>>5
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ありがとうございます!
「……」
月島は座席にある最中を見て、わずかばかり考えこんだ。恐らくは、乗客の誰かが座席に置いたまま忘れたものであろう。そう考えるほかはない。座席の真ん中に、ただ最中だけを忘れるというのも不思議な話ではあるが。
(さて、この最中をどうするべきか)
月島は、最中を座席からどかしてその座席に座るか、あるいは、その座席は最中に譲って、自分は別の座席に座るか、どちらにするか悩んでいた。
最中ごときに座席を譲るというのも業腹ではあれど、たかが座席に座るためだけに最中を別の座席に移動させるのも月島には面倒に思えたのである。
(かといってその辺に適当に最中を捨てるわけにもいかないしなあ)
路面電車は綺麗に使わなければいけないのである。