【SS】香澄「世にも奇妙な物語」

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83件の返信スレッドを表示中
    • 1 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      注意⚠︎スレ主は初めての投稿なので、優しい目で見ていただけると嬉しいです。。。。

      「どうも、皆さんこんばんは」

      「今宵は少し語りたいと思います」

      「」

      「奇妙な世界に迷い込んだ、7人の物語を…ね」



    • 2 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「夢、それは私達の多くが見るものです」

      「夢とは不思議なもので未だに解明されてないことも多い概念なのです」

      「夢の中には良い夢や嫌な夢、予知夢夢なども種類も様々」

      「夢は現実と大差ないものから非現実的なものまであります」

      「ですが、夢を認識しているのは我々人間です」

      「夢の世界と現実の世界、どちらも存在するのは我々」

      「もしかすると、どちらの世界も似て非なるもの、とは言えないのかもしれませんね」



    • 3 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      私は最近変な夢を見る。いつも同じ夢。
      人の多くいる交差点に私は居た。
      そして、人混みの中、私の目の先の横断歩道の真ん中で背中を向け立ち止まる女の子が見える。
      きまってすぐ信号が赤に変わる。
      トラックが、女の子に、向かって、走る。
      私は人混みをかき分け、走る、手を伸ばす。彼女を、助けようと。
      …間に合わない。
      女の子は轢かれ私の目の前を赤く染める。
      …視界が真っ赤に染まり、夢が終わる。



    • 4 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「!!」

      布団を剥がし、私は起きる。

      「はぁ….はぁ….はぁ」

      いつも通りの起床。目は冴え渡り、気分は最悪だった。

      「っく…ん、ん、ん…ぷはっ…はぁ」

      テーブルに置いた水のペットボトルを全て飲み干す。決まってこの夢を見た後は喉が渇ききっていた。

      「…学校へ行かなければ…」

      私は布団から出て、着替える。寝汗もひどいため、あらかじめ用意しておいたタオルで体を拭く。これが私、氷川紗夜のルーティーンだった。

      いつからこの夢を見るようになったのだろう、もうそれさえも覚えていないほどわたしは疲れきっていた。何度か医者や友人などに頼ろうとは思った。だが調べてみると同じ夢を見るのは原因があると分かった。
      まず、夢の種類はざっくりに③つの区分に分けられる。
      ①つ目は感情を伴う夢
      ②つ目は同じ場所や同じ状況の夢
      ③つ目は時間を超えた夢
      ①つ目の場合では自身のトラウマを癒すために見ることが多い。
      ②つ目もトラウマを癒すために見るが時として、それが記憶として焼き付いてるから見ることが多いそうだ。
      ③つ目は他の2つと違い、前世のような夢や予知夢をさす。これは前世のトラウマや自分の無意識の予期不安が溢れて見てしまうのだそう。
      全ての夢に言えることは、あまり気にせず自然に消えるの待つのが良いということ。
      …なんだそれは。私はこんなに苦しんでるのにいい加減ではないのか。
      私の見てる夢は、おそらく②に当たるものだと思った。
      だが、私はそんなショッキングな現場を見た覚えはないし、トラウマなんて抱えてないと自負できる。
      …もしかすると…..③に当たるかもしれないとも考えたが、私は前世なんて信じていないし、予期不安なんて抱えてない。もし、前世にあったとして何故今見るのかも意味不明だ。
      そんなこんなで、私は今の現状を受け入れて自然に消えるのを待つしかなかった。



    • 5 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「っ!」

      また同じミスをした。これで今日何回目だろう。

      「紗夜、最近同じ所でミスをするわね」

      「す、すみません」

      「あー、そろそろ休憩しない?クッキーでも食べてさ!」

      「わーい、リサ姉のクッキーだ!!」

      「…..」

      「あの…氷川さん何かありました…?」

      「あー…最近変だよねぇ…」

      「…でもあこ達に何も相談ないし…どうしようりんりん…」

      「紗夜、貴女最近変よ。何かあったのかしら」

      「「「!!!???」」」

      「ちょ、ちょっと友希那〜」

      「友希那さん、率直すぎる…」

      「…コクコク」

      「…だっていつまでも、紗夜がこの調子では困るわ」

      「…..すみません」

      「別に謝って欲しいわけじゃないの。紗夜が悩んでるのなら私達を少しは頼ってくれもいいんじゃないかしら」

      「…その…もし、皆さんが何度も同じ夢を見ることになったらどうしますか…」

      「「「「????」」」」

      私はこれまでのことを夢の内容は語らずに4人に話した。

      「んー、何度も見ちゃうのね」

      「やっぱり…無意識のうちに…その夢のことを…考えてしまうから…繰り返し見てしまうんじゃないんでしょうか…」

      「その夢のことを忘れて、何か楽しいこととか考えて寝るってのはどうですかね!?」

      「はぁ…夢なんて所詮現実じゃないのだから、気にする必要はないわ」

      4人が答えたことはありふれたものだった。

      「…そう、ですよね」



    • 6 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      私はまた、同じ場所に立っていた。

      (また、この夢…か)

      私はもう疲れた。4人の言葉を聞いてこの夢のことを深く考えるのがバカらしく思えてきてしまった。

      (…結局、あの女の子の手をとることはできない….。なら、別に足掻く必要も…)

      そう考えているうちに少女はトラックの前に無惨な姿となる。いつもより遠くから見えるその鮮血の色が私にはとても冷ややかなもののように感じられた。



    • 7 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      その夢を見た次の日から同じ夢を見ることはなかった。やはり、私の中であの夢を意識しすぎてしまっていたのだろう。
      これで良かったんだと思った。

      「〜♪」

      「〜ジャーン」

      「〜ダンダンダン」

      「〜タンタンタンタタン」

      「……」

      あの夢を見ることが無くなった日から練習で私が同じところでミスをすることはなくなった。

      「紗夜、やっと本調子に戻ってきたわね」

      「良かったです〜」

      「…はい、ありがとうございます」

      「この調子で次のライブも頑張ろ〜」

      「はいっ…」

      これでいいんだ。私のいつも通りの日常に戻れた。そう感じているはずなのに

      (どうしてだろう…..)

      私の胸の中には謎の引っ掛かりがあった。
      あの夢のことを忘れようとして、やっと忘れた。そしていつもの自分に戻ってこれた。でも、それでいいのか?本当にあの選択は…
      頭の中でモヤモヤが残る。

      「お姉ちゃん?」

      「!」

      「どうかしたの?さっきからギター持って静止してるけど」

      「あ…」

      私は気付けば自分の部屋でギターを持っていた。確か、練習が終わって帰ってきてご飯とお風呂を済ませて自室に戻ってきた…のかしら。
      ずっとあの夢のことを考えていたからか前後の記憶が曖昧だ。

      「というか、なんで貴女がこの部屋にいるのよ」

      「えー?ちゃんとノックしたよー?でもお姉ちゃん返事ないし〜」

      「….それにお姉ちゃん、今日一日変だったもん。ずっと心ここに在らずって感じで、全然ルンとしないし」

      「そう…」

      まさか日菜に余計な心配をさせていたなんて。私は姉として不甲斐ないなと思った。

      「…ねぇ日菜」

      「ん?何?お姉ちゃん」

      私は日菜に自分の悩みの種を全て話した。今回は夢の内容も全て隠さずに吐露した。

      「なるほどね…」

      「……」

      きっと日菜も夢なんて気にするだけ無駄と言うのだろうか、そんな不安があった。

      「んで、結局さ、お姉ちゃんはどうしたかったの?」

      「え…?」

      予期してもない質問が飛んできたことに私は不意を突かれた。

      「お姉ちゃんは、その夢のこと気にしてるんだよね?ならお姉ちゃんはその夢をどうしたいの?」

      「どう…って…言われても…」

      「その夢を気にするってことはお姉ちゃんにとって何かその夢で果たしたいことがあるんじゃないの?」

      「たとえば…その女の子を助けたいとか…」

      「!」

      「あ、お姉ちゃんその表情ルンってする」

      「!で、でも何度も手を伸ばして…!それでも…!届かないのに…!どうしろって…」

      「…お姉ちゃんがどれだけ苦しかったか、辛かったかは私には分かんない」

      「でも、何度やってもダメだからってもうやらないになるの?」

      「…」

      「お姉ちゃんにとってその程度のことなの?」

      「…」

      「お姉ちゃんが諦めたいならそうすればいいと思う。けどもし、少しでも未練が残るならさ」

      「諦めちゃダメじゃない?」

      私の中で少しずつかけたパズルのピースがはめられていく。

      「もし、お姉ちゃんが挫けそうなら私が慰めるよ!さぁ、お姉ちゃん!私の胸に飛び込んっ!?」

      私は日菜の広げられた胸の中に飛び込んだ。
      日菜の体はあったかくて、柔らかくて、心臓の音がした。生きてる証拠だ。

      「?!?!?!お、おねっ、ちゃ…」

      私はあの子を助けたい。手を伸ばして、掴みたいんだ。たとえ夢の中であっても。

      「…ありがとう日菜、私はもう迷わないわ」



    • 8 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「!ここは…」

      目を開けると”あの場所”に立っていた。

      「ッ!」

      もう一度、この夢を見ているのだと思うのも束の間、私は横断歩道に走る。

      向かうのは彼女の…トラックに轢かれる前の…
      彼女の手に

      「ッく、はっ…!」

      横断歩道への道のりには顔にモヤがかかった人たちが群がる。

      「今度っ…!こそっ…!」

      信号が赤になり、トラックが、彼女を、

      パッ!

      掴んだ。その手を惹いて体を抱き寄せる。

      「ッ!」

      トラックに轢かれる、そう思って目を瞑る。でもやっと手が届いたこの小さな体だけは守ろうと抱きしめた。

      「…..えっ?」

      いつまでも来るはずの衝撃がこない。目を開けると周りには何もなくて、ただ白い世界に私と抱きしめた彼女だけ取り残されていた。

      女の子「…ありがとう」

      「えっ…?」



    • 9 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「!!」

      目を開けると見知らぬ天井が見えた。

      「こ、こは?」

      私には咄嗟のことで頭が回らなかったが、少し経つとここが病院だと分かった。

      私には呼吸器や点滴(?)のようなものが多くつけられて、腕や頭などに包帯が巻いてあった。

      「どういう…ことなの…?」

      ガチャン!!

      「お…お姉ちゃん…!!!!」

      扉の先には花瓶を落とした私の妹がいた。



    • 10 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「ふぅ…」

      私は学校の帰りに1人でCDを買いに行っていた。そしてその帰りに迷子の女の子が赤信号に変わる寸前の横断歩道に歩いたのを目撃したのだ。

      『ッ!危ない!』

      そして彼女の手を…掴めず女の子と轢かれてしまった。

      「はぁ…我ながらなんて…」

      そして病院に運ばれ、1週間近く目を覚さなかったそうだ。先生によるとこのまま覚めない可能性もあると言われていたそうだ。なので、奇跡的に目を覚ました私達は周りから泣いて喜ばれた。

      「ゴクッ…ぷはぁ…」

      しかも目覚めてからの回復力はあり得ないほどで後遺症もなく、もうすぐ退院できるそうだ。

      「…あの夢は…」

      一体何だったろう。単純な疑問が浮かんだがどう考えても答えは出るわけがなく、ただ空を眺めながら缶コーヒーを飲んでいた。

      女の子「お姉ちゃん〜」

      「…!あら」

      そう。あの時一緒に轢かれた彼女も私と目が覚めた日に同時に目覚めたのだ。

      女の子「お姉ちゃん、私のせいでごめんなさい」

      「謝らなくていいわ、お互い無事だったのだし」

      女の子「…うん!ありがとう!あたしねもう退院なんだ」

      「そう。良かったわね」

      優しく頭を撫でるとえへへと可愛らしく笑顔を見せてくれる。…現実では手を伸ばせなかったけれど生きててくれて本当によかった。

      女の子「お姉ちゃん。私のこと助けてくれてありがとう!」

      「…え?私は助けて…」

      女の子の母「〇〇〜、行くわよ〜」

      女の子「あっ!お母さんが呼んでる!じゃあまたね〜!」

      「あっ」

      そう言って彼女は走り抜けていった。
      …まさか彼女もあの夢を…?

      …まさかね。

      「あっ居た!お姉ちゃん〜!」

      「…日菜」

      今行くわ、とベンチから腰をあげ向かう。
      今の私の心は、空のように澄み渡っていた。



    • 11 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「彼女は現実では果たせなかったことを夢の中で叶えました」

      「彼女の後悔の気持ち、未練が夢となって現れたのでしょう」

      「そして、夢は現実へと姿を変えて彼女に舞い降りました」

      「でももし、彼女があのまま女の子の手を取ることをやめていたらどうなっていたのでしょうか」

      「一生夢のまま、もしくは2人とも…..」

      「…まぁ、所詮は夢ですがね。」



    • 12 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      とりあえずここまで



    • 13 名前:匿名スタッフさん ID:hMTQ5ZTk[] 返信

      面白いよ~
      次作、続々どうぞ!



    • 14 名前:匿名スタッフさん ID:2NmQ3NGM[] 返信

      いいね。シンプルに面白かったです(語彙力低い)



    • 15 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「人類は空想に支配される」

      「かの有名なナポレオン・ボナパルトの言葉です」

      「空想とは、現実とはかけ離れたことや根拠のないことに頭を巡らせる事を言います」

      「空想は想像を原点として存在していると言われています。」

      「人間はいつも、空想や想像から何かを生み出してきました。」

      「今ある我々の生活を豊かにしているものはそれらから生み出されて来たのです。」

      「ですが、時として想像は我々を蝕む毒にもなりうるのです。奇妙な世界では特に…ね」



    • 16 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「んー!学校終わったぁ〜!」

      「おつかれ、ひまりちゃん」

      「はは、朝から眠そうだったもんなひまり」

      「うん、最近夜更かししちゃってさぁ…」

      「蘭もしょっちゅう夜更かししてるから大丈夫〜」

      「なんで急にあたしなの」

      「ははは…蘭ちゃん、ちゃんと寝なきゃダメだよ?」

      「そうだぞ〜ちゃんと寝なきゃ大きくなれないぞ〜なんて」

      「…最近はちゃんと寝てる」

      「歌詞作りも大事だけどちゃんと睡眠は取らなきゃねー」

      「それ、ひーちゃんが言うの〜?」

      「うっ…あっ!ほ、ほら皆放課後はどうするの?」

      「話を逸らすね〜」

      「私、今日もお店の手伝いしなきゃいけないんだ」

      「あたしも今日は華道」

      「あー…あたしも今日はあことドラム叩く約束してたんだ」

      「あたし、今日バイト〜」

      「ん、そっか…」

      そんなこんなで私達は駄弁りつつ帰路についた。

      「じゃあね〜」

      「また明日」

      「ちゃんと寝ろよ〜」

      「…また明日」

      「うん、皆明日ね〜」

      皆と別れ、1人部屋のベットにダイブする。

      「はぁーーー…なんか今日も疲れたなぁ…」

      最近、あまりよく眠れない。それだけでなく疲労感や頭痛などを感じることもあった。

      「…宿題でもやろう」

      気を紛らわせようと宿題を始めるがあまり集中はできない。
      寧ろ身体は何かを訴えるように重い。

      「…風邪でもひいたかな…」

      ちょうどよく放課後は予定がなかったので、少し病院に行くことにした。



    • 17 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      医者「想像妊娠ですね」

      「…はい?」

      ただの風邪程度に考えていた私に唐突に浴びせられた謎の言葉に頭が一瞬バグりそうになる。

      「想像…妊娠…!?」

      医師「はい。上原さんの症状を聞くに、不眠症や倦怠感、頭痛に加えて生理周期も乱れていますよね?」

      「は…い、そうですけど…」

      医師「普通の妊娠症状に似ていますが、これは想像妊娠の症状で間違い無いですね」

      「そ、の…想像妊娠って…?」

      医師「名前の通りですが、主に生活習慣の乱れや悩みや不安などの身体と精神の乱れで起きる症状です。ですが、そこまで不安になる必要はありません。少しずつ良くしていきましょう」

      「…は…い」

      先生は笑顔で私に大丈夫だと言ってくれるが私には不安と恐怖がまとわりついていた。



    • 18 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「ふぁ〜…おは、よ…」

      「ひまりちゃん、また眠れてないの?」

      「ん…まぁまぁかな…」

      「大丈夫か?」

      「…ん、大丈夫だと思う」

      「ひーちゃん、今日は休んだ方がいいんじゃない?」

      「…大丈夫〜、皆心配させてごめんね?」

      「ひまりが大丈夫って言うならいいけど…」

      4人が私を心配していくれることに少し罪悪感を覚えながら、昨日のことを思い出していた。

      医者『上原さん、貴女には何か悩みがあります』

      医師『その悩みは今現在はまだ分かりませんが、それを見つけて一緒に解決していきましょう』

      「悩み…か」

      悩みと言われて思いつくことは特になかった。もしかしたら悩みがないことが悩みなのでは?なんて考えてしまうほど分からなかった。昨日もらった薬を飲み、溜息をついた。



    • 19 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「うっ…..オエッ…..」

      深夜、私は嘔吐感をおぼえ、吐いた。
      身体も怠いし、目は冴える一方だった。

      「…はぁっ、ッ…キツイなぁ…」

      独り言を呟くことしかできない自分の無力さに嫌気がさした。



    • 20 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…はぁっ、ふぅっ…」

      私は今日、学校休むことにした。
      皆には体調があまり良くないと伝え、お見舞いに来てもらうのは申し訳なかったのでお見舞いは大丈夫とLINEで送った。

      「…ッ、薬も効かないし…悩みも分からないまま…私これからどうなるの…?」

      これから先のことを考えるだけで恐怖と不安に押し潰されそうになる。でも、アフグロの皆に心配をかけたくはなかった。

      「なんとか…自分で…悩みを解決しなきゃ…」



    • 21 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      私は暗闇の中にいた。
      前に4人がいる。何とかして近づこうとするけど全員、私には見向きもせずにどんどん離れていく。

      「まっ、まっ…てっ…みん…な…うっ…」

      胸の痛み、嘔吐感、そして皆に置いていかれる恐怖と目の前がどんどん闇に堕ちていく嫌な感覚が私を襲う。

      「や、だ…たす…け、て…だれ、かっ…」

      怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
      嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

      「はぁっ、!!」

      息を大きく吸う。脳が酸素を求めていたかのようにボヤッとする感覚を覚えた。
      ゆ、め…?

      「あっ…うっ…」

      ベットから急いでトイレへ行き、胃の奥から込み上げるものを全てぶちまけた。

      「ぁ……ぅ….」

      全て出し終わると、喉が異常に渇いて仕方なかった。

      「み、ず…」

      私は早急に水分を欲した。トイレから1番近い、洗面台へ向かい水を得る。

      「はぁ、はぁ、はぁ」

      喉が潤うと私は、気づいてしまった。
      自分の変化に…

      「えっ…なに、これ…」

      私のお腹は何かを蓄えているかのように膨らんでいた。



    • 22 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「……..」

      私はまた学校を休んだ。
      当然だ。私は妊婦のような体になりかけてしまった。
      そんな状態で学校に行けるはずもない。

      「……..」

      母に体調が悪いから学校をお休みすると伝え、部屋に閉じこもった。
      もう、どうしようもなかった。
      不安で不安で不安でしかたない。
      …すると急に誰かがこの部屋に向かってくる足音が聞こえた。

      ドタドタドタドタ!!!!

      「…..?」

      バンッ!

      「「ひまりっ!!」」
      「ひーちゃん!」「ひまりちゃん!」

      「えっ…?皆なんで…?」

      「何でって、ひまりに何かあったんだって…!ハァハァ」

      「ひまりちゃんっ!大丈夫っ!?ハァハァ」

      「LINEも見てないし、何かあったんだって…ハァハァ」

      「ひーちゃんのお母さんから、体調が悪いって聞いてっ…なのに私達に何も言わないなんておかしいでしょー…?ひーちゃんのことだから1人で何か抱え込んでるんだと思って…ハァハァ」

      皆が食い気味に私に詰め寄る。きっと走って来てくれたんだろう、皆どこか息が上がっているように思えた。

      「み、んなぁ……」

      私は皆に全てを話した。

      「…そうだったんだ」

      「…ごめんなひまり、気づいてやれなくて…」

      「そ、んな、皆は悪く、ないよ…グス」

      「…最近ひーちゃんと放課後に一緒にいれることなかったし…そのせいだね…」

      「ひまりちゃん、1人で抱え込んで辛かったよね…グス」

      皆は私の話を真剣に聞いてくれた。
      それどころか責任を感じてまでくれる、私は皆に申し訳なく思った。

      「…その、最近さ…あんまり皆で集まれなかったの…あたしのせいなの」

      「えっ…..?」

      「蘭がね?もうすぐ、ひーちゃんの誕生日だからサプライズをしようって言ってね?その計画を密かに進めてたんだ…」

      「結果的に、それでひまりちゃんの悩みに気づけなくなっちゃったんだよね…で、でも!これは蘭ちゃんのせいだけじゃなくて私達のせいでもあるから…!」

      「あぁ、ひまりよくここまで1人で抱え込んだよ…ほんとにごめんな」

      「ぅぅぅ…みんなぁっ…」



    • 23 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      それから私達は、それまで一緒に居れなかった分の時間を埋めるように過ごした。
      結局、私の悩みは分からなかったままだったけど皆が私のために一緒に居てくれてとても安心した。
      そのおかげか体調は良くなっていき、妊娠症状が消えていった。

      「ありがとうございました」

      医師「いえ、私はほとんど何もしてません。上原さんは自分で…いえ周りの人達のお陰で良くなったんですよ」

      「はいっ…!ほんとにありがとうございました!」

      医師「…..」

      私が去った後、医師はある資料を見ていた。



    • 24 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      [想像妊娠についての資料]
      症状
      頭痛、腹痛、嘔吐、睡眠障害
      また、進行が進むにつれまるで、胎児が宿ったように身体が変化する。
      最悪の場合、××するケースもある。

      原因
      潜在的悩みによるもの
      多くの場合は、本人では気づいていないことがあたる。
      例としては人間関係について、将来への不安、恋愛などがあげられる。

      [上原ひまりについて]
      症状
      想像妊娠

      原因
      人間関係について
      おそらく、寂しさや恋しさ、人肌などを求めているのではないかと推測。



    • 25 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「彼女は幼馴染たちへの寂しさからあるはずもない妊娠をしてしまいました」

      「人間はこれから起きるかもしれないことを想像し、そこから色んなことを考え出すことのできる生き物です」

      「しかし、時にそれが私達を逆に苦しめる結果となる時もあります。起こるかどうか定かでないことに思いを馳せ、悲劇に堕ちる…何と滑稽でしょうか」

      「しかもそれが無意識下に起きることもしばしば。なんとまぁ悲しいことか…」

      「…もし友人達の助力がなければ今頃彼女はどうなっていたのでしょうかね…」

      「…皆さまも空想、想像にはお気をつけを…」



    • 26 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      とりあえずこれまで



    • 27 名前:匿名スタッフさん ID:2N2VjZjJ[] 返信

      とても面白かったです この先も期待してます



    • 28 名前:匿名スタッフさん ID:4MmRmMzc[] 返信

      なんだか本格的ですね
      支援です



    • 29 名前:匿名スタッフさん ID:hMTQ5ZTk[] 返信

      面白かった。
      (屮°□°)屮カモン次作~



    • 30 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「死、それは我々人間が行き着く終着点です」

      「しかし、その終着点へいつ行けるかは分かりません」

      「人生という列車に乗って我々は死という終着点に少しずつ向かっていくのです」

      「その列車の中で出会う人達は友人や恋人…様々です」

      「ですか、それぞれ皆降りる駅、終着点が違うのです」

      「そして…降りる時に別れの一言を言うことは…難しいものです」



    • 31 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…?ここは?」

      気づけば私はベットの上にいた。
      それもこのベットは私が知らないベットだ。

      「え…?ここって…病院?」

      少ししてここが病院だと分かった。

      「なんでこんなとこ…に…?!?」

      私は驚きの事実を知ってしまった。私が立ち上がったはずのベットの上には
      “私”がいた。

      「…まさか幽体離脱ってやつ…なんて…」

      いやいや、こんなん現実な訳ないでしょ。夢だよ夢。そう思った時病室に人が入ってきた。ハロハピのメンバー達だ。

      「「美咲!!!」」「美咲ちゃん!」「みーくん!」

      「あっ、皆来た..の」

      「美咲!!どうして…..なんで…!」

      「みーくん!!嫌だよ!!!!うぅぅぁ」

      「くっ…..美咲…..何故….なんだ….」

      「は?いやいやなにこれ」

      私の目の前にはまるで死んでしまった私を皆が悲しんでいる様にしか見えなかった。

      「…あー、そういう夢なんだよ…ね?」

      これは私が死んでしまって幽霊になって皆が悲しむ姿を見る夢なんだ、そう思った。

      「…嫌だなこれ」

      見ていて気分は良くなかった。ただ泣いている彼女達を見て、立ちすくむことしか出来ないそんな状況。お世辞にも笑えない。

      「美咲…ちゃん…」

      「あっ…花音さん」

      花音さんは3バカと違い、涙を流していなかった。…..もしかして私が死んだこと、悲しくないのかな。

      「…..許さない」

      「え….?」

      「わたし…!美咲ちゃんのこと…!許さないんだからぁ…!」

      「あっ…」

      花音さんはそう言って病室から走り去ってしまった。

      「ッ…!」

      私は花音さんを追いかけた。
      追いかけなきゃいけないと思った。



    • 32 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「マジで誰にも見えてないんだなぁ…」

      服は制服だが裸足の私は外に出ても誰からも認識されるどころか、誰にも触れられることはなかった。

      「…居た」

      花音さんは公園のベンチに座っていた。
      その隣へ私も座る

      「…..」

      「…..」

      お互いなにも喋らずただ時間が過ぎていく。
      季節は冬、こんなベンチにずっと座っていたら風邪をひくかもしれない。

      「…居た」

      「!千聖ちゃん…」

      「あっ、千聖先輩…」

      「…花音。薫から病院から飛び出したって聞いて…..探したのよ」

      「…ごめん」

      「…美咲ちゃんのことは聞いたわ。事故…だったそうね…」

      「….私のせいなんだ」

      「は…?」

      「…花音?」

      「美咲ちゃんが事故に遭う前に…私ね?美咲ちゃんと喧嘩しちゃったんだ…」

      「あっ…」

      思い出した。

      『最近、美咲ちゃん忙しそうだね…』

      『そうですか?』

      『だって…最近ほとんどバイトだし…、学校でもこころちゃんやはぐみちゃんや有咲ちゃん達とばっかり一緒にいるし…』

      『あー、いやあの2人は見てないと何するかわかりませんし…、市ヶ谷さんとは同じクラスなだけで…』

      『…そう』

      『もしかして、花音さん怒ってます?』

      『怒ってないよ、別に』

      『いやでも、』

      『…もういいもん』

      「…私は美咲ちゃんと会える時間が減って寂しくて…ちょっと強くあたっちゃったて」

      「でも、本当は美咲ちゃんは私の誕生日のサプライズを計画してて、そのためにバイトも増やしてて….」

      「違う…」

      「私のために、プレゼントを買って、急いで私に逢いに行こうとしたから」

      「違います!花音さん!」

      「事故にあって…グス…それで…」

      「花音、もういいわ」

      「違う…んです…全部あたしの…せい…」

      「美咲ちゃんを見て、涙が出なかったの。私って薄情だよね…グス…信じられなかった。美咲ちゃんにもう触れられない…喋れない…会えない…笑顔も見ることができないんだって…そんなの…!グズッ」

      「…花音」

      「…嫌だ…こんなの…」

      私は駆け出した。
      怖かった。
      本当にこれは夢なのか。
      現実なのではないか。
      花音さんの…言った言葉が現実になるんじゃないかって…

      「どうして、誰も私を見てくれないの!!!」

      交差点の真ん中で叫んだ。

      「う…わあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

      …..誰もこの叫びに応えてはくれなかった。



    • 33 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…..」

      私は自分のいる病室へ戻った。

      「私は…これからどうなるんだろう」

      本当に死んでしまったのか。こんなにあっさり?花音さんに謝れもせず、誕生日も祝えず、花音さんを悲しませ、ハロハピや沢山の人達から笑顔を奪うのか?

      「寒いなぁ…」

      身体は冷えていないはずなのに、ただその一言だけが病室に零れた。



    • 34 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…..」

      私は自分の葬式を見ていた。
      色んなガールズバンドの人たちやこれまでお世話になった人たち…沢山の人が来て涙を流してくれた。

      そして最後に私の入った棺桶の前に皆が集まった。

      「…..」

      「花音…さん」

      花音さんは他の人達と違って声を出さずただ涙を流していた。その目に何が映っているのかはわからない。けど…

      「花音さん」

      私は花音さんの目の前に立って目を合わせた。

      「私を許してくれなくていいです…私はそれだけのことをしました。でも、最後に…これだけ伝えさせてください…」

      「ごめんなさい。…大好きです…グズッ」

      「…美咲ちゃん…ごめんね…大好き…グスッ」

      お互いの懺悔と愛の言葉が重なった。



    • 35 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…っん」

      目を開けると私は教室に1人いた。
      自分の席で寝ていたんだ…。

      「夢…..だったんだよね…」

      ホッとした。でも…

      「あれ…おかしいな……涙が…止まらないや…グス」

      不安が募る。…花音さんに会いたい。

      「ッ…」

      私は教室から飛び出した。
      花音さんに会うために。

      「っ!はぁはぁはぁっ…!」

      ひたすら走った。愛する人の元へ。

      「?美咲ちゃ…」

      「花音さんっ!」

      花音さんに抱きつく。花音さんの身体は暖かった。

      「わっ!…えっと…どうしたの…?」

      「花音さんっ、花音さんっ、私っ謝りたくてっ…!だって…ヒグッ…もう花音さんともう会えないんだって、触れられないんだってそんなの考えてなくて…グスッ謝れないまま、笑顔も見れないままお別れなんて…フグッ…したくなくて…」

      「み…さき…ちゃん」

      花音さんは少し驚いた顔をしたあと、泣いてる私を安心させるように優しく抱きしめてくれた。

      「…いつかね?お別れは来るんだよ…?それは唐突で…悲しくて…笑顔が消えてしまうことかもしれない。でも乗り越えなきゃいけない。美咲ちゃんなら乗り越えられる。だって、愛する人が消えても愛する気持ちは…永遠でしょ?」

      「かのん…さん…」

      「だから大丈夫。美咲ちゃんはもう大丈夫だから…ね」

      暖かい温もりが、感触が、消えていく。

      「花音さんっ…!私は!貴女を…!死ぬまで…!愛してっ!」

      「…私も美咲ちゃんを死んでも愛してるよ」

      …世界が、爆ぜた。



    • 36 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「……」

      白衣の男「…どうでしたか?」

      「…私、愛する人に…花音さんとまた…会えたんです…大丈夫だって…乗り越えられるって…言われたんです…」

      白衣の男「…はい」

      「暖かく…優しくて…抱きしめてくれたんです…」

      白衣の男「…はい」

      「…先生…私…もう一度…生きようと思います」

      医師「…はい」

      ここは、生死熟考センター。
      ここでは自殺を考える人や未遂をする人を招き入れ、もう一度死ぬか生きるかを考えてもらう施設。

      人によって死ぬ理由は異なる。
      ここは愛する人を亡くした者が体験することのできる【リピートラヴァーズ】

      バーチャルで自分の死んだ後を体験してもらった後、死した愛する人と一対一で会う。

      ここに来た者の約9割が自殺を考え直すそうだ…。

      「…..」

      「…美咲ちゃん」

      「…千聖さん…私…もう一度…」

      「…えぇ、花音も…それを望んでいるわ」

      あの日、花音さんと喧嘩して花音さんを引き留めようと私はした。花音さんはそれを拒絶して…そのまま…事故に…

      私は後悔した。謝りたいこと、伝えたいこと、してあげたいことがあったのに。

      私は死を考えた。そして千聖さんに止められ、ここに連れてきてもらった。

      『…私は生きることも死ぬことも個人の選択だから否定はしない…でもね』

      『花音をこれ以上…悲しませたくないのよ… 』

      『… 』

      『花音は…美咲ちゃんを置いて行ってしまったことを悲しんでいるはずよ…もし、貴女が罪の意識に苛まれて自殺なんてしたら…もっと悲しむから… 』

      『私に出来るのは、せいぜいこの程度のことだけど…』

      生きることは死ぬことよりも辛いこと。
      死んで仕舞えばその人は楽になれる。けど、周りの人はその人より辛くなる。

      千聖さんと見上げた空は嫌に、青く澄みきっていた。



    • 37 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「死というものは、実は人間にとって最大の祝福かもしれない」

      「哲学者であるソクラテスは言いました」

      「死について言及している偉人は数多くいます」

      「死を肯定的に考える人や死を否定的に考える人、それらは今も拮抗しているのではないでしょうか」

      「死とは善なのか悪なのか、一体どっちなのでしょうね」

      「物事によいも悪いもない。
      考え方によって良くも悪くもなる。」

      「つまり…そういうことさ」

      「…..そういうことらしいです」



    • 38 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      今回はここまで
      面白いって言ってもらえてめっちゃ嬉しいです。
      もう少しだけお付き合いください。



    • 39 名前:匿名スタッフさん ID:1ZjUzZGE[] 返信

      面白かった
      次よワクワクしてるんだ((o(^-^)o))



    • 40 名前:匿名スタッフさん ID:2NmQ3NGM[] 返信

      薫さん、珍しくちゃんとしてるな



    • 41 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      ちなみに最後の薫さんのセリフはあの有名な著名人の言葉です。皆さんなら多分知ってます。



    • 42 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「唐突ですが皆さん、もしタイムスリップが出来るとしたらどの時代へ行きたいですか?」

      「もしかすると一度は想像したことがあるかと思います」

      「歴史上の有名な人物を見たい、絶滅した恐竜なんかを見てみたい、はたまた歴史的瞬間をその目で見たいなんて思ったことがあるかもしれませんね」

      「え?私ですか?」

      「私はどの時代にも行きたくはないですね」

      「だってどの時代に行けたとしても、私自身はその時代の紛い物でしかないのですから」



    • 43 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「……カキカキ」

      「…んー」

      「…ぅぅ」

      「…むむぅ…」

      「…ぁー」

      「…ダメね、全然」

      「…チュチュ様、もうそろそろお休みになられた方が…昨日もから徹夜で曲をお作りになられて疲れているのでは…?」

      「…そうね、ごめんなさいパレオ。私少し寝るわね。夕方には起こしてくれるかしら」

      「はい!お任せください。ゆっくりおやすみください…」

      ここ1週間、RASの新曲を作っているが全く作業は進まずほとんど徹夜続き。
      私は心身ともに限界を感じていた。

      「…RASの音楽を…世界に届けるためには…」

      ベットに入っても私の頭の中には新曲のことでいっぱいだった。

      「…..」



    • 44 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      …さん

      …ょうさん

      「お嬢さん」

      「ん…ぅ?」

      私は目を擦り、自分を揺する人物に目を当てた。

      「パ、レオ…?」

      「パレオ?何を言っているのですか?」

      私の目の前にはパレオ…いや令王那がいた。

      「れ、お、な…?さっきから一体何を言ってるんです?お嬢さんは…一体」

      よく見てみると髪も顔も令王那ではあるが服装がいつもと違う。確か…ジャパニーズ、わふく?を着ている。

      「…え?ここって…!」

      目と頭が冴え、今の自分の状況が分かる。
      私は…見知らぬ町にいた。



    • 45 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「…..スタスタ」

      「……スタスタスタスタ」

      話を聞くところによるここは1500年代…
      確か日本では戦国…時代?だったはず。
      私は夢を見ているだと思ったが、どうやらここは現実の様だった。

      「…着きましたよ、ここが私の私有地です」

      「…なかなか大きいわね…」

      そして彼女はレオ。この町の領主らしく町を見回っているところ、私を見つけたらしい。

      「えっと…お嬢さんお名前は?」

      「…ちゆ」

      「…ちゆ。いい名前ですね」

      …やっぱりどこかパレオに似ている。
      というか本当にこれはtime travel、いわゆるタイムストリップというやつなのか。

      「これから…どうしましょうね…」

      「取り敢えず、ちゆが記憶が治るまで私の家に居てもらって大丈夫ですよ」

      …咄嗟に私は今まで何をしていたかの記憶がないと言った。そうしたら、パレオ…いやレオがだったら自分のとこに来ればいいと言ったのだ。

      「…普通、こんな見るからに怪しい奴を歓迎するかしら…」

      レオ達、この時代の人間からして私の様な格好をした奴はどう見ても不自然だ。
      この時代は確かポルトガルとかスペインとかと交易を…してたかしら。正直、そこら辺はあんまり覚えていない。

      「ここが客間です。」

      「あっ…あ、ありがとう」

      客間に案内され、私は引かれた布団にゆっくり仰向けになる。

      「…これから私、どうなるのかしら」

      私はこれまで戸惑いや不安をよそに、残っていた疲労感のもと、意識を手放した。



    • 46 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「…んぅ」

      「起きましたか、ちゆ。」

      「…ん、おはよう…パ…いや違う…レオ」

      「?今日も町に出ますがもしよければ一緒に出ませんか?外の空気を吸えばもしかしたら記憶に何か進展があるかもしれませんし」

      「…そう、ね。行くわ」

      ということで、私達は町へ赴くこととなった。



    • 47 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      農民「レオ様だ!」

      農民「レオ様〜!」

      「…すごいわね」

      町に出てみれば、レオはたちまち皆の人気者だった。大体領主といえばあまり下の人達にいい顔はされないものなのだと思っていたが、彼は違った。

      「今日もいい天気ですね、絶好の稲植え日だ」

      農民「ええ、それもこれも俺たちに良くしてくれる領主さまさまだよ!あはは!」

      「いえ、私は領主として当たり前のことしかしていませんから」

      子供達「レオ様だ〜!わーー!」

      「やあ」

      「…oh、まるで有名人じゃない」

      彼がそこまで皆から慕われるのはきっと行いがいいんだろうなぁと思った。

      男の子「ねえねえ」

      「ん?」

      袖をひかれ振り向くと小さな男の子がいた。

      男の子「おねえさん、レオ様の家来?」

      「NO!…家来じゃないわ」

      男の子「じゃあ…つま?」

      「つま…wife!?No!!違うわよ!」

      男の子「ええ、じゃあだれなの?」

      「わたし…そうね。…ともだちみたいな感じよ」

      男の子「…ふーん」

      「どうかしたんですかちゆ?」

      「…別になんでもないわ、行きましょう」

      そう。今ここに居る私は一体何者なのか。レオとの関係も曖昧だし…ここにおいて私が居る意味を考えてしまうけれど、結局のところ何も思いつかない。

      「…はぁ」

      溜め息しかつくことしかできない自分が情けなかった。



    • 48 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      家来「レオ様!ハァハァ大変です!」

      「…どうかしたのですか」

      家来「敵が…攻め入るとの情報が…!」

      「…!その話聞かせてもらいましょう。…ちゆ、一旦帰りましょう」

      「え、ええ」

      よくわからないけどこれってBAD SITUATION…?
      とにかく、私達は一旦レオの家へ戻った。

      「…なるほど、5万兵…ですか」

      「ご、5万…?それって結構ヤバいんじゃないの…?」

      「…ええ。急な攻めですしこちらは用意できても2000…というところでしょうか」

      「は、半分もいないじゃない…!か、勝てるの?」

      「…敵は相当強いと聞いています。一筋縄では…いかないでしょうね」

      「そ、そんな…」

      「…ちゆ。護衛を付けるのでこの町から隣の町へ行きなさい」

      「…は?」

      「隣の町であれば私の知り合いもいますし、ここで食い止められればあちらは対抗する兵力を確保するだけの時間はありますし…」

      「ま、待って。何を言っているの?」

      「…ちゆはこの町の人間ではありません。危険に晒すわけにはいきません。」

      「そ、それじゃあこの町の人たちはどうなるのよ!?」

      「…私はこの町の領主です。民のため全力を持って戦います。…ですが勝てなければ最悪は、民に危害が加わらない様にするのみです」

      「そ、それってアンタはどうなるのよ…?」

      「…」

      「ば、馬鹿じゃないの!?こんなのほぼ勝てるわけがないじゃない!?それなのに…死にに行く様なものよ!?」

      「…ちゆ、私は…民が、この町が好きなんです」

      「…What?」

      「私の父は私利私欲のため、上のものに媚びへつらい、民から多額の税をせしめ取ってきました。私は民が苦しむ姿を見てきました。…許せなかったんです。そして父を殺し、私が領主になりました。ここは小さな町ではありますが上の者と並べるように努力はしましたし、民のために尽くす様にしてきました。その結果、この町で民は…子供達は生きている。それが私の…幸せなんです」

      「…」

      「ちゆ。痛み無くして得るものは何も無いんです。戦わなければ、痛みを感じなければ…望んだものは得られない」

      「…」

      「ちゆ。私は貴女を見た時、一瞬で好きになりました」

      「は、はぁ!!??」

      「是非とも私の妻になって欲しい…。ですが私とちゆはまだ出会って間もないですし、貴女は記憶が無い。そんな状態で求婚するなんてことはできません。でも、これだけはお願いさせてください。…貴女には生きて欲しい」

      「…」

      「だから…お願いします」

      レオの目は…真剣で、決意に溢れた目をしていた。…そうだ。力が無ければ自分が望むことなんて得られるわけがない。…私はそれを誰よりも学んできたはずだ。
      …でも諦めなかった。どんなに辛くても、足掻いて、もがいて、そして行き着いたのがRAS。…出来ないと諦めることは簡単だ。
      まずは、行動しなければ。

      「…嫌よ」

      「…ちゆ」

      「私もここに残る」

      「…え?」

      「私に出来ることは…ほとんど無いのだろうけど…それでも逃げるのは嫌いなのよ」

      「…!一緒に、戦ってくれるのですか…?」

      「…YES」



    • 49 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「…ちっ、納得いかねぇなぁ」

      「…マスさん、まだ言ってるんですか」

      「だってよぉ!こんなちっぽけな町にこの数で攻め入る必要あんかよ?」

      「…言ったはずだよ、マス。この町にいるレオ…彼は強い。それにこの町の向こうにある花園町…そこに攻め入るための布石だって」

      「あー、へいへい。わぁってるよレイ。…行くぞロカ」

      「あっ…ちょっと!マスさん…!待ってください〜」

      「…皆!行くぞ!」

      レイの兵達「おー!!!!!!!」

      総勢五万による攻めが始まった。

      ドゴン!!!

      「!な、何!?」

      レオの兵達「うおおお!!!!!」

      何処からかレオの兵達が急に現れ、レイの兵たちに攻撃を仕掛け始める。



    • 50 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      『恐らく5万といっても、増援があるはずです。増援がくればこちらには勝ち目はありません』

      『そうね…とにかく増援が来る前に5万の兵を倒す…いや違うわね』

      『?』

      『倒すのは…大将、つまりKING』

      『…なるほど』

      『大将さえ倒せれば、後はただ数の問題。こちらにも戦いようはあるわ』

      『でも、大将を倒すとなれば他の兵達が邪魔するのは目に見えています』

      『…そこで聞きたいんだけどレオ。…貴方って相手の大将より強い?』

      『…私自身、強いと自負がなければここには立ってないでしょうね』

      『そうよね。…これは少し無謀に近い…提案だけど……………..どうかしら?』

      『…中々無茶を言いますね。それが出来るのであれば、真正面での戦いでもほぼほぼ勝てる見込みがあると思いますけどね』

      『…まぁ、これは提案よ。やるかは別』

      『…いえ、それでいきましょう』

      『…後悔しないわね?』

      『ええ、痛み無くして』

      『…得るものは無いよね』

      『はい。やりましょう』



    • 51 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      そう、私達が考えた作戦は大将を先に倒して兵をガタガタにすること。でも、まずそこにたどり着くにはどうしたらいいか。
      …約五万の兵を2000の兵でどうにか抑えることだった。
      そのため、相手の兵達がいる場所を探し出し奇襲を仕掛ける。そして、相手の兵達が奇襲にかかっているところを

      「…私が1人で大将を倒すということです」

      「…なるほど、考えたね」

      「いや、考えたってこれどう考えても無謀やん…」

      「ははっ!!お前面白えなぁ!!」

      「大将を倒すのに味方は己の身、一つで十分です…いざ参る」

      「はっ!させっかよぉ!」

      キイイインンン!!!!!

      刀と刀がぶつかり合う。

      「悪いけど、こんな1日で考えた様な脳筋戦術じゃウチたちは倒せません!」

      「…いえ、勝たせていただきます」

      ズバッ!!!!

      「がっ!?」「うっ!?」

      バタッ!!!!

      「…刀を2本も扱うとは…驚いたね」

      「…これも作戦です」

      『ところでレオ、貴方、刀は2本扱える?』

      「…参ります」

      「…!」

      ガッキイイイイン!!!!!

      「…っく!」

      「…ふっ!はぁっ…!」

      「う…あぁぁぁっ!!!」

      「っ!?」

      パキィィィン!!!!

      (刀が…!!)

      レイの力強い刀筋により、レオの持っている刀は片方折れてしまった。

      (ここで、負けるわけには…!)

      レオの頭によぎる声。

      『…行くのよね』

      『はい。…勝ってきます』

      『…最後まで、戦うことを諦めないのよ…!』

      『はい』

      『…いきなさい。死んだら許さないわ』

      「ぐぅっ…」

      「ふんっ…!」

      レイの刀によってレオは斬られる。だがレオの目は諦めてなどいなかった。

      「なっ、に…!?」

      「う、おおおおおお!!!!」

      「ぐぁぁっ!!!」

      レイがレオを斬ったところの隙をついてレオが斬り返したのだ。

      「くっ…ハァハァ…」

      レオは勝った。だが、戦いはまだ終わっていない。

      「…っく!勝つ!勝って…生きる!」



    • 52 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「…」

      ドン!

      「!」

      家来「レオ様が…レオ様が!」

      「ど、どうしたの!?」

      家来「レオ様が…勝利されました!!」

      「はっ…良かった…」

      私は心の底から安堵した。

      「ちゆ…」

      「レオ!良くやったわね…その傷…大丈夫なの?」

      「ええ…こちらの被害も最小限で、しかも相手側の大将も捕らえられたのですから…大勝利ですよ」

      「…そう。良かったわ」

      「…ちゆのおかげです。ありがとう」

      「…いえ、レオの民を思う気持ちが勝利を得たのよ。…Congratulations」

      そう呟くと、チュチュの身体は光に包まれた。

      「What!?」



    • 53 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「…ここって」

      自身に宿った光が消え、目を開けるとそこは自身の部屋にいた。

      「チュチュ様〜!!!!こんなところにいたのですね!!!時間になったので起こしに来たら居ないので探しましたよ〜」

      「…戻ってきたのね」

      「?どうかされました?」

      「いえ…なんでもないわ…それよりパレオ、ジャーキー買ってきて」

      「イェス!パレオ!」

      「…今なら新曲が書ける気がするわね」

      そう呟いた彼女の目は、1人の偉大な戦士を見ているようだった。



    • 54 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      「彼女の勇気ある行動がある1人の戦士を動かし、勝利を収める結果となりました」

      「もし、彼女の行動がなかったら…結末は変わっていたのでしょうか」

      「彼女の勇気がもし、歴史を大きく動きてしまったとしたら…..それは良い未来への変動となることを願うばかりです」



    • 55 名前:匿名スタッフさん ID:lODU2YjU[] 返信

      続きはまた明日



    • 56 名前:匿名スタッフさん ID:lNzY1MDF[] 返信

      まってます



    • 57 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「呪い、それは古来より人間が編み出したものです」

      「元々古来日本では呪いは相手を悪とする建前上で存在し、呪いそのものは悪とはされなかったとか」

      「皆さんは人を呪いたい、と思ったことはありますか?」

      「ですが、安易にそれを使うことは避けるべきでしょう」

      「相手にかけた呪いが本当に相手に伝わるのか…その呪いが返ってくるのか、分かったものじゃないですからね」



    • 58 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      〜♪アナタトイッショニ 〜♪Let’s sing〜♪

      「いい感じじゃね?」

      「うん、だいぶいいと思う…!」

      「いえ、まだまだ改善の余地はあるわ。特に桐ヶ谷さん、サビで走りぎみになるのはやめなさい」

      「ええ〜、いいじゃん!こっちの方があたし的にアガるっていうか!」

      「あはは…まぁるいるいの意見も分かるけど、私はそれも透子ちゃんの味なのかなぁって思うけどね〜」

      「おぉ!ななみ良いこと言うじゃん!そうなんだよ〜!」

      「まぁ、少しくらいならいいけど、あんまり飛ばしすぎても困るからそこら辺はちょっと調節したらいいんじゃないかな」

      「…ええ、そうね。それじゃあもう一度やりましょうか」

      「う、うん!」

      「よっしゃぁ!任せて!」

      「オッケ〜」

      「じゃあいくよ、1.2.3はいっ」



    • 59 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「ん〜、今日も充実してたなぁ〜!」

      練習を終え、お風呂上がりの髪を乾かしつつ呟く。

      「おっ、今日の練習の投稿バズってる!」

      携帯で今日の投稿についてやトレンドなどを見ていると

      「ん、何何…呪いについて…?なにこれ」

      それは、今流行りになっているらしい呪いの投稿だった。

      「…呪いねぇ」

      よく分からないけど、少し胡散臭さを感じあまりそれについては見ず、携帯を閉じた。



    • 60 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「おっはよ〜」

      「おはよ〜」

      「おはよ〜」

      「ねえねえ、透子〜これ知ってる?」

      「ん?呪い…の噂?」

      「最近流行ってるらしくてさ〜」

      「へー、あたしそういうのあんまり興味ないんだよねぇ。なんていうか、あんまイケてなくね?」

      「あーね。所詮噂って感じだしね〜」



    • 61 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      【放課後】
      「ふー。部活も終わったことだし、帰りますかね〜」

      「…スタスタ」

      「おっ、ルイ〜!!!」

      「…あら、桐ヶ谷さん。ごきげんよう」

      「ごきげんよ〜!ってかまだルイ居たの?」

      「ええ、今日は生徒会の集まりがあったから。桐ヶ谷さんこそまだ残っていたのね」

      「あたしは部活があったからさ〜。よし!ルイ一緒にかえろ〜!」

      「…まぁ途中までくらいなら」

      【木陰】
      「……ジーーーー」



    • 62 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「ふぅ…今日も疲れた!寝る!」

      ベットにダイブし携帯を見ながら、今日一日について
      思い出す。

      「…呪い…ね」

      【その夜】

      ポタポタポタ…

      (ん…?何か、垂れてきた…?)

      私はそっと目を開ける。
      目に写ったのものはこの世の物とは思えないものだった。

      ???「あぁぁぁぁぁぁ…..」

      髪が長く、赤いドレスを着た顔が歪んだ女が天井に背中から張り付いていた。

      (ひっ…!?な、何こい、つ…)

      女は目から血を垂らして、唸っていた。
      私は耐え難い恐怖に目を背けようとしたが、

      (目、目が…塞げない…)

      開いた目が塞げないどころか身体が何者かに取り押さえられている様に動かなかった。

      (ぁっ…!や、やだ…!)

      目をゆっくり自分の足元によせていく。

      ???「ぁハッ…ァァァァア…..」

      私の体を天井にいた女が数人囲んで押さえ込んでいた。

      「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
      ああああああああああああアあぁあぁあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



    • 63 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「…..」

      結局、その日は眠ることができなかった。

      「…あ、学校…行かなくちゃ…」



    • 64 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      …ちゃん

      …..ぉこちゃん

      「透子ちゃん!」

      「!」

      気づけば私はギターを持っていた。
      そうだ…今は練習中…

      「…桐ヶ谷さん、さっきから心此処に在らずのようね」

      「あっ…」

      「瑠唯さんの言う通りだよ!透子ちゃん、今日ミスばっかりしてるし…なのにどこかぼっーとしてるみたいで…」

      「うん。しろちゃんみたいだった」

      「えっ!?私そんなにぼっーとしてないよ…」

      「…そうね、よく倉田さんが空を見上げてる時に似ていたわ」

      「るいさんまで…」

      「あー…ごめん」

      「「「!!!???」」」

      「…貴女らしくないわね」

      「ん…そう…かな」

      「そ、そ、そうだよ!どうしちゃったの!?透子ちゃん!?」

      「な、な、何か悩みがあるなら聞くよ…!?」

      「ほれほれ〜、言ってみんしゃい」

      「…実は…..」

      あたしは皆に昨日のことを全て話した。

      「…変な夢でも見たのでは?」

      「「こ、怖…..」」

      「…..んー、もしや今話題の呪いかもしれないね」

      「「の、呪い!?」」

      「馬鹿馬鹿しい。そんなの非論理的だわ」

      「るいるい、この世には論理だけじゃ説明できなこともあるんだよ〜。んー…よし、今日は私の家に皆で泊まろうか」

      「「え!?」」

      「丁度、明日もお休みだし。前回の時みたいに皆でお泊まり会楽しかったしね〜」

      「それとこれがどう繋がるのかしら」

      「もし、本当に呪いなら今夜も多分、透子ちゃんに現れると思うんだ」

      「!…ブルブル」

      「と、透子ちゃん…大丈夫?」

      「もしそうなら、私達で透子ちゃんを守ろうってこと」

      「…!う、うん!私達モルフォニカの結束力で呪いなんて吹き飛ばそう!」

      「…..私は帰るわ」

      「待ってよるいるい、もしかしたらるいるいが非論理的って言ってるものと会えるかもしれないんだよ?」

      「…はぁ。…いいわ、今回だけよ」

      「しろちゃんはどうする?帰る?」

      「な、なんで私だけ帰そうとするの…!」

      「いや、しろちゃんこういうの苦手かなって」

      「わ、私も…モルフォニカの一員だもん…!透子ちゃんを守る!」

      「…しろ…ふーすけ…ななみ…るい…」



    • 65 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      【夜】
      (ま、まただ…体が…動かない)

      目を開けたくない。目を開けたくない。
      目を開けたくない。目を開けたくない。

      怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

      (しろ、ふーすけ、ななみ、るい…誰か…助けて…)

      その思いも届かず、私は何者かに目を開かされた。

      ???「ぁぁあ”あ”あ”あ”….」

      (ひっ…)

      天井に、右腕に、左腕に、右足に、左足に、顔に、腹の上に、奴はいた。

      (あ、あ、あ、あ、!)

      私は…..

      「透子ちゃん!!」

      「!」

      私の目の前にはななみがいた。
      さっきまでの光景が…消えた…?

      「えっ…なんで..?」

      「透子ちゃん、うなされてたんだよ。多分昨日のことも今回と同じく悪夢を見てたんだよ。」

      「悪、夢…?」

      「…桐ヶ谷さん、貴女ずっと過呼吸で痙攣してたわよ」

      「え…?」

      2人によると、私は誰よりも先に眠りついたらしい。
      そして急に唸り始め、途中から呼吸が荒くなり、最終的に過呼吸になり、痙攣をし始めたらしい。

      「…私…夢見てたの…?」

      「…これは呪いだよ。誰かにかけられたんだ」

      「…..どうすれば呪いは解けるの?」

      「…..明日、お寺に行こう」



    • 66 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      そして私達は次の日に、七深が住職さんと顔見知りだというお寺へ行った。
      そこで私の呪いをお祓いしてもらった。

      住職「…貴女にかけられた呪いは祓われましたよ」

      「…そ、そうなんだ…」

      「よ、良かったね。透子ちゃん」

      「ご、ごめんね。私達何もできなくて…」

      昨日、ふーすけとしろは私が寝た後にすぐ眠りについてしまった。そして私がうなされてる間も寝ていたのだ。

      「…まぁこれでなんとかなったんだし、大丈夫っしょ!」

      「うん、良かった良かった〜」

      「でも、よく七深ちゃんはうなされてる透子ちゃんを起こせたね?」

      「あぁ、広町さんが桐ヶ谷さんにキスをして過呼吸を落ち着かせたから…」

      「…え?」

      「「ええええ!!??」」

      「え、いや〜過呼吸を抑えるにはキスが効果的かなぁって」

      「ちょっ///ななみおまっ///!!」

      「…え、私おかしかった?」

      「まぁ、過呼吸は二酸化炭素が低下しているのに酸素を多く取り入れようとするためにますます二酸化炭素が低下して呼吸難になるから、キスをすれば呼吸のしすぎを止めることはできるわね。ただ、普通は過呼吸の人はじっとしてられないだろうからキスは現実的ではないし、訴えられる可能性もあるから普通はしないわね」

      「うっ、訴えられる…。と、透子ちゃんごめん!」

      「あー///まぁ、ミクロンミクロン!気にすんな///!あたしのためにやってくれたんならね!」

      「//////」

      「あー、そっか…///キス…ね///」

      (透子ちゃんの唇、柔らかかったなぁ)

      住職(青春ですね)

      「…早く帰りましょう」



    • 67 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      それから、私にはあの日の様なことは起きなくなった。
      本当に呪いだったんだろうけど、なんで私にかけられたのか分からないし、謎は多いけどまぁ、ミクロンだよね!

      「よーし、今日もがんばんぞ〜!」

      「おはよ…」

      「おっはよぉ〜!!」

      「おはよ…透子」

      「えっ、皆どうかしたん?なんかテンション低いけど」

      「それが…〇〇が車に轢かれて…今重症なんだって…」

      「…マジか…」

      「…..」

      住職『広町さん、少し…いいですか』

      『ん?何ですか?』

      住職『…私は彼女の呪いを祓いはしましたが、それは完全に消したわけじゃないです』

      『…はい』

      住職『祓われた呪いは…行き場を求め…やがて術者に…』

      『でも、それって仕方ないことですよね?』

      住職『…』

      『人を呪うってことは…自分も呪われることを覚悟しなきゃいけないんだと思うんですよ』

      住職『…その通りですね』

      『たとえ…どんな結果になろうとも…それ相応の報いは受けてもらわなきゃ…。透子ちゃんを傷つけたんですからね』

      「…..人を呪わば穴二つか…」



    • 68 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      「彼女にかけられた呪いは最悪のものでありませんでした」

      「術者がそこまで呪いに力を込めなかったのか、込められなかったのか…」

      「結局、その呪いは見事に術者に返って行きました」

      「その呪いは最初よりも強く…」

      「普通じゃないことはするもんじゃないねぇ〜」

      「…..皆様も異常な行動はお控えを…」



    • 69 名前:匿名スタッフさん ID:wZDg4MzA[] 返信

      ここまで
      残り2つなんですがまだ書き途中なので、取り敢えず今週には完結させられるようにはします。



    • 70 名前:匿名スタッフさん ID:hMTQ5ZTk[] 返信

      面白かった!
      今回の話はいかにもmorfonicaだよなという感じで。



    • 71 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「人は常に選択を強いられています」

      「時には自分で選ぶことより誰かに選んで欲しい、選択すること自体が億劫であることはありませんか?」

      「ではもし、常に自分で選択をする必要がなければどうしますか?」

      「それはそれで楽でしょう。しかし自分では選択が出来ず、人の言いなりになるのはおもしろくないと、思い始めることになるのではないでしょうか」

      「人は常に選択する権利を得て、それを使うかを選択しているのです」



    • 72 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「んーっ、ふぁ〜…?」

      朝目が覚めると、私の前に

      A.二度寝する
      B.ベットから出る

      選択肢が浮かんでいた。



    • 73 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「…え、何これ」

      朝の頭がまだ冴えてるとは言えない時に、自分の目の前に謎の選択肢が現れたことにただただ驚いた。

      「…今何時」

      近くの目覚まし時計を見るとまたまた驚いた。
      時計の針が止まっているのだ。

      「…時間でも止まったのこれ」

      昨日ちょうど目覚まし時計の電池を変えていたので、こんなすぐに電池切れするわけがない。…まぁもしかすると壊れてしまった可能性もあるが。

      「…もう少し寝れるな」

      だが、氷川日菜は普通とは違ういわゆる、”天才”というやつだった。
      こんな訳がわからない状況でも自分に正直であった。恐らくだが、これがふわふわピンクであれば目ん玉飛び出てひっくり返っていたのではないだろうか。

      「へくちゅ!」

      彩母「彩〜風邪でもひいた〜?」

      「いや、多分誰かが私の噂を…」

      …まぁそんなことは置いておこう。

      「…じゃあAで…おやすみ…」

      氷川日菜は二度寝としゃれこむことに決めた。すると、

      コンコン…

      「…?」

      「日菜…朝よ起きなさい」

      「…!?お、お姉ちゃん!!お、起きます!起きます!起きました!おはようございます!今日もいい朝だね♪ルンッ」

      「な、何よ急に…朝ご飯もうできるらしいから、着替えて降りてらっしゃい」

      「は〜い!」

      …やはり氷川日菜は自分に正直だった。昔まで距離があった、大好きな姉からモーニングコールをかけられれば喜んで飛び起きる。
      …さっきまでの眠気はどうしたのだろうか、富士山らへんにでも飛ばしたのだろうか…。

      「♪〜、いや〜今日はいい日だね!」

      …この天才、もうすでにさっきの選択肢のことなど忘れているのである。



    • 74 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「行ってきま〜す」

      「行ってきます」

      母「行ってらっしゃい〜」

      「〜♪」

      「…やけに上機嫌ね」

      「えへへ」

      そりゃそうだ。この天才、大好きな姉と一緒に登校している(学校は違うが)ことは昔のことを思い返せば、ほぼほぼ有り得ないことだ。
      さながら氷河期から急に地球温暖化になったかのように、2人の間のオゾン層(溝)は薄まっていたのだ。
      これが上機嫌にならないだろうか、いやなるだろう(反語)

      「それじゃあ日菜、くれぐれも迷惑はかけないようにね」

      「は〜い!またね〜!」

      姉と別れ、自身の通う羽丘へ向かう。
      すると

      「あっ!日菜先輩!おはようございます」

      「…おはようございます」

      「おはようございます!」

      「おはざま〜す」

      「おはようございます」

      Afterglow、通称いつも通りの屋上集団と出くわしたのだ。

      「お〜おはよ〜!」

      すると

      A.蘭、モカと話す
      B.ひまり、巴と話す
      C.羽沢つぐみと話す

      (…?何これ)

      またまた天才の頭上に選択肢が現れた。というか、何故つぐみだけフルネームなんだよと思った(小並感)

      (…え?)

      そして日菜はこの頭上の選択肢が現れた時の異常な現場を見てしまったのだ。
      …なんと周りの5人が静止しているのだ。
      5人だけでない、通行人や空を飛ぶ鳥達、音さえも何も無い。

      「…なるほどねー」

      天才は把握した。この謎の選択肢が出ると周りの時間が何故か止まることに。そして恐らく、この選択肢を選べば動く事を。

      「んー、じゃあCで」

      特に考えることもなく、てきとうに選んだ。
      …判断力ぱねぇな(驚)

      「あっ日菜先輩、今日の生徒会についてなんですけど…」

      (ほー、選択肢を選ぶと必ず選んだ通りになるのね。…まるでゲームだな)



    • 75 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「おっはっよ〜」

      「日菜さん、おはようございます」

      教室に着き、麻弥ちゃんと、挨拶を交わすと

      A.肩を叩く
      B.頭を叩く
      C.頬を叩く

      「えー、またこれ〜?めんどいなぁ…」

      段々、選択肢に対して雑な対応をし始める天才。だが、選ばなければ時間は止まったままなのであった。

      「はぁ…。えいっ」

      「うわぁ!な、なんですか日菜さん?」

      1番丸そうなAを選択する。すると

      「んあ、蚊…」

      肩に蚊が止まっていたのだ。運がいいなぁ(棒)



    • 76 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「はー、学校終わった〜」

      授業中でも選択肢は何度も出てきていたためか、日菜は選択肢にうんざりしていた。

      (あ…今日は生徒会か…)

      選択肢のことばかりに頭にいっていたので放課後になってから思い出した。生徒会室へ向かうべく席を立ち上がると

      「日菜先輩」

      「おっ、つぐちゃん」

      教室前にて可愛い後輩が待っていたのだ。

      「行きましょうか」

      「オッケ〜」

      (ん?つぐちゃん…頭にゴミが…)

      A.取ってあげる
      B.教えてあげる

      (…Aかな)

      「つぐちゃん」

      「?どうかしましっ…」

      日菜はつぐみの頭のゴミを取ってあげたのだ。
      別に日菜はそんなに意識せずちょっと移動した程度に感じていたのだろうな、つぐみは目の前へ一瞬で移動したように思えたのだ。

      「!?なっ、何ですか急に///」

      「へ?いや、頭にゴミが…」

      「あ、あ〜///なるほど…///」

      急に至近距離に現れ、颯爽と頭に触れられたのだ。そりゃびっくりするわ。
      しかも顔がいい。顔がいい(大事なことなので2度)いい香りがしたため、赤面せずにはいられない。

      「い、行きましょう///」

      「…?」



    • 77 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      【家】
      「いや〜!疲れたなぁ」

      自室のベットにて1人で呟く。
      あの後も選択肢は何度も何度も出てきた。
      しかも、選択肢はどちらかは選ばなければいけないので、日菜は凄く面倒で疲れを感じていた。

      「ん…なんか自分で選んでるようで選んでないような…変なの」

      「コンコン…日菜、少しいいかしら」

      ドア越しにノック音が聞こえた。

      「ん、いいよ〜」

      「ガチャッ…少し話したいことが…日菜どうしたの、なんだから疲れた顔をしてるわね」

      「ん、別にそんなことないよ。で?どうしたのお姉ちゃん」

      「そうそう、今度の羽丘との企画の件なんだけど…」

      A.手を握る
      B.ハグする
      C.愛を囁く

      (は?…は!?)

      急に意味のわからない選択肢が出てきたため焦る天才。

      「…」

      そっと、紗夜に抱きついた。

      「!?ひ、日菜?」

      (あっ、お姉ちゃんあったかい)

      「ちょっ、ちょっとどうしたのよ」

      「…」

      「…?日菜?」

      「…スヤァ」

      「!?」

      1日の疲れと姉へのハグの心地よさから1人、夢の世界へ旅立つ天才。
      …いやどういうことだよ(急に冷静)



    • 78 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「…ボケー」

      「ひ、日菜さん?なんか今日は一段と…疲れてますね…?」

      「んー…なーんかルンってこないんだよね…」

      結局、選択肢はいまだに現れ続け日菜は毎度てきとうにそして最善であろうものを選んでいたのだが、それがどう転ぶかは分からず、ただただモヤっとした気持ちが溢れるばかりだった。

      「あ、今日は確か花咲川との打ち合わせとか言ってませんでしたっけ?」

      「あー…そうだった。行ってくる〜」

      「あはは…お疲れ様っす」
      ーーーーー
      「やっと来たわね日菜」

      「では…始めましょうか…」

      「はい。えっとまず、配布した資料を…」

      「…」

      会議は進んでいくが1人の少女の心は何処かつっかえたように止まったように見えた。

      「〜〜」

      「〜〜」

      「〜〜」

      「…」

      「…日菜?ちゃんと聞いているの?」

      「…え」

      「えっと…日菜先輩さっきから一言も喋ってませんがどうかしましたか…?」

      「あ、いやなんでも無いよ」

      「えっと…日菜さんはどっちの案がいいと…思いますか…?」

      半分くらい聞いていなかったが、今A案とB案の二つのどちらがいいかの話し合いになっているようだった。

      A.A案
      B.B案

      「まぁ、出るよね〜」

      日菜はこの展開は予想通りだった。そしてそれがあまり気が進まないことも予想通りだった。

      「…正直どっちもルンってこない…」

      もし、選択肢など無くいつもの日菜であれば2つを蹴って新たな案を提案して周りを納得させることは出来たのであろう。だが、

      「…どっちか…ね」

      彼女は、、



    • 79 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「…」

      感コーヒを持ったままさっきのことを思い出す、日菜は自販機の前にいた。

      「…選択肢ねぇ」

      結局日菜はB案を選び、話し合いはその案に固まり進んでいった。そして今は数分休憩ということになり、外の空気を吸いに出たのだ。

      「…」

      空を見上げ、彼女は想いに耽っていた。

      バアアアン!!!!!

      「!」

      すると急にものすごい音が鳴り響く。

      「…銃声?」

      日菜は嫌な予感を感じた。

      A.生徒会室へ
      B.職員室へ
      C.家に帰る

      「っ!」

      迷うことなく走り出した。



    • 80 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「嘘でしょ…」

      日菜が戻った先、そこには

      「…ガクブル」

      ???「おい、アイツら身代金は要求出来たのか」

      ???「ああ、職員全員抑えたからな。時間の問題じゃねえか」

      ???「にしても、なんで俺らはここ何だよ」

      ???「なんか、取り敢えず職員室、校長室、生徒会室、グラウンドは抑えとけって話になったんじゃなかったでしたっけ?」

      ???「にしても、人数足りてないだろ」

      ???「まぁ、ここ3人しかいませんし俺らだけで十分しょ」

      顔を黒いマスクで隠した拳銃を持った、男2人が居た。

      (どうする…)

      今の話を聞く限り、先生達も人質にされてるし、外にも居るし、仲間は恐らく少なくとも6人以上はいるだろう。

      (…なんでこういう時は選択肢出ないの…!)

      本当に困った時に出ない選択肢への苛立ちと心の片隅に選択肢を当てにしている自分への苛立ち、3人を危険な目に合わせようとしている男達への苛立ちの3連コンボが日菜にのしかかった。

      (でも、今のところ2人とも私に気付いてないし、なんとか…)

      ???「にしてもこいつらいい女だなぁ…ヘヘ」

      「…!ち、近づかないで!」

      「きゃあ!」

      「は、羽沢さん…!」

      (!アイツ…)

      男の1人がつぐみの腕を掴む。そのことに反応して紗夜が動こうとするが、

      ???「おっと、動くんじゃねえぞ」

      もう1人の男が、紗夜に拳銃を突きつける。

      (ま、まずい…!)

      A.紗夜を助ける
      B.つぐみを助ける

      そんな時、出てこないことに苛立っていた選択肢が1番苛立つ選択肢を携えて日菜の目に現れた。

      「…は?」

      なんだこれは、最初思ったことはそれだった。
      この選択肢は、

      「…どっちかしか助けられない…?いや、この選択肢…どっちを助けるかを選ばせようと…」

      悪意のある選択肢、そう感じた。
      だが、選ばなければ日菜はこの先に進むことさえも出来ない。

      「…つぐちゃんは男に腕を掴まれてる。お姉ちゃんは銃を突きつけられてる」

      天才は考える。この状況を打開する策を。
      しかし、

      「…ホント無理」

      溜まってきた不満が爆発した。

      「なんであたしの行動が、考えがこんな薄っぺらい選択肢に左右されなきゃいけないわけ?あたしは!!あたしの選択は!!あたしが決める!!!!」

      日菜は、教室へ、飛び込んだ。

      C.全員助ける



    • 81 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      警察「えー、氷川日菜殿の功績を称え感謝の言葉を述べさせていただきます」

      「…」

      結局あの日ドアをぶち破って強盗が動揺したと同時に頭を蹴り上げて気絶させた。

      そして残りの奴らも全員気絶させ、取り押さえてもらうことで事なきを得たのだ。

      『我が妹ながら…若干恐怖すら感じるわ…』

      『日菜さん…アニメのヒーローみたいでした…』

      『カッコ良かったです!』

      『もはや超人』

      (まぁあたしとしても選択肢をぶっ壊せたし、イライラも解消できたし、お姉ちゃんやつぐちゃん達も無傷で良いことづくめだなぁ)

      その後、警視庁に呼ばれて表彰すらされる。
      氷川日菜、恐ろしい娘…(驚愕)

      「んー!」

      警視庁から出ると、程よい気温で澄み切った青空にとても清々しさを感じた。

      「…あたしはあたし。何にも縛られないことこそルンってする♪」

      「日菜」

      「日菜先輩」

      「お姉ちゃんにつぐちゃん〜。待っててくれたの?」

      「ええ」

      「日菜先輩、本当にありがとうございました!」

      「…ありがとう日菜」

      「別にお礼とかいいよ〜、あたしがしたいようにしただけだからさ!」

      「…まぁ少しやりすぎた感じはしたわね」

      「でも、日菜先輩本当にかっこよかったです」

      「えへへ」

      あたし達は並んで談笑しながら帰路へ向かう。すると

      A.紗夜と手を繋ぐ
      B.つぐみと手を繋ぐ

      あたしは、2人と手を繋いで帰った。
      2人の手は柔らかで暖かった。



    • 82 名前:匿名スタッフさん ID:3OWNlNTQ[] 返信

      「愛のない選択は、決して良い結果にはならない。」

      「哲学者プラトンが言った言葉です」

      「選択は自身で考え選ぶからこそ輝くのかもしれません」

      「まぁ、愛がある選択をするかはその人の裁量次第…ですけどね」



    • 83 名前:匿名スタッフさん ID:2NmQ3NGM[] 返信

      サクサク読みやすいのに内容もしっかりしてる気がする。凄い。



    • 84 名前:匿名スタッフさん ID:hMTQ5ZTk[] 返信

      面白かった!ラス1かな



83件の返信スレッドを表示中
返信先: 【SS】香澄「世にも奇妙な物語」


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