通貨の解説ですが、張り切り過ぎて非常に長いです。
(本当はもっともっと長かったのを
ばっさりカットしまくってなんとかこの長さにまで収めたんです……。)
戦前は圓(円)の下に錢(銭)・厘と言う補助単位がありました。
(ドルに対するセントに相当)
1円=100銭、1銭=10厘であるため、
1銭は10円の1/1000の額です。
当時発行されていた硬貨の種類には
金貨(5円,10円,20円)、銀貨(10銭,20銭,50銭)、
白銅貨(5銭)、青銅貨(5厘,1銭)がありました。
他にも、鋳造はされなくなったが使えた硬貨
(額があまりに細か過ぎた1厘等)も在りました。
(確かに現在も消費税での端数がもし無ければ
1円玉ってそんなに使わないような……。)
現在の10円玉が青銅貨であるため、
折角宝塚回やったことだし、とやりたくなった
スタァライトネタに絡めてみました。
ちなみにこの頃は、
寛永通寶(寛永通宝)や文久永寶(文久永宝)といった
江戸時代の通貨も一応使えたようです。
なお、ほとんど流通はしていなかったようです。
(昭和28年(1953年)12月31日まで有効。
小額通貨整理法により銭・厘の通貨とともに効力を失う。)
この頃は通貨の歴史から見ると、
第一次世界大戦(WW1)の影響でインフレが起き、
銀の価値が高騰し続け、その対処に追われた時代でした。
(銀貨自体に額面以上の価値があり、
鋳潰して銀塊として売っちゃう方が得だった。)
鋳造・流通が困難な銀貨の代わりとして
政府発行の紙幣(少額政府紙幣)が臨時に作られたり、
この直ぐ後(8月27日)に貨幣法が改正され
上がり過ぎた銀貨の質を下げる試みがされたりしました。
歴史の授業で出るような内容では、
当時は戦争(WW1)に伴って
金輸出が制限(事実上停止)されていました。
しかし、戦争終結後も戦後恐慌や、関東大震災による動揺から、
日本では金解禁がなされない状態が続きます。
そして、他国が次々と金解禁する中、
列強(五大国)で唯一金解禁をしていない国となりました。
金の輸出を自由化し金本位制に名実ともに復帰するか否か、
また仮に金解禁するにも金に対する円の価値をどう設定するかで揉め、
その後帝国議会で長い間議論されます。
(管理通貨制は通貨を発行し易く、通貨が必要な際には得で、
一方、金本位制は円安・円高といった国際収支が安定し易い、
と言うメリットがそれぞれある。)
議論の末、金解禁は昭和に入ってからなされました。
(濱口雄幸内閣)
しかし、結果として大不況を招いてしまい
(世界恐慌をもろに食らい金が流出しまくった)、
直後(翌年の犬養毅内閣)に再び金の輸出は停止されました。
(名目上は許可制)
そして、現在に至ります。
(明治から長らく名目上は金本位制、
昭和63年(1988年)に正式に管理通貨制へ移行)