えっ……こっ!これはどういうことですか!?白金さんは何をやっているんですか!?」

      「えぇい!かくなる上は私も行きます!!」

      「いや、待つんだ」

      「このまま行っても、ミイラ取りがミイラになるだけだよ」

      「……っ」

      「ここは、待つのが得策だろう」

      「それでも心配なら、連絡を入れるのがいい」

      「もう入れてますよ!でも反応がないんです!」

      「それは……困ったね」



    • 89 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【羽丘女子学園 生徒会室】

      「いやー凄かったねー。紗夜さんの昔話」

      「そうだね……」

      「あっ、そういえば、途中で一回スマホ鳴ったっけ……スルーしちゃったけど、誰からだ……ろ…………」

      「りんりん?」

      『ちゃんと探せていますか?』

      「……」

      「ッスーーー……」

      「へへっ……」

      「ど、どうしたのりんりん!?……ん?あこのスマホにも連絡が来てたみたい……あれ、Roseliaグループに?」

      「Roseliaグループに?妙ね。あの時間に連絡を入れられるメンバーはいない筈……」

      「いや!いないことないから!紗夜でしょ!?」

      「で、どんなメッセージなの?」

      「えっとね……」

      「……」

      「ッスーーー……」

      「へへっ……」

      「あこ!?」

      「紗夜はなんて?」

      「……これです」

      「ん……?」

      『校門前にいるのですが、集合時間はとっくに過ぎていますよ』

      「……」

      「ッスーーー……」

      「へへっ……」

      「悪いことをしてしまったわね……」

      「“へへっ……”って言わないの!?」

      「苦笑いしても事態は好転しないわよ。早く謝りに行かないと(ド正論)」

      「そ……そうだね!」

      「急げぇ!!」

      「緊急クエスト発生!緊急クエスト発生!」

      「賑やかだね〜」

      「こうなったらひなちんも道連れじゃーい!!」

      「えぇ!?ちょっと!?」

      【羽丘女子学園 校門前】

      「……おや」

      「ん?」

      「……紗夜」

      「湊さん……」

      「ごめんなさい……」ペコ

      「……っ」ペコ

      (なんであたしまで……?)

      「……」

      「言い訳せずにすぐに謝って来たのは評価しましょう」

      「……ですが」

      「全員そこに正座しなさぁい!!説教ですっ!!」

      「はいぃぃぃ!!」

      (だからなんであたしまで…….!?)

      「ふっ……愉快だね。では、私は行くとするよ……」

      「瀬田さんも正座よ!!」

      「え?いや、私は関係ないんじゃないかな……?」

      「いいから!!正座をしなさい!!」

      「えぇ……」

      ◆薫くん、困惑───!!

      Chapter.6
      『Do you know おねーちゃん?』 了



    • 90 名前:匿名スタッフさん ID:kOGZiMWV[] 返信

      薫さん、SSではだいたい何かしらとばっちり食らってて草



    • 91 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.7
      『アソシエーション・クリエーション』

      【羽沢珈琲店】

      「ふぅ……」コトン

      (今日はここでのんびり過ごそうかしら……)

      (この平穏な雰囲気が好きなのよね……とても落ち着くというか……)

      (面倒ごとから解放されたような……)

      カランカラン

      「いらっしゃいませー」

      「やぁ……子猫ちゃん」

      (んなっ……薫!?)

      「今日はおひとりですか?」

      「そうさ……誰にも邪魔されない優雅なティータイムをと思ってね……」

      (良かった……うるさくなるかと思ったけど、どうやら静かにしてくれるみたいね)

      「では、あちらの席へどうぞ」

      「ありがとう。子猫ちゃ……」

      「……」

      「ん?」

      「つぐみちゃん」

      「はい?」

      (ん……?)



    • 92 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「あぁ!私としたことが!すっかり忘れてしまっていたよ!」

      「え……何をですか?」

      「私は人を待たせていたんだ……用は、待ち合わせというやつだね」

      「あ、そうだったんですか?」

      (それ忘れる?)

      「ほら……あそこに見目麗しくて儚い小柄な子猫ちゃんがいるだろう?」

      「え……?千聖さんですか?」

      (!?)

      「あぁ……そうさ。私は彼女に会いにきたんだ……そして彼女は私を待っている……」

      (ちょっ、瀬田ァ!)

      (適当なこと言ってんじゃないわよ!)

      「あの……お言葉ですが、千聖さん、今日はひとりでゆっくり過ごすって言っていましたよ……?」

      (ナイスつぐみちゃん!ナイス!)

      「ふっ……そんな照れ隠しをするなんて……相変わらず、千聖は素直じゃないね」

      (どんな脳味噌してたらそんな発想になるのよ!言葉を素直に受け取りなさいよ!)

      「……」

      「そうだったんですね!」

      (羽沢ァ!)

      (言葉を素直に受け取りすぎよ!いつか詐欺に引っかかっても知らないわよ!)

      添付ファイル:


    • 93 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      (……こうなったら仕方ない。キッパリと違うと言いましょう)

      「つぐみちゃん!」

      「わっ。どうされました?」

      「薫とは待ち合わせなんかしてないわ。だから薫は別のところに隔離してくれる?」

      「え……」チラ

      「ふっ……」

      「……」

      「……」

      「……も」

      「もぉ〜☆千聖さんってばぁ!そんな照れ隠しする必要なんてないんですからねぇ〜!」

      (馬鹿野郎ォォォォォォ!!)

      (松田ァ!)

      「瀬田先輩、どうぞこちらに」

      「ありがとう」

      「では、ごゆっくり〜」

      (嘘でしょ……?)

      (さらば、私の平穏……)



    • 94 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「やぁ千聖。どうしたんだい?そんな顔をして」

      「何か嫌なことでもあったのかい?」

      「貴女がそこに座ってることよ……!」

      ガッ

      「痛ッ!?」

      「ち……千聖。君の可憐な脚は人を踏むためのものじゃあないと思うんだ……」

      「うるさい」

      グリグリ……

      「ふ……ふふっ。痛みと愛情は似ていると言うしね……つまり、そういうことだろう?」

      「うふふ、勿論よ。私はかおちゃんのことがだぁーーーい好きなのっ。だからこの愛を受け止めてね?」

      グリグリグリグリ……

      「ちさっ……ちーちゃん……そろそろやめにしないか?君もこんなこと望んでいない筈だよ……」

      「……」

      「そうね。じゃあ許してあげる」

      パッ

      「ふふ……そう、それでいいんだよ……」

      「その代わり、そこで30分正座してて」

      「……正座?」

      「そう、正座」

      「正座か……」

      『瀬田さんも正座よ!!』

      「……」

      「正座はやめてくれ……正座は……」

      「何か嫌な記憶でもあるの?トラウマ?」

      「つまり、そういうことさ……」



    • 95 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「だったら、トラウマを解消するためにも、正座に立ち向かわなくちゃいけないわね」

      「……え?」

      「そう……やがて強くなるために、勇気ある一歩を踏み出すのよ!これぞセステミクよ!」

      「セステミクをそんな使い方するのは良くないと思うな……」

      「どこが?セステミクは勇気を出せない人たちに勇気を与えるバンドよ?」

      「今貴女は、正座する勇気が出なくて困ってるんでしょ?」

      「だからほら、早く正座しなさい」

      (それはちょっと違うんじゃないかな……)

      (言ったら何されるか分かんないから黙っとこ……)

      「ふっ……い、いいだろう。千聖が望むなら……やぶさかではない……」

      「ただひとつ、言っておきた

      「正座」

      「はい」

      (瀬田先輩があんなにしおらしく……!?)

      「つぐみちゃん。注文いいかしら」

      「えっ!?は、はい!」

      (瀬田先輩が正座してるのに……)

      「ご、ご注文承ります」

      「私はブレンドコーヒーのおかわりをお願い」

      「薫は?」

      「そうだね……じゃあサンドイッチを」

      「ブレンドのおかわりと、サンドイッチですね。かしこまりました。少々お待ちください」

      「あ、もうひとつだけいいかしら?」

      「はい。なんでしょう?」

      「無ければ無いでいいのだけど……もしあれば持って来て欲しいの」

      「ん、何をですか?」

      「猿ぐつわ」

      「ねぇよ」

      「ねぇよ?」

      「あっ、ごめんなさい!ちょっとびっくりしちゃっただけですから!」

      「儚いね……」



    • 96 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      「瀬田先輩は解放してあげないんですか?」

      「私の平穏を奪う愚か者にかける情けなんかないわよ」

      「いや……でも辛そうですよ……」

      「いいんだ、つぐみちゃん。これは私の自業自得なのだから……」

      「で、でも!私が瀬田先輩の言葉を深く考えないで受け取っちゃった責任もあります!」

      「つぐみちゃんは悪くないわよ。確かにつぐみちゃんは浅はかだったけど、薫が変なことを言わなければ起こり得なかったことだもの」

      「……いやっ!こうなってしまったのは私のせいです!」

      「だから私にも制裁をください!できないなら、瀬田先輩を解放してください!」

      「……っ」

      「はぁ……分かったわよ。流石につぐみちゃんにも正座をさせるわけにはいかないわ」

      「私はいいのかい?」

      「うるさい」

      「ふっ……本当に素直じゃないね、君は」

      「良かった……やっぱり勇気を出すことって大事ですね」

      「強引にセステミクに繋げようとしてない?」

      「バレましたか?」

      「セステミク……紗夜たちが結成した、とても儚いバンドだね」

      「ライブはするのかい?」

      「そのうちね。オリジナル曲も作る予定だから、どんなのができるか私も楽しみだわ」

      「何か私たちにもできることないかな……紗夜さんとましろちゃんに任せてるけど……」

      「今回はその二人が適任でしょう。信じて見守るだけよ」

      「そうだね……ましろちゃんの歌詞は、とても儚くて、そう……儚いからね」

      「少しは中身のあることを言いなさいよ……」

      「ふっ…………肉まん」

      「はっ倒すわよ」

      「あはは……」

      「どんな曲ができて、どんな歌詞になるんだろうなぁ……楽しみです」



    • 97 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【広町家 アトリエ】

      「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

      「ましろちゃん!?」

      「どうしたシロ!?ついに頭がおかしくなったか!?」

      「頭の中に爆弾が仕込まれたのね」

      「それって普通なの?」

      「歌詞が……浮かばない……」

      「あ〜……セステミクの?」

      「どうして私はいつも……自分でやるって言っておいてこの醜態……もうバンドやめる……」

      「で?原因は何かあんの?」

      「気分転換とかしたら?」

      「一度何か歌うとか」

      「えっと……頭撫でてあげる!」

      「バンドやめるって言ったことに対してのリアクションが皆無なのどうにかならない?」

      「いや……だってシロ、その台詞擦り過ぎてるからな……」

      「やめるって言って一度でもやめたことがあったかな?」

      「まぁ……やめないけどさ……」



    • 98 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「もう一種のネタになってきてるよね。モルフォニカの内輪ネタっていうか」

      「Afterglowの某カルのキレ→逃走→追いかけ、に通ずるものがあるわね」

      「それプライバシー保護されてないけど大丈夫?」

      「そっか……でも、こういう、『私たちと言えば』みたいなのがあるっていいかもね」

      「そんなマイナス発言が私たちのシンボルになってたまるもんですか」

      「情けない」

      「なるほどな……つまりこーゆーこと?」

      挫折→もうバンドなんてやめる……→周りの助け→バンド楽しい!

      「テンプレートにしないでよ」

      「そのテンプレートに当てはめて考えると、今の倉田さんに必要なのは周りの助けということになるわね」

      「周りの助け……」

      「そうだね。じゃあセステミクの誰かに相談して、作詞のヒントをゲットするよ!」

      「どうやって決めようかな……」

      「……」

      「花音さんにしよう」

      「連絡してみよう」



    • 99 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      プルルル

      「……」

      ?『もしもし』

      「ん、あれ……花音さんじゃない?」

      「その声、彩さんですか?」

      『うん。そうだよ』

      「あれ、間違えたかな……」

      『ううん、花音ちゃんのスマホで合ってるよ。花音ちゃん、仕事中なの』

      『私は休憩中だからさ』

      「あー……花音さんには会えないですよね?」

      『そうだねー。今日は厳しいんじゃないかな』

      「分かりました。ありがとうございます。では……」

      『あっ、ちょっと待って!』

      「はい?」

      『あのさ、違ったら違うでいいんだけど、花音ちゃんへの用事ってセステミクのことだったりする?』

      「えと……セステミクのことですけど……」

      『それならお店に来るといいよ!』

      「……?どういうことですか?」

      『今、紗夜ちゃん来てるよ!』

      「え、本当ですか」

      『ホントホント!ポテト食べてるよ』

      「どんな食べ方ですか?」

      『どんな食べ方ですか??』

      「なんでもないです。じゃあお店に行こうと思います」

      「では、また」

      『うん』



    • 100 名前:匿名スタッフさん ID:4ZjVlN2V[] 返信

      セツナトリップ無理…もうバンドリなんてやめる(場違い)(大嘘)



    • 101 名前:匿名スタッフさん ID:2NjViNzB[] 返信

      中身のあること言いなさい→肉まん

      は草



    • 102 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU[] 返信

      仕事中と言っても勝手に他人の電話出ちゃダメだろ…
      お説教が必要かしら?



    • 103 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【ファストフード店】

      ウィーン(ドア)

      「……」

      「あ、いた」

      「ここの音なんですけど……」

      「あー、Aメロはもう少しぴょりんぬ〜って感じの方がいいんじゃないですか?」

      「ぴょりんぬ……?」

      「ん……!?たえさん……!?」

      (し……しまった!)

      (どうして私は紗夜さんがひとりで来てると確信してしまったんだ!?)

      (誰かと来てる可能性は十分にあった筈なのに……!!)

      (彩さんに聞いておくべきだった!)

      (というか行きますって連絡すればよかった!どうしてアポ無しで来てしまったんだ私は!?)

      (帰ろう……別に、今日じゃなきゃいけないってこともないし……)

      ウィーン

      (いや、折角来たんだし、何もしないで帰るのもな……)

      ウィーン

      (でも気まずいな……)

      ウィーン

      (でもこのままじゃ歌詞が……)

      ウィーン

      (どうしたらいいの……?)

      ウィーン

      「およよ〜?自動ドアで遊んでいるのはましろちゃんじゃありませんかー」

      「あっ、もっ、モカさん……」



    • 104 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「どうして入り口でぐるぐ

      「あっ、えっと、すみませんっ!」ダッ

      ましろはにげたした!

      「ちょいとストップ〜」

      しかしまわりこまれてしまった!

      「ひぃぃぃ!ごめんなさい!」

      「いや別に取って食べるわけじゃなし……モカちゃんが怖いのかい?」

      「い、いえ!そんなことはございませざるにありませざります!」

      「うーん何言ってるか分かんない」

      「モカちゃんは、どうしてましろちゃんがここでウロウロしてたのかが気になるだけなのです〜」

      「あ、その……えっと……いやホント、なんでもないんで……」

      「そぉ?ならいいんだけどさ〜」

      「は、はい……では、また……」

      ましろはにげだした!

      「なーんてね」肩をポン

      「!」

      しかしましろのはいごはがらあきだった!

      「あたし、今のましろちゃんをほっとけない」

      「モカさん……?」

      「困ってるなら力になるよ」

      「あ……えっと、その……」

      (モカさん、優しい……なんだか安心する感じ……)

      「えっと、実は……」

      説明。

      「ふふ〜。やっぱり紗夜さんに会いに来てたんだね〜」

      「モカちゃんの目に狂いはなかったってわけさね」

      「どういうことですか?」

      「あたしも紗夜さんに会いに来てるってこと〜」

      「作曲のヒントが欲しいから、あたしとおたえの意見が聞きたいんだって」

      「紗夜さんが……」

      「ましろちゃんも、大体一緒でしょ?」

      「あ……はい。うまく作詞ができなくて、誰かの力を借りたくて……」

      「つまり、利害の一致ですな〜。ましろちゃんも一緒に話そうね」

      「困ったらあたしがそばにいるからね」

      「モカさん……!」

      ◆モカ神さま───!!



    • 105 名前:匿名スタッフさん ID:zZjk4NzA[] 返信

      モカがこんなに心強く見える日がくるなんて……



    • 106 名前:匿名スタッフさん ID:4YjdjMmU[] 返信

      頼れる先輩モカちゃん、これはパンキメてますわ



    • 107 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「おいっす〜」

      「こんにちは。青葉さん」

      「聞いてよモカー。氷川先輩、私に意見を求めておいて全然聞いてくれないのー」

      「それは多分おたえが変なこと言ってるからだと思うよ」

      「まったくもってその通りです」

      「……あら、倉田さん?」

      「こ、こんにちは……」

      「……」

      「考えることは同じでしたね」

      「……そうですね」

      「では、倉田さんと青葉さんにも仮音源を聞いてもらいましょう」

      「そうですね〜。でもその前に〜」

      「あたしとましろちゃんは注文に行ってきまーす」

      「あ、それならポテト買ってきてください」

      「およ〜?」

      「あの、もう割と多めのポテトが置いてありますけど……?」

      「追いポテトです」

      「追いポテト……?」

      「私ばっかり変な奴って言われるけど氷川先輩も大概ですよね」

      「あはは……」



    • 108 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「次のお客様どうぞ」

      「あ、花音さん」

      「……」

      「ご注文承ります」

      「あれ?花音さんですよね?」

      「(今バイト中だから。ごめんね)」口パク

      「あ、そっか。すみません」

      「パワフルBセットをお願いします」

      「かしこまりました」

      ……。

      「お待たせしました」

      「ポテト追加してきたよ〜」

      モカ ましろ
      [テーブル]
      紗夜 たえ

      「それでは、皆さんに仮音源を聞いてもらいましょう」



    • 109 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      〜♪

      「……」

      「……」

      「……」

      ジャカジャーン

      「とまぁ、こんな感じなのですが」

      「ふむふむ」

      「さっきも言いましたけど、Aメロがぴょこりーなになりすぎてるのでぴょりんぬ〜な方がいいと思います」

      「紗夜さんが困惑する理由はそれだよ」

      「明るすぎるからもう少し暗くしてもいいんじゃないですか?」

      「もしかして今のそういう意味なんですか?」

      「はい」

      「ぴょこぴょこにそんな意味があったなんて」

      「最初からそう言ってくれるとありがたいです」

      「こ〜〜と〜〜わ〜〜る」

      「断っちゃったよ」

      「まぁ……それは私も思いましたね。要改良です」

      「……」

      (ちょっと音が高くて歌うのが辛いかもな……)

      (友希那さんが歌うイメージで作ってるから、そうなっちゃってるのかも……)

      「倉田さんは何かありますか?」

      「えっ!?あ、その……」

      「えっと……」

      (あれ?)

      (やば……頭が真っ白に……)

      (言わなきゃ……言わなきゃ……)

      (言わなきゃ駄目なんだ……)

      (……何を言うんだっけ?)

      (えっと、えっと……)

      「……」

      「ましろちゃん」

      テヲニギルッ

      「あ……モカさん」

      『困ったらあたしがそばにいるからね』

      『いるからね……』

      『からね……』

      『ね……』

      (エコーが掛かるタイプの回想!)

      (落ち着け私……落ち着け……)

      (普通に意見を言うだけ……)



    • 110 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「えっと、私、そんなに高い声が出る方ではないので……キーを下げてほしいです……かね」

      「それ思った〜。今の感じだと湊さんが歌うような感じだも〜ん」

      「なるほど……そうですね。倉田さんの声とは合っていないように思えますね……」

      (よぉし、上手くいったね)

      (さーやもこんな感じでやれば堕とせるのかな?なんちゃって)

      「あの、私もいいですか?」

      「どうぞ」

      「無難に行き過ぎだと思います」

      「……というと?」

      「折角、普段じゃないメンツが揃っているんですし、もっと冒険しちゃっていいと思いますよ」

      「なるほど」

      「では、手始めに譜面を全体的にわちゃわちゃさせましょう」

      「わちゃわちゃ?」

      「というか、もっと曲の難度を上げましょうかね」

      「13くらいにします」

      「何に準じた数字なんですか」

      「ガルパだと低いですよね」

      「グルミクじゃない?」

      「ビートマニアです」

      「こいつぁすげぇや」

      「冗談です。ちゃんと人間が演奏できるものにします」



    • 111 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      (歌詞……何か思いつくかな……)

      「勇気、明日、困ったときはそばにいる……」

      「ん?」

      「背中を押す、一緒に、怖くない、踏み出そう……」

      「歌詞が降りてきたのかな?」

      「きたッ!」

      「忘れない内に書かないと……!」

      「紙とペンをどうぞ」

      「ありがとうございます!」

      「ふっ……!」ガガガガガガガ

      「早い」

      「す、すごい!手が止まらないです!」

      「いくらでも行けちゃいそうです!」

      「ラーメンでも食べてるかのようなリアクションだね」

      「そう言われると途端に何故だか麺をすする音が聞こえてきたような気がする」

      「……」ガガガガガガガ

      「できましたっ!」

      「すご〜い」

      「あとは実際に歌ってみて調整ですかね」

      「おぉ〜。やったね」

      「見せて見せてー」

      「どうぞ」

      「……」

      「うん。ましろらしい歌詞だね」

      「そうですね」

      「ましろのことあんまり知らないけど」

      「それは別に言わなくてもいいのでは……?」



    • 112 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【休憩室】

      バイト終わり。

      「今日もお疲れ様、花音ちゃん」

      「彩ちゃんもね」

      「あ、そうだ。今日、ましろちゃん来てたでしょ?」

      「うん。来てたよ」

      「……あれ?その時、彩ちゃん休憩中じゃなかったっけ?」

      「実は花音ちゃんのスマホにましろちゃんから電話来てたんだよね」

      「そうなの?」

      「セステミクについて相談したいことがあるみたいでさ」

      「でも花音ちゃんはバイトだから無理かなーって思ったんだけど、そういえば紗夜ちゃんも来てるなって思ったから……」

      「ましろちゃんを呼んじゃいました!」

      「そんなことがあったんだね」

      「……」

      「勝手に私のスマホ使ったの?」

      「……駄目だった?」

      「ううん、駄目じゃないよ。彩ちゃんのことは信頼してるもん」

      「花音ちゃん……!」

      「花ん音菩薩様、ありがたや……!」

      「全て許します……貴方に幸と栄光があらんことを……」

      「ははーっ!お恵みを!お恵みを!」

      「では貴方の周囲に雨を降らせます」

      「あぁ、この菩薩、恵みの捉え方が前時代的だぁ!」

      「田んぼを肥沃させることが恵みになると思ってるじゃん!」

      「雨はお望みではないのですか?」

      「そうですね……はい」

      「ではアセスルファムKを大気中の酸素に含ませますね」

      「わぁ!酸素に人工甘味料が入って文字通り空気が美味しくなる〜!」

      「言うてる場合か!それは恵みでもなんでもないやないか!」

      「謎の関西弁」

      「はい、この話終わり!」

      「ねぇ、花音ちゃん」

      「ん?」

      「私、ちょっと思ったんだけどさ、ハロハピとセステミクって似てるよね?その……理念が」

      「あー……そうだね」

      「でもおんなじってわけでもないかな」

      「ハロハピはさ、世界を笑顔に!っていうくらいだから、それはもう壮大も壮大なスケールで活動をしてるの」

      「視野は無限っていうか、宇宙を俯瞰してる感じかな?」

      「それはハロハピらしくて、とってもいいと思うの」

      「でもそれじゃ、みんなの顔が見えないよね?」

      「セステミクは、ひとりひとりをしっかり見るの」

      「目の前のあなたに寄り添って……背中を押してあげる。勇気を分けてあげる」

      「そんなバンドだって、私は思うよ」

      「なるほどね〜。これはライブが楽しみになってきたよ〜」

      「ふふ。今は作詞作曲組が頑張ってるから……私は信じて待つだけよ」

      「戦場で血を流しながら戦い続ける親友の帰りを待つ少女じゃん」

      「え?」

      Chapter.7
      『アソシエーション・クリエーション』 了



    • 113 名前:匿名スタッフさん ID:1YzIzOWY[] 返信

      主のセンスが天才過ぎるwいつも楽しく読ませて頂いてます!



    • 114 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.8
      『重ねる努力と限界突破』

      [グループ名:セステミク]

      『曲が完成しました』

      『わーい!』

      『次に会う日を決めましょう』

      『ちょっといいですか?』

      『どうぞ』

      『練習場所なんですけど、七深ちゃんがアトリエを使ってもいいって言ってくれたので、そこにしてもいいですか?』

      『そうですね。circleでは時間が限られてしまいますし』

      『お金も掛からないもんね』

      『では、場所はそこで。日時を決めましょう』

      『倉田さんは、広町さんとも連絡しながらお願いします』

      『分かりました』



    • 115 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      13:11

      【広町家 アトリエ】

      「どうぞ皆さん、入って入って〜」

      「ありがとう、七深ちゃん」

      「いやいや、困ってたら助けるのは普通だよ〜」

      「では広町は戦いに行って参ります」

      「いざ、確率の向こう側へ!」

      「一体何をするんですか?」

      「食玩のコレクションですね」

      「今狙ってるものの確率って、かなり低いレアなヤツなんだよね?どのくらいなんだっけ?」

      「ふふ、シークレットは出る確率が0.5パーセントだよ!」

      「ガルパじゃん」

      「それ言う?」

      「しかもそれだけじゃなくて、今集めてる食玩は1パーセントの確率でプレミアム加工が施されているのです!」

      「え、ということは、シークレットを当てて、なおかつそれがプレミアム加工のヤツである確率って……」

      「更にその100分の1ですね」

      「ガルパより酷い」

      「天井不可避」

      「食玩の天井とは」

      「今日こそはプレミアム加工つきを当てるのだー!」

      「サラッと言ってるけど0.5パーセントにはもう勝ってるんだね」

      「勿論だよ〜。ただシークレットを当てるだけならそんなに苦労しなかったね」

      「それにしても20000分の1とか正気を疑いますね」

      「確率通りでも20000行かなきゃいけないのおかしすぎるでしょ」

      「それでも挑戦することをやめない姿勢が大事なんです……(遠い目)」

      「今までの総出費やばそう」

      「聞きます?」

      「いやいい」

      「それじゃあ、行ってきます」

      「生きて帰ってきて」

      「お金は大切にね……?」

      ◆出、陣───!!



    • 116 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「こちら新曲のスコアです」

      「それと歌詞です」

      「皆さんの分あるので、どうぞ」

      「……」

      「……」

      「……」

      「いいですね!早く弾いてみたいです!」

      「この前、難易度を上げるって連絡が来たから身構えていたけど、意外となんとかなりそうね」

      「そうだね。私たちならすぐできると思うよ」

      「……まぁ、お二人はそうですね」

      「……お二人は?」

      「ここのキーボードパートを見て貰えば分かるんですけど」

      「ん……?」

      「うわぁ、細かい」

      「俗に言う発狂ピアノね」

      「指つりそう」

      「な、なんとかなります!なんとかします!」

      ◆高低差激しい16分音符のオンパレードとかなんじゃないですかね(知らんけど)───!!



    • 117 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「では……そうですね。各自である程度確認したら一度合わせてみましょう」

      「……」

      「いや、各自じゃなくて二つに分かれてやりましょうか」

      「そうだね。じゃあ千聖ちゃん、一緒にやろっ」

      「リズム隊でということね。分かったわ」

      「では羽沢さんと倉田さんは私と一緒にやりましょう」

      「分かりました!」

      「頑張るぞ……!」

      「変えたいところがあればどんどん言ってくれていいので、全員でいいものを作りましょうね」

      「うん。そうだね」

      ……。

      「ここが中々上手くいかないわね」

      「だったら私がこうやって……」

      ……。

      「……っ」

      「もう一回お願いします!」

      「分かりました」

      「つぐみさん、大丈夫ですか……?」

      「このくらいで音を上げるようじゃ駄目だもん!平気だよ!」

      「つぐみさん……」

      ……。

      「ここさ、こういうのどうかな?」

      「いいわね、後で紗夜ちゃんと話しましょう」

      ……。

      「〜♪」

      「倉田さんの声には不思議な魅力がありますね」

      「そうですかね……?」

      「私もそう思う!なんか、元気を貰えるっていうかさ!」

      「あ、ありがとうございます……」

      「ひょっとして照れてます?」

      「照れてないですっ!」



    • 118 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      19:40

      「ただいま〜」

      「って、流石にもう帰ってるよね〜……」

      「」

      「」

      「」

      「」

      「」

      「えぇぇぇぇぇみんな気絶してるぅぅぅぅぅぅ!?!?」

      「……」

      「別に普通か」

      「普通じゃないわよ!!」ガバッ

      「うわっ、起きてたんですね」

      「正直起き上がるのも辛いけど、ツッコミをせずにはいられなかったわ」

      「何そのツッコミのプライド」

      「ん……おはようございます……」

      「チュンチュン」

      「あー……すっかり寝てしまいましたね」

      「チュンチュン」

      「朝チュンみたいな雰囲気にするのやめてもらえます?」

      「今は20時ですからね」

      「うんまぁそうなんですけど」

      「ん……よく寝た……」

      「時間に縛られないっていうのも考えてものですね……」

      「そうね……詰め込みすぎだったわね」

      「すみません広町さん、お見苦しいところを……」

      「いえいえ、ハードワークで倒れるなんて普通ですから〜」

      「果たして普通だろうか?」

      「いや、普通じゃない」

      「反語」

      「果たして反語だろうか?」

      「いや、反語じゃない」

      「反語だと思いますけど」

      「みなさん頭が回っていませんね……私もまだ少し意識がボーッとしてます」

      「……」

      「あ、そうだ。七深ちゃん、食玩はどうだったの?」

      「当てられた?」



    • 119 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「ふっふ〜ん☆」

      「え、嘘でしょ、その微笑みは……」

      「やってのけたというの……?」

      「七深ちゃんならやってくれると思ってたよ……!」

      「駄目でした」

      「そらそうよ」

      「言うほど期待してなかった」

      「手のひらスタンドアップヴァンガードやめてくださいよ」

      「被りまくった食玩をスペリオルコール」ゴロゴロ……

      「これはひどい」

      「退却してもろて」

      「いやー、やっぱり厳しいね〜」

      「シークレットのプレミアム加工版さえ出ればコンプリートできるのに……」

      「そこまで行くのも十分凄いよね」

      「被り救済システムを希望するよ〜」

      「限界突破」

      「それ以外で」

      「じゃあないよ」

      「ないことはないと思う」

      「売却がベスト」

      「よくよく考えたら、ゲームでモンスターとかを売却するってことは、それを一定の値段で買ってる人がいるってことですよね」

      「何の目的があるんだろう」

      「そりゃ闇市で売るためですよ」

      「それなら限界突破の方がマシでは?」

      「ましろだけに」

      「そのボケは闇市でも売れませんよ」

      「裏社会不適合者」

      「おばか」

      「氷川の血」

      「おばか」

      「そんなに言わなくもいいじゃないですか」

      「悪口が被ったので限界突破します」

      「こんなところで救済が来るとは」

      「救済措置オリンピック」

      「どうして同じ過ちを繰り返しちゃうの?」

      「凸の回数が足りないんじゃないですかね」

      「さすがストイック星人」

      Chapter.8
      『重ねる努力と限界突破』 了



    • 120 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.9
      『ウィーク』

      月曜、放課後。

      【花咲川女子学園 生徒会室】

      ガラガラ

      「紗夜ちゃん、いる?」

      「いませんけど」

      「え?」

      「そっかぁ。もし来たら私が探してたって伝えておいてくれる?」

      「分かりました」

      「?」

      「それじゃあ、また」

      「……」

      ガラガラ!

      「っておいっ!」

      (かわいい)

      「これがノリツッコミってやつだね」

      「なぜ急にノリツッコミを?」

      「気分」

      「気分ならしょうがないですね」

      「紗夜ちゃんに話があるんだけど、お邪魔してもいいかな?」

      「邪魔すんねやったら帰って〜」

      「あいよ〜」

      「ノリ良すぎるだろ」

      「いつからここは大阪になったのでしょうか」

      「……」



    • 121 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      ガラガラ!

      「っておいっ!」

      (かわいい)

      「うーん……上手くツッコミするのって難しいんだね」

      「まぁ花音先輩はボケの人ですからね」

      「どこかにツッコミが得意な人がいたら、お手本が見られるのにな〜」

      「あ、じゃあ私が」

      「座ってろ」

      「(´・ω・`)」

      「ソンナイイカタシナクテモイイノニ……」

      「ツッコミが得意な人がいたらいいのにな〜」

      「出番ですよ、市ヶ谷さん」

      「えぇ〜……嫌だなぁ……」

      「ドアを開けて入ってきてください」

      「……はぁ」

      ……。

      ガラガラ

      「お邪魔しまーす」

      「邪魔すんねやったら帰って〜」

      「あいよ〜」

      「……」

      ガラガラ!

      「ってオイ!!」

      「おぉ……」

      「おぉ……って何なんすか」

      「やるじゃん」

      「何様なんすか」



    • 122 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      火曜、昼休み。

      【花咲川女子学園 3-A】

      「えっ!ライブの日決まったの!?」

      「はい。来週の日曜日です」

      「絶対行くよ!ね、燐子ちゃんも一緒に行こっ!」

      「はい。是非」

      「うぅ〜、今から楽しみだよ〜!寝られないかも〜」

      「流石に早いわよ……今週の日曜じゃないのよ?」

      「今週の日曜でも早い」

      「あはは……でも、そのくらい楽しみ!」

      「ライブまでに、もっと完成度を上げる必要がありますね」



    • 123 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      水曜、放課後。

      【circle】

      「つぐみ、少し休んだら?」

      「え?どうして?」

      「どうしてって……疲れてないの?」

      「確かにな。掛け持ちはどう考えてもキツいと思うぞ」

      「うーん……意外と大丈夫かな」

      「流石のツグりっぷりですなぁ〜」

      「急にバタンっ!って倒れたりしないでよねー?」

      「あはは……みんな、心配してくれてありがとう」

      「でも、本当に大丈夫だから」

      「そうか……?」

      「……」

      「いや、つぐみは休んで」

      「これはリーダー命令」

      「……っ」

      「分かった。蘭ちゃんがそう言うなら、従うよ」

      「そうしてくれると助かる」

      「……」

      (リーダーはひまりちゃんじゃ?)

      (リーダーはひまりだよな)

      (リーダーはひーちゃんでしょ?)

      (リーダーは私じゃないの?)

      (リーダーはひまりじゃん)

      「……じゃあ、私は座らせてもらうね。椅子ってどこかあったっけ?」

      「アタシが持ってくるよ」

      「ありがとう」

      「つぐは一度ツグり出すと止まらないからね〜。早い段階でブレーキを踏むのも大切ってことさね」

      「そうだね……自分では大丈夫だと思っても、みんなから見たらそうじゃないってこと、あるもんね」

      「迷惑を掛けないように自分を取り繕って倒れちゃったりしたら、それこそみんなに迷惑を……

      クラッ

      「つぐッ!?」

      「っ!?」

      「……いやぁ、こりゃ駄目だね。ボーっとしすぎだね」

      「ボーっとっていうか、意識失いそうだったよ。早く横になった方がいい」

      「椅子持ってきたぞー」

      「椅子じゃなくてベッド持ってきて」

      「ベッドをひとりで持ってくるのは無理だろ」

      「突っ込む所そこなんだ」

      「椅子持ってきてくれたトモちんには悪いけど、ラウンジで寝かせた方がいいね」

      「そうか。そういうことならアタシが運ぶぞ?」

      「つぐ、歩けるか?」

      「うん……ありがとう」

      【ラウンジ】

      「じゃあ……ちょっと横になってるね」

      「あぁ。毛布も借りたから、しっかり休んで体力を……」

      「すぅ……すぅ……」

      「嘘だろ、もう寝たのか?」

      「……」

      「いつもありがとうな」パサッ



    • 124 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      木曜、昼休み。

      【月ノ森女子学園 庭園】

      「……あ」

      「ちょうちょだ」

      「どの花に止まるのか迷ってるみたい……」

      「……」

      「こっちへおいで……」スッ

      ヒラヒラ……

      チョコン

      「……ふふ、私が一緒だよ」

      「ひとりだと怖いけど……もう、あなたはひとりじゃないよ」

      「シロが蝶に話しかけてる……」

      「!?」

      「とっ、透子ちゃん!?」

      「しかも変なポエムまで詠んで……」

      「えっ、いやっ、何のことかな!?」

      「……」ポチ

      『……ふふ、私が一緒だよ。ひとりだと怖いけど……もう、あなたはひとりじゃないよ』

      「ブツは押さえてあるんだよなぁ」

      「とっ、透子ちゃんッ!」

      『……ふふ、私が一緒だよ。ひとりだと怖いけど……もう、あなたはひとりじゃないよ』

      「やめろォ!」

      『……ふふ、私が一緒だよ。ひとりだと怖いけど……もう、あなたはひとりじゃないよ』

      「やめてくれ透子ちゃん。その術は私に効く」

      「へへっ、消して欲しかったからスマホを盗ってみやがれってんだ!」

      「まっ、シロの運動能力じゃあたしには追いつけないだろうけどね!」

      「……」

      「……もうこれで終わってもいい」

      「あん?」

      「ふっ!!」ダッ

      バシュウン!

      「ッ!?」

      「シロが消えた……!?ってかスマホも!?どこいった!?」

      「こっちだ」

      「どんな力使ったんだよ……」

      「よし、これで動画を消せ……る……」

      「……」

      「透子ちゃん。ロック解除の番号教えて」

      「そんなリテラシーのないことするわけないだろ」

      「むぅ」

      「貸してみろよ。ロック解除だけしてやるからさ」

      「うん。お願い」スッ

      「えーっと番号は〜……」

      「……」

      「引っかかったな馬鹿め!!」スタコラサッサ

      「桐ヶ谷ァ!」ダダダッ

      添付ファイル:


    • 125 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      金曜、放課後。

      【羽丘女子学園 生徒会室】

      「聞いたよつぐちゃん。この前、練習中に意識を失って生死不明をさまよった挙句、目を覚ましたかと思えば瞬く間にUFOに攫われて、脳にマイクロチップを埋め込まれたんだってね?」

      「尾ひれのつき方がおかしすぎます!」

      「もはやそれは尾ひれです!」

      「えー?これ嘘なのー?」

      「よくもまぁ信じましたね!」

      「マイクロチップが尾ひれなの?」

      「そこだけじゃないですよ!」

      「UFOも?」

      「当然です!」

      「生死不明も?」

      「そうです!だから、もはや尾ひれですよって言ったんです!」

      「意識失ったのは?」

      「あ、それは尾ひれじゃないですけど……背びれとかじゃないですか?」

      「なんでこの魚ヒレしかないの?」

      「そういう魚なんじゃないですか?」

      「尾ひれと背びれだけの魚」



    • 126 名前:匿名スタッフさん ID:1YTFjNmY[] 返信

      ゴンさん?



    • 127 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      土曜、練習後。

      17:34

      【氷川家 紗夜の部屋】

      「……」

      コンコン

      「おねーちゃん!入っていい?」

      「……」

      「日菜……そこにいるの?」

      「え?うん、いるよ?いなきゃノックできないでしょ?」

      「……」

      「おねーちゃん?」

      「……ごめんなさい、今、少し考え事をしているの」

      「そっか……じゃあ入っちゃ駄目だね」

      「……」

      「入っていいわよ」

      「え?」

      「いや……入ってきてほしい」

      「……考え事してるのに?」

      「ひとりでは答えが見つからなさそうなの」

      「あなたの力を貸してほしい」

      「……!」

      「おねーちゃーーーん!!」

      バタァァン!!

      「ドアは静かに開けなさい」

      「だってだって!おねーちゃんがあたしにそんなこと言ってくれるなんて思ってなかったんだもん!」

      「どういう風の吹き回しなのさ?」

      「別に……ただ、気まぐれな風が吹いただけよ」

      「うーん……そっか。でも嬉しい!」

      「あたしにできることがあるなら、何でも言っていいよ!」



    • 128 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      「じゃあ……隣に座ってくれる?」

      「えっ……うん!いいよ!!」

      「……」

      「……」

      「……」

      「……で、どうするの?」

      「……」

      「……肩を貸して」コトン

      「〜っ!」

      (おぉッ、おねーちゃんがあたしの肩に寄りかかっちょる〜!?)

      「日菜……」

      「っ!おねーちゃん……」

      「私は、誰なの?」

      「え……」

      「物事が上手くいなかいからって、自分を嫌いになって、無理矢理に自分を曲げて……」

      「そうやって生まれた真面目な自分を気に入ってるからこのままでいる、とは言うけれど、それは本当の自分に戻ることを恐れているだけで……」

      「そんなことを考え始めると今度は、自分で作った偽りの自分のことも嫌いになる……私はなんて中途半端なんだと」

      「私は弱いの。自分を持つことができないの」

      「本当の自分も、偽りの自分も好きになれないなら、私は何者なの?」

      「ねぇ……日菜」

      「私は……誰なの?」

      「どうするのが正解なの?」

      「……」

      「……」

      「……ごめんなさい」

      「おねーちゃんは」

      「!」

      「……おねーちゃんのままでいればいいよ」

      「ちょっとくらい中途半端でも、情緒不安定でも、それが何?」

      「あたしは……えっと〜……」

      「……上手く言葉が出てこないな……ちょっと待ってね?」

      「うーん、そうだなぁ〜……」

      「……」

      「世界5分前仮説って、あるじゃん?」

      「あたしたちは、この木に年輪が10本あるから、この木の樹齢は10年だって思うけど」

      「それが、あたかも“10年経過したかのような形で5分前に”作られたものだって言われても、否定できないっていうやつ」

      「おねーちゃんを見てると、それは間違ってるって思うの」

      「おねーちゃんが生まれてから経験してきた苦悩や葛藤は……こんな言い方するのはちょっと酷く聞こえるけど、おねーちゃんにとって必要なものだったんだって」

      「今まで散々迷惑を掛けてきたあたしが言うのも、おかしいかもしれないけど、今の中途半端なおねーちゃんは、生まれるべくして生まれたんじゃないかな」

      「だからね。どのときのおねーちゃんが本物だとか、正しいだとか、正解だとか、そういう話じゃないと思う」

      「今のおねーちゃんこそが、“氷川紗夜”なんじゃないかな」

      「色んな過去があったけど、それらみんなを全部ひっくるめて、形成された、この中途半端な状態こそが、おねーちゃんなんじゃないかな」

      「形は歪かもしれないけど、それでいいじゃん。誰もそれを咎めたりなんかしない」

      「少なくとも、あたしは絶対に」

      「だから、おねーちゃんはこれからも“氷川紗夜”で、あたしのおねーちゃんでいて欲しい」

      「……」

      「はは……なんか、自分でも何言ってるか分からなくなっちゃった……ごめんね」

      「いえ……ありがとう」

      「あなたが妹で、よかった」



    • 129 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      日曜、オフ。

      月曜、放課後。

      【音楽スタジオ】

      ジャーン

      「……なかなかいい感じに仕上がってきていますね」

      「そうね。前よりも音が良くなってるのが分かるわ」

      「少し休憩にしますか?」

      「はい。そうしましょう」

      「ちゃんと休みます」

      「……と、言いたいところですが」

      「?」

      「その前に、皆さんに話があります」

      「以前私は、本当の自分か偽りの自分か、どうあればよいか悩んでいると言いましたよね」

      「それで中途半端なままであると」

      「その現状について……そして、これからの私についての……」

      「私の結論を、聞いてくれますか」

      「……」

      「もちろんだよ」

      「もちろんです」

      「是非、聞かせてください」

      「ゆっくりでいいわよ」

      「……ありがとうございます」

      「では、今回は初めから真面目に行きましょうか」

      Chapter.9
      『ウィーク』 了



    • 130 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.10
      『我が道を進む』

      「私が歩んできた人生は、理不尽な現実を体現したようなものでした」

      「私は、それをどうにかして乗り越えたいと試行錯誤し続けてきました」

      「自分を変える必要があると、今の自分では駄目だと」

      「ですが結果として、それによって私は私が分からなくなってしまいました」

      「“氷川紗夜”はただ漠然と、何もない空間に浮いているだけの無機物で、自分というものがなく、中途半端で、弱くて、無意味なモノでしかなくなった」

      「どうすればよいのか、どうするのが正解なのか分からなくなった」



    • 131 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      「悩んだ」

      「辛かった」

      「苦しかった」

      「自分のことを嫌いになった」

      「でも」

      「………………」

      「…………」

      「……」

      「私は、私だと」

      「それこそが氷川紗夜だと」

      「中途半端でもいい、答えが見つからなくてもいい」

      「それでも、私は私を探し続ける」

      「その姿勢に意味がある」

      「正解を見つけることだけが、私の人生の全てじゃない」

      「そんな、まだ分からないことだらけの、中途半端に歪んだこの道こそが、私の道です。私の人生です」

      「私はこの道を自分で選んだ」

      「だから私は、この道を進むことをやめない」

      「私は…………やめない!」



    • 132 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「……」

      「これで伝わりましたかね?」

      「うん……紗夜ちゃんの気持ち、しっかり受け取ったよ」

      「はい。話してくれてありがとうございます」

      「そうですか……?いや、まだ足りないように思えますね」

      「え?」

      「十分に伝わったわよ?」

      「よいしょ」アンププスッ

      「紗夜ちゃん?」

      「ふっ───!!」

      〜♪

      「このイントロ……Determination symphonyですね」

      「決意を歌に乗せるということね」

      「……?」

      「凄い演奏……」

      〜♪

      「……っ!」

      デーレーデーレーテテン!




      「潤んだ予感はbye now♪」

      「いやお前が歌うんかい!!」

      「完璧なツッコミをありがとうございます」

      「松原さんもナイスです」

      「えへへ……」

      「あなたたちいつの間に手を組んでいたのよ」

      「いや……イントロ演奏してるときに目があったんだけど、歌ってほしそうだったからさ」

      「気づいてくれてありがとうございます」

      「そんなことが行われていたなんて……」

      「シリアスぶち壊しですよ」

      「私の人生にシリアスは不要です」

      「さっ、話も終わりましたし休憩にしましょう」

      「切り替えが早すぎません?」

      ◆私の人生にシリアスは似合わない───!!

      「あ、そうだ。倉田さん、ソロパートの歌詞を変更したいのですが、いいですか?」

      「はい、いいですよ」

      ……。

      練習終了、各々帰宅。

      添付ファイル:


    • 133 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【氷川家】

      「日菜。少し話があるのだけど、いい?」

      「え?うん、いいよ」

      「どこで話そうかしら?」

      「別にどこでもいいけど」

      「じゃあクローゼットの中でいい?」

      「あたしの部屋来て」

      「うん」

      「じゃあ行こうか」

      「……」

      「おねーちゃんがあたしの部屋入るのって、もしかして久しぶりだったりする?」

      「そうね……普段はあなたの方から押しかけてくるから」

      「あ、じゃあドアの秘密も知らないのかな?」

      「ドアの秘密?」

      「うん!あたしの部屋のドア、麻耶ちゃんと協力して改造したんだ!」

      「いつの間にそんなことを……」

      「見ててね、おねーちゃん!」

      スーッ

      「え、引き戸?」

      「そう!これぞまさにDIY!」

      「どこからどう見てもドアにしか見えないけど、これは引き戸なんだ!」

      「こんな下らないことに、よく大和さんが協力してくれたわね」

      「麻弥ちゃんも、『それ何か意味あります?』って快諾してくれたよ!」

      「バチバチに疑問抱いてるじゃない」

      「何が快諾よ」

      「因みに、それに対するあたしの返答は〜?……はい、どうぞ!」

      「え?……あー……」

      「でも、るんっとするでしょー?……みたいな?」

      「残念!不正解!」

      「え?違うの?」

      「正解は」

      「意味なんかないさ暮らしがあるだけ」

      「でしたー!」

      「答えになってない」

      「略して恋」

      「これは天才」

      「さっ、入って入って!」



    • 134 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【日菜の部屋】

      「で、話って?」

      「……」

      「日菜」

      「……何?」

      「にんじん」

      「?」

      「……私の負けね」

      「??」

      「え、いや……話があるんじゃないの?」

      「のろし」

      「しりとりすんのやめて?」

      「手短に話すからお願い」

      「いや……だったら変なことしないで普通に言ってくれればいいのに」

      「にんじん」

      「……私の負けね」

      「こいつ何してんだよ」

      「よし、じゃあ話をしましょう」

      「うん。お願い」

      「一度しか言わないからちゃんと聞きなさい」

      「いいから早くお願い」

      「いや、信用できないわね。絶対にちゃんと聞くと誓えないようでは、この話はできないわ」

      「訳の分からないことを……はいはい、誓うよ。ちゃんと聞く、絶対に」

      「にんじん」

      「……私の負けね」

      「あたしの協力が勝敗を左右してるよね?」

      「もうほぼあたしが誘導したと言っても過言ではないと思うんだけど」

      「そう……つまり、私はあなた無しでは生きることができないの」

      「だからあなたには大きな感謝を……」

      「もしかしてここからいい話にしようとしてるの?」

      「あんだけボケ散らかしておいて感動できると思ってるの?」

      「にんじん!私の負け!」

      「駄目だ話が通じない」

      「私は私の道を進むと決めたのよ」

      「先が見えなくても……私は進むことをやめない」

      「台詞はいいこと言ってるのにね。なんで感動しないんだろうね」

      「私がふざけてるからよ」

      「まぁそれに尽きるよね」

      「でも……それでも、私は諦めたくない!いつか、私なりの答えが見つかるまでは……!」

      「あっそ」

      「このスタンスにそんなそっけない返しされることある?」

      Chapter.10
      『我が道を進む』 了



    • 135 名前:匿名スタッフさん ID:2NmQ3NGM[] 返信

      紗夜さん絶好調で大好き



    • 136 名前:匿名スタッフさん ID:mNTA1NmJ[] 返信

      日菜の部屋の引き戸がここで再登場するとはw



    • 137 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      Chapter.11
      『音楽』

      【circle 楽屋】

      日曜、ライブ当日。

      「とうとう来ましたね。この日が」

      「そうね。けど、何も心配事はないわ」

      「頑張ります!」

      「練習は本番のように、本番は練習のように」

      「ちょ、それ私の台詞なんですけど」

      「あはは……」

      「……」

      「あれ?」

      「どうかしたの?」

      「新曲……なんですけど」

      「ん?」

      「失敗を恐れる必要はありませんよ。努力は裏切りませんから」

      「そうだよ。自信を持っていこう!」

      「……」

      「曲名って決めましたっけ?」

      「……」

      「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」



    • 138 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      日曜、ライブ当日。

      「……ということにならないように、曲名を決めておきましょう」

      「……!?」

      「残念だけど回想なんかないわよ、紗夜ちゃん。今日はもう本番だわ」

      「やはり駄目ですか」

      「一瞬、本当に回想に行くのかと思いました」

      「時間は無慈悲だなぁ」

      「どうするんですか?」

      「とりあえず仮で何かつけましょう」

      「面倒なのでセステミク(仮)でいいですね」

      「ド単純だね」

      「まぁ、時間がたくさんあるわけではないし、それでいきましょう」

      【circle ステージ】

      「以上、Poppin’ partyでしたー!」

      「次のバンドはみなさんお待ちかねのあの新バンド!」

      「多分ここでしか見られないドリームチーム!」

      「あのRoseliaの狂犬……狂犬?の、氷川紗夜さんが中心となってできたそうです!」

      「一体どんな音楽を奏でるのか!みなさん、まだまだ盛り上がっていきましょうねー!」

      ワー!!



    • 139 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【circle 舞台袖】

      「……行きましたね」

      「では、例の掛け声を」

      「そんなの作ってないわよ」

      「ツッコミが早くて何よりです」

      「……でも、あった方が気合が入りませんか?」

      「じゃあ今考えるのはどうでしょう?」

      「このバンドいつもギリギリに物を決めるね」

      「そうですね、まぁ……凝りすぎず、シンプルに」

      「白鷺さんからこう……順番に」

      「……なるほど?」

      「それじゃあ……」

      「C!」

      「S!」

      「T!」

      「M!」

      「K!」

      「セステミク!!」

      「行くわよ!!」



    • 140 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「明日か明後日くらいに動画を投下する予定なのでテスト。

      限定公開ってやつになってるはず……」

      ttps://youtube.com/shorts/sMyTx8Gom1M



    • 141 名前:匿名スタッフさん ID:3NmFjYTh[] 返信

      h入ってないですよ…!



    • 142 名前:匿名スタッフさん ID:4ZjVlN2V[] 返信

      リンク1つならh抜かなくても良かったはず



    • 143 名前:匿名スタッフさん ID:zOTRiMTg[] 返信

      >>141
      URLを貼るとスパム扱いされるのでその対策だと思います



    • 144 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      【circle ステージ】

      「みなさん!初めましてッ!」

      「私たち……」

      「セステミクですっ!!」

      「うひゃー、声出てるね〜」

      「楽しそうで何よりだわ」

      「あれが本来の紗夜さん……?」

      「まずはメンバー紹介っ!」

      「リレー形式でメンバーを褒め讃えたり、衣装のコメントとかをしていきましょう!」

      「お揃いの衣装を作ろうという案も出ましたが、バラバラなのも逆にアリだと思うので衣装はバラバラです!」

      「着せたい衣装を勧め合って決めました!」

      「では最初にキーボード、羽沢つぐみ【諦めたくない】!」

      「その天才的な横ハネが人類を救う日はそう遠くない!かわいい!不断の努力で培われて洗練されたテクニックをご覧あれ!あとかわいい!!」

      ワー!!

      「かっ、かわいいだなんて……」

      観客((かわいい))

      「かわいいっ!!」

      「……はい、次いきますよっ」

      「ボーカル、倉田ましろ【輝き、ふたたび】!」

      「憧憬はやがて現実となる!自分を変えたいという強い意思は、私たちに勇気を与えてくれるよ!そんな思いの込もった歌声を乞うご期待!」

      ワー!!

      「〜っ」

      「あ、ありがとうございますっ!」

      「あなたには、あなたにしかできないことがありますよ」

      「……!」



    • 145 名前:匿名スタッフさん ID:lNTdmYjY[] 返信

      「ベース、白鷺千聖【煌めくステージへ】!」

      「ヘイYo!」

      「名前は白色、でも腹は黒色、担当カラーは黄色、特技は賄賂、子役の過去が薔薇色、時が経ち訪れる迷路、でも進み続けて奏でる音色、ポカポカするよねまるでカイロ!Yeah!!」

      ワー!!

      「……ちょっとツッコミどころがあるけど……まぁいいわ」

      「特技が賄賂に関してはお説教が必要だってことだけ言っておくわね」

      「韻を踏みたくて……」

      「そうね、じゃあしょうがないわね」ニコニコ

      「笑顔が素敵ですね」

      「絶たれた退路」

      「続いてドラム、松原花音【私の勇気】!」

      「花音の良さを引き出す衣装というものを考えたときに、一体どんな衣装を着せれば花音が一番輝くのか考えたのだけど、まず第一に花音が花音自体それで既に完成された存在でありそこに衣装を着せることなど神への冒涜であるという前提条件に直面した結果、花音にはありのままの姿で……そう、アダムとイヴのように人間本来の尊さ溢れる姿であるべきだと思ったのよね。だけど、花咲川の制服を来た花音は最高に似合っているし、それだけじゃなくて花音はどんな服を着ても美しいという事実にも目を向けることになったことによって、私の思考に矛盾が生まれ、その矛盾は星となって大気圏外に放射され、細胞分裂を繰り返し、やがて銀河を形成し大宇宙の藻屑となることでその使命を全うしたわ。でも、逆にそこから

      「長いです」

      「まだ花音の素晴らしさを伝えられていないわ」

      「流石に長すぎて引く」

      「ごめんなさい」

      「花音さんに弱すぎでは?」

      「とりあえず、花音はかわいいっ!」

      ワー!!

      「一行で終わるじゃないですか」

      「ふふ……じゃあ最後、ギター、氷川紗夜【双子の苦悩】!」

      「不条理な現実、自分との葛藤。辛い思いもたくさんしたけど、その度に強くな